FXで勝てないのは「線の引きすぎ」が原因?あるトレーダーが語る、驚くほどシンプルな本質

水島 翔/FXトレーダー

はじめに

FXのチャートを開くと、無数のテクニカル指標や分析ツールに圧倒されてしまう──。そんな経験を持つトレーダーは少なくないでしょう。「もっと複雑な分析をしなければ勝てない」「自分の知らない必勝法があるはずだ」という思考に陥り、チャート画面がラインやインジケーターで埋め尽くされてしまうのは、多くのトレーダーが通る道です。

トレーディング心理学の観点から見れば、この「多すぎる情報」は、判断を助けるどころか、むしろ「分析麻痺(アナリシス・パラリシス)」を引き起こす元凶となります。そんなトレーダーの迷いを断ち切るかのように、トレーダーの水島翔氏が自身のYouTubeチャンネルで、驚くほどシンプルで本質的なアプローチを公開しました。

この記事では、その動画で語られた、多くのトレーダーが見落としがちな「勝てない原因」と、それを克服するための明確なルールと考え方について、専門的な視点から深く掘り下げてご紹介します。

迷いを断ち切る「水平線は3箇所だけ」というルール

水島氏が提唱するテクニカル分析の核心は、トレーダーの「認知的負荷」を極限まで減らし、判断の迷いを排除することにあります。そのための具体的な手法が、チャート上に引く水平線を、意識すべき3種類のポイントに限定するという明確なルールです。

  1. 直近の最高値・最安値
  2. その最高値・最安値を作った「起点」
  3. 目線の転換地点(トレンドの更新地点)

多くのトレーダーが何となく引いてしまうラインとは異なり、このルールは「波の起点」という極めて重要な価格帯を意識させるものです。重要なのは、このシンプルなルールを、月足や週足といったマクロな視点から、5分足のようなミクロな視点まで、各時間足で一貫して適用していく点にあります。これにより、相場全体の構造を立体的に把握する、一貫性のある「地図」が出来上がるのです。

大事 な の は 上や から 順番 に 波形 を 捉え て 引く ところ は もう シンプル に ね 3 箇所

チャート上に引く線をルール化し、最小限に絞ることで、本当に重要な価格帯だけが浮かび上がります。これは、感情的な判断や迷いを排除し、規律あるトレードの第一歩となるのです。

勝率3割でも利益は残る。「損切り」に対する新しい視点

「FXは勝率がすべて」という考えは、多くのトレーダーを縛る呪縛です。しかし水島氏は、プロのトレーダーは勝率ではなく「リスクリワードレシオ(損失と利益の比率)」で思考すると説きます。アマチュアからプロへの転換点において、この視点の切り替えこそが最も重要だと言えるでしょう。

一度の利益確定で複数回の損切りをカバーできるような、優位性の高いポイントでのみエントリーを繰り返せば、トータルで利益を残すことは十分に可能です。

5 回 やっ て 勝率 が もう 3 割 4 割 と か で も うん プラス に な るっていう ケース な ん じゃ ない です か

しかし、この思考法を実践するには、「損切り」への恐怖を乗り越える必要があります。水島氏はこの恐怖の正体を、非常に的確な例えで説明します。多くの人は会社員など、時間を対価にお金を得る世界で生きてきました。仕事でミスをしても、罰金を取られるような「マイナスの世界」を経験してはいません。だからこそ、自己資金が直接マイナスになる損切りに、本能的な恐怖を感じるのです。

この心理的な壁を乗り越えるために、損切りを「失敗」ではなく、利益を上げるために不可欠な「必要経費」と捉え直すマインドセットが求められます。この視点を持つことで、損失への恐怖から解放され、ルールに基づいたトレードを淡々と実行できるようになるのです。

「どんな相場でも戦える」トレーダーになるために

水島氏がトレーダーに目指してほしいと語る究極の姿は、「どんな相場でも戦える裁量トレーダー」です。特定の相場環境でしか機能しない聖杯のような手法ではなく、あらゆる状況に応用できる「普遍的」な技術こそが、長期的に生き残るトレーダーの条件だと彼は言います。

これまで述べてきた「シンプルな水平線ルール」や「リスクリワードを重視する考え方」は、まさにその普遍的な技術の根幹をなすものです。これらは単なる個別のテクニックではなく、相場を読み解き、リスクを管理するための首尾一貫したフレームワークです。この本質的なスキルを磨き上げることで、市場がどのような顔を見せようとも、自信を持って冷静に判断を下せるようになります。

どんな 相場 で も トレード は でき ちゃい ます それ が ね 僕 が 目指し て 欲しい 裁量 トレーダー です

これは、手法を探し求めるのではなく、自分自身の判断基準を磨き上げることこそが、真のトレーダーへの道であることを示唆しています。

上位足と下位足を組み合わせた、具体的なエントリー戦略

では、これまで解説した原則は、どのようにして具体的なエントリーに結びつくのでしょうか。動画で解説されているのは、これらすべての概念が一つに収束する、再現性の高いマルチタイムフレーム戦略です。

  1. まず、1時間足や4時間足といった上位足で、シンプルな3点ルールに基づき水平線を引いて、相場の大きな方向性(トレンド)と重要な支持・抵抗帯を把握します。
  2. 次に、5分足などの下位足で、上位足のトレンドとは逆方向に進む一時的な「調整波」が発生するのを待ちます。
  3. そして、その下位足で形成された調整の波(例:下降トレンド)が「崩れた」瞬間をエントリーのトリガーとします。

この戦略の優位性は、上位足の大きな流れに乗りながら、下位足の小さなトレンド転換を捉えることで、極めて有利なリスクリワードを実現できる点にあります。上位足の重要な支持線を背にエントリーするため、損切り幅は浅く限定でき、一方で利益確定目標は上位足の次の抵抗帯まで大きく狙えるのです。

シンプルな分析、プロとしてのリスク管理、そして普遍的なエントリー戦略。これら3つは別々の話ではなく、すべてが連動した一つの強力なトレーディング哲学なのです。

おわりに

水島翔氏の動画が示すのは、FXで勝ち続けるために必要な3つの本質的な洞察が、いかにして一つの論理的なシステムを形成するかということです。

  1. 分析のシンプルさ:線を減らし、判断の迷いをなくすことで、相場の本質を見抜く。
  2. プロとしての心構え:損切りを「必要経費」と捉え、リスクリワードを重視する心理的変革を遂げる。
  3. 普遍的なスキルの習得:複数の時間足を組み合わせ、どんな相場でも通用する再現性の高い技術を身につける。

もしあなたが今、複雑な分析に疲れ、トレードの方向性を見失っているのであれば、この動画は新たな光を灯してくれるかもしれません。理論だけでなく、明確で論理的なフレームワークがそこにあるので、ぜひ動画本編で水島さんの解説を直接ご覧になって、ご自身のトレードに活かせるヒントを見つけてみてください。