年の瀬に考えたい「円の価値」。あるFXトレーダーの動画が本質的だった

水島 翔/FXトレーダー

はじめに

年末は、一年を振り返り、新しい年に向けて計画を立てる特別な時期です。そんな折、FXトレーダー水島 翔氏のYouTubeチャンネルに投稿された一本の動画が、単なるトレード解説にとどまらない、示唆に富んだ内容でした。

この動画の構成は、まるで力強いワンツーパンチのようです。まず、私たちが直面する「円の価値の低下」という否定しようのない経済的現実を突きつけ、次に、その荒波を乗り越えるための論理的な思考のフレームワークを授けてくれます。これは、トレーダーだけでなく、自身の資産や将来について考えるすべての人にとって、耳を傾けるべき重要なメッセージです。

「月50万では足りない」時代の現実

動画の冒頭、水島氏は銀座での買い物中の個人的な体験談から話を始めます。ハイブランドの価格が驚くほど高騰しているのを目の当たりにしたというのです。

ここで水島氏は、多くの人が見過ごしがちな、重要な結びつきを示します。この現象を、金やプラチナといった貴金属の価格上昇と重ね合わせるのです。特に驚くべきはプラチナの価格で、世間では金が注目されがちですが、プラチナは「去年からで言うと去年5500円台とかだったのが今日現在で1万2000円まで上がって」おり、倍以上に値上がりしていると指摘します。

この観察から、彼は次のような力強い結論を導き出します。

僕らは諦めちゃいけません。もっとね、徹底的に稼がなきゃいけない。今 まで月50万で生活できたのが月100万ない と それなりにね、豊かな生活ができない。もうそんな時代になってます。

この言葉が胸に響くのは、単に「もっと儲けよう」という景気の良い話ではないからです。これは、円の価値が下がり続ける時代において、今の生活水準を維持するためだけでも、私たちはより積極的に収入を増やさなければならないという、厳しい現実を突きつける警告なのです。この切実な経済的警告が、動画の核心である「なぜ戦略的思考が必要なのか」という問いへの土台となります。

長期と短期、複数の視点で相場を捉える

動画の核心部分では、具体的なトレード手法として「マルチタイムフレーム分析」が紹介されます。

これは、感覚に頼るのではなく、論理的かつ構造的にトレードの意思決定を行うための手法です。この概念を分かりやすく例えるなら、「森と木を同時に見る」という考え方に近いでしょう。週足(週単位のチャート)は市場全体の方向性という「森」を示し、5分足(5分単位のチャート)はエントリーや決済のタイミングといった目先の「木」を示します。優れたトレーダーは、木ばかりを見て森の方向を見失うことがないのです。

水島氏はこの分析を、自身のトレード戦略の根幹に据えることの重要性を強調します。

この上位足からね、マルチタイムでマルチタイムフレーム分析を行いながらトレード戦略を立てていくっていうのを徹底していくのがベストかなと僕 は思ってやってます。

今、本当に「狙うべき」ポイントはどこか

特に秀逸なのは、この高度な理論を、すぐに動画収録時点の相場状況に落とし込んで見せる点です。これこそ、抽象的な概念がいかに実践で役立つかを示す、完璧な実例と言えるでしょう。

彼が指摘したのは、週足、日足、そして4時間足までもが上向き(上昇トレンド)である一方、1時間足という短期的な視点でのみ下向き(下降トレンド)になっているという「時間軸の矛盾」でした。4時間足レベルまでが上昇を示しているという事実は、短期的な下落がより大きな上昇トレンド内での一時的な調整に過ぎない可能性を強く示唆します。

そして、この短期的な下落の動きについては「結構取り尽くししてるかな」と分析し、今から安易に売りで飛び乗る危険性を示唆します。これこそが、多角的な分析がもたらす価値です。一面的な視点ではチャンスに見える場面でも、大きな流れを理解していれば、それが既に終わりに近い動きであることを見抜き、高値掴みならぬ「安値売り」という致命的なミスを避けられるのです。

その上で彼は、より大きな流れに沿って買いのチャンスを待つか、あるいは5分足レベルでごく小さな値動きを狙うスキャルピングに徹するか、という現実的で柔軟な代替戦略を提示しています。

おわりに

この一本の動画が持つ真の力は、その「動機」と「方法論」の見事な融合にあります。

それは単に円安への警鐘を鳴らすだけでなく、その問題に主体的に立ち向かうための「マルチタイムフレーム分析」という具体的な武器を手渡してくれるからです。

私たちは「より積極的に稼がなければならない」という切迫した経済の現実に直面しています。そして、そのために金融市場と向き合うのであれば、感情に流されず、構造的で論理的な分析手法を持つことが不可欠です。この動画は、その両方を力強く示してくれます。

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動画の全編を見ると、具体的な相場分析の深さと、来年に向けた心構えがより一層伝わってきます。ぜひご自身の目で確かめてみてください。