はじめに
大きな目標を達成してしまった後、人は何を原動力にすればいいのか。「もうこれ以上、働きたくない」——そんな感覚は、成功を手にした多くの人が密かに抱える課題かもしれない。年末、FXトレーダーとして知られる水島翔氏が公開したYouTubeの対談動画は、まさにその核心に迫るものだった。単なる一年の総括を超え、成功者が直面するモチベーションの空白と、そこから新たな目的を見出すまでの生々しい軌跡が語られる。お金、仕事、そして幸福に対する価値観の劇的な変化は、自身の人生を考えるすべての人に深い示唆を与えてくれる。
「もう服は買わない」数百万の浪費から学んだ幸福論
対談でまず明かされるのは、水島氏の金銭感覚の劇的な変化だ。かつてはルイ・ヴィトンやグッチといった高級ブランドで一度に200〜300万円を費やすこともあったという。しかし、その価値観は今、180度転換した。
象徴的なのが、彼が誇らしげに見せた先月のクレジットカード明細だ。金額は約172万円。これを「倹約の証」とする水島氏に対し、同席するパートナーは自身の300万円超の明細を見せ、そのやり取りが変化のリアルさを物語る。172万円という額は決して小さくないが、重要なのは金額の多寡ではなく、彼が自らの支出を意識し始めたという事実だ。その変化は、「コメダ珈琲でバナナジュースがグラコロバーガーより高い」と躊躇するほど、日常の細部にまで及んでいる。
この変化の背景には、「お金を使っても幸福度は上がらない」という深い気づきがあった。物質的な豊かさがもはや心を満たさなくなり、過去の浪費を「無駄だった」と率直に振り返る。
そういう目線で言うと今までそうやって無駄に使ってきたお金をちゃんとね運用に回しとけばよかったなっていうのはまあ結局たらればだけどね
浪費の季節を経て本質的な価値を見出した、彼の偽らざる心境がこの言葉に凝縮されている。
「稼げばいい」という慢心への痛烈な指摘
この動画が深みを増すのは、ビジネスパートナーからの遠慮のないフィードバックがあるからだ。パートナーは、水島氏が年の後半にかけて仕事への情熱を失い、物事を「中途半端」に終わらせることが増えたと指摘。その核心にあったのが、水島氏が持つ「稼げばいいやって思っちゃう」という慢心だった。
しかし、この指摘は単なる批判ではない。「シさんの強み最大限活かせてない気がしました」という言葉に、彼のポテンシャルを信じているからこそのもどかしさが滲む。これに対し水島氏も「3割くらいで行きたいタイプ」と自己分析し、自身の弱さを隠さない。この率直なやり取りは、二人の深い信頼関係の証だ。
そして、この「稼げばいい」というマインドは、彼の弱みであると同時に最大の強みでもあると対談は示唆する。
じゃあ仮に今日 5000 万失ったら 5000 万以上稼ぐ理由ができるそれだけじゃない
危機的状況に陥った時、その稼ぐ力こそが最強のモチベーションになる。慢心と自信が表裏一体であることを示す、成功者ならではの哲学だ。
「追い詰めない」働き方と、「本物の欲」を原動力にする哲学
対談は、仕事におけるモチベーションの源泉へとさらに深く掘り下げられる。水島氏によれば、世の中にはプレッシャーがパフォーマンスを向上させる仕事と、逆に毒になる仕事があるという。そして、FXトレーディングは明確に後者。自分を「追い詰める」ことが、かえって精神を蝕み、結果を遠ざけてしまうのだ。
この哲学は、彼の目標設定にも色濃く反映されている。無理にノルマを課すのではなく、「69年式のマスタングが欲しい」「もっと大きなクルーザーに乗りたい」といった、具体的で心から湧き上がる「本物の欲」をエネルギー源にする。これは、ハイリスクな世界で戦い続けるための、持続可能で人間らしいアプローチと言えるだろう。
「2026年は働く」宣言と、新たな目標
一連の内省を経て、対談は未来への力強い決意で締めくくられる。動画タイトルの「2026年は働くことにしました」という宣言は、新たなスタートの合図だ。停滞感を打ち破るため、彼らは具体的で胸が躍るような計画を立て始める。
- マスタングとGクラス: 水島氏が「’69マスタング」を、パートナーが「Gクラス」を共に購入し、新たな旅路を走り出す。
- 拠点の変更: 「拠点を変えたい」という強い意志のもと、「ガレージ事務所新築」という一大プロジェクトを掲げる。環境を変えることで、心機一転を図る狙いだ。
- メリハリのある生き方: 新たな指針は「メリハリ」。「ダラダラ稼ぐんじゃなくて、ガッと稼いで」という言葉通り、集中して働き、賢く使い、人生をよりアクティブに楽しむスタイルへと移行する。
対話の終わりには、倦怠期を乗り越えた二人の間に、明確なエネルギーと目的意識が満ち溢れていた。
おわりに
水島氏の年末対談は、単なる一年間の振り返りではない。成功者が「もう働きたくない」という燃え尽き症候群を乗り越え、よりバランスの取れた新しい成功と幸福の定義を見つけ出すまでの、リアルなドキュメンタリーだ。その姿は、私たち自身の働き方や人生の目標を見つめ直す、貴重なきっかけを与えてくれるかもしれない。
ぜひ、動画本編で二人のリアルな空気感に触れてみてください。

