はじめに
FXトレードと聞くと、多くの人が「複雑で、常にチャートに張り付いていなければならないもの」というイメージを抱くのではないでしょうか。無数のテクニカル指標、覚えきれないチャートパターン、そして絶え間なく流れる経済ニュース。その情報量に圧倒され、始める前から諦めてしまう人も少なくありません。
しかし、最近私が出会った一本の動画は、そんな常識に一石を投じるものでした。それは、驚くほどシンプルで、かつ本質的なトレード手法を解説したものです。特に、仕事や家事で忙しく、トレードに多くの時間を割けない人にとって、まさに目から鱗の内容でした。この記事では、なぜこの動画が私の心に響いたのか、その核心的な洞察を紐解いていきたいと思います。
複雑さからの解放―「チャートパターン」への依存からの解放
この動画の講師である水島翔氏が提唱する哲学の核心は、「真の有効性は複雑さではなく、シンプルさにある」というものです。具体的には、トレードで見るべきものは、たった2つの要素に絞られます。それは、相場の大きな流れを示す「目線(トレンド方向)」と、本当に重要な数本の「水平線(サポート/レジスタンスライン)」だけ。
これにより、トレーダーは「三角持ち合い」や「三尊天井」といった無数のチャートパターンを暗記し、それに振り回されることから解放されます。ただし、これはパターンが全く無意味だという意味ではありません。講師の真意は、パターンだけを根拠にしたトレードの危うさを指摘することにあります。
そのチャートパターンだけを使ったトレードっていうのは僕お勧めできないんですけど
上位足の環境認識という土台があってこそ、下位足での小さなチャートパターンがエントリーのきっかけ(トリガー)として機能することがある、というわけです。このミニマリスト的なアプローチは、判断材料を絞ることで迷いを減らし、意思決定の疲れを防ぎます。情報が多すぎて何を見ればいいか分からなくなっている人にとって、これは非常に合理的な考え方だと言えるでしょう。
思わず膝を打った、具体的な「狙い目」
この動画が単なる精神論で終わらないのは、具体的で実践的な戦略が示されている点です。特に私が膝を打ったのは、非常に確率の高いエントリーポイントとして紹介されていたあるシナリオでした。
それは、価格が「急上昇」した後の動きを狙う手法です。まずその急上昇を確認し、その後、より短い時間足でその上昇構造が崩れるのを待ちます。そして、その崩れた瞬間を捉えてショート(売り)でエントリーするというもの。この戦略が強力なのは、急上昇の過程で買いポジションを持ったトレーダーたちが、構造の崩壊によって「逃げ場を失う」からです。彼らの損切り売りが、下落の勢いをさらに加速させる燃料となるのです。このポイントについて、講師は力強く語ります。
抜けた後のここの戻しが崩れた瞬間ここめちゃくちゃ狙い です
多くの教材が抽象的な理論に終始する中、このように市場心理の裏側まで踏み込んで「ここを狙う」と明確に示してくれる部分は、この動画の大きな価値だと感じました。これこそ、視聴者がすぐにでも自分のチャートで探すことができる、実践的な知恵です。
トレードは「技術」と「メンタル」の両輪で
動画は、テクニカルな戦略だけに留まりません。成功するトレーダーになるためには、技術と同じくらい「心理的な側面」が重要であると強調します。チャートを正しく分析できたとしても、適切な「資金管理」や「リスクリワード」の評価ができていなければ、長期的に勝ち続けることはできません。
この点も具体的で、講師は「リスクリワードが2(損失1に対して利益2)以上なければエントリーしない」という明確な基準を設けています。さらに、本当の資金管理とは、単にロット数を決めることではないと説きます。まず「1回のトレードで許容できる損失額(例:5万円)」を決め、その金額と損切りまでの値幅(pips)から逆算してロットサイズを決定する。この規律が、感情的なトレードを防ぐのです。
特に印象的だったのは、ロットサイズを上げることの精神的な壁への言及です。スキルが上達しても、取引金額が大きくなることで冷静な判断ができなくなるという、多くのトレーダーが直面する課題を鋭く指摘しています。
これ は ね もう 本当 に 自分 の お 金 に 対する 体制 を どこ まで 上げ て いける か な ん です よ
これは、トレードが単なる技術論ではなく、自分自身の感情や金銭感覚と向き合う、深い自己規律の訓練であることを教えてくれます。テクニックだけでなく、トレーダーとしての器をどう育てていくかという、現実的で重みのあるアドバイスです。
なぜ「上位足」から見るのが重要なのか
このシンプルな手法を支える論理的な土台が、「トップダウン分析」の考え方です。講師は、必ず週足、日足、4時間足といった長期のチャート(上位足)から分析を始めるよう指導します。そこで相場の大きな方向性(目線)と、誰の目にも明らかな節目(水平線)を特定し、そのシナリオの中で、1時間足や5分足といった短期足でエントリーのタイミングを計るのです。
なぜなら、あるサポートラインやレジスタンスラインが本当に市場で意識されるかどうかは、「上位足で見たときに、それが目立った山や谷に見えるか」にかかっているからです。講師自身の言葉が、この原則の重要性を最もよく表しています。
上位足で見た時に目立った山に見えるかどうかって結構大事で、見えてないとそこでの逆張りを仕掛けてくる人が少ないんで、そこは反応しにくい
つまり、短い時間足だけで見える小さな節目は、市場全体の参加者からは意識されにくく、機能しない可能性が高いということです。この原則に従うことで、無数のラインの中から本当に意味のあるものだけをフィルタリングし、ノイズに惑わされずに済みます。シンプルでありながら、極めて合理的なアプローチです。
おわりに
今回ご紹介した動画は、FXトレードにおける情報過多の霧を晴らし、進むべき道を明確に照らしてくれるような内容でした。その教えは、シンプルさの力、複雑なパターンよりも少数の本質的な原則を重んじること、そして何よりも技術を支える精神的な強さの重要性です。
もしあなたが、トレードの複雑さに疲れ果てていたり、忙しい中で効率的に学びたいと考えているなら、この動画はきっと大きな助けになるはずです。地に足のついた本質的なアプローチを探しているなら、ぜひ動画でその考え方に直接触れてみてください。きっと新しい発見があるはずです。

