市場の潮目が変わった? FX専門家が解説する「リスクオフ」への大転換と来週の見通し

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はじめに

週後半にかけての株式市場の急落、そしてそれに伴う急激な円高。今週のマーケットは、多くの投資家にとって不安や戸惑いを覚えさせる展開となったのではないでしょうか。これまで続いてきた相場の流れが、明らかに変わりつつあることを肌で感じている方も少なくないはずです。本稿では、この市場の潮目を変えた要因を深掘りし、来週の重要局面を乗り切るための戦略的視点を提供します。

市場を覆う「リスクオフ」ムード、その背景とは

今週の相場を端的に表すならば、それは「リスクオフ」という言葉に尽きるでしょう。日経平均やNYダウといった主要な株式市場が週後半に大きく下落し、投資家心理が急速に冷え込んだことが、為替市場における円高の直接的な引き金となりました。

このリスクオフムードが強まった背景には、金曜日に発表された米国のPMI(購買担当者景気指数)の一部数値が市場予想を下回ったことがあります。この経済指標の悪化が、景気後退への懸念を呼び覚まし、投資家がリスク資産である株式を売り、比較的安全とされる円を買う動きを加速させました。表面的な価格変動だけでなく、その裏にある要因を理解することが、今後の市場を読み解く上で不可欠です。

最注目はドル円「149円」の攻防

今週の円高展開の中で、最も注目すべきはドル円の動きです。週を通して約300pipsもの下落を記録し、ついに150円の大台を割り込み、重要な節目である「149円」のラインに到達しました。

この「149円」という水準は、テクニカル分析において極めて重要な意味を持ちます。

このラインは過去に高値や安値を止めてきたラインであり

この言葉を裏付けるように、金曜日にもこのライン付近で価格が一時的に反発する動きが見られました。まさにこの歴史的な節目が、現在も市場参加者に強く意識されていることの証左と言えるでしょう。来週、この149円を明確に下抜けてさらなる下落トレンドに入るのか、それともサポートとして機能し反発に転じるのか。この水準での攻防が、短期的なトレンドの帰趨を決する試金石となるでしょう。

週足チャートに現れた「長期下落」のサイン?

短期的な値動きだけでなく、より長期的な視点も重要です。特にユーロ円の週足チャートには、今後の大きなトレンドを示唆するサインが現れつつあります。

現在、ユーロ円の週足チャートでは、天井圏を示す典型的なチャートパターンである「三尊(さんぞん)」が形成されつつあります。このパターンの成否を分けるネックラインが「154.40円付近」に位置しており、もしこのラインを明確に下方向にブレイクすれば、長期的な下降トレンドに突入する可能性が高まります。このユーロ円における長期的な弱気サインは、ドル円の攻防と合わせて、市場全体の円買い圧力が根深いものである可能性を示唆しています。

下落相場だけではない、トレンド転換の好機

市場全体がリスクオフムードに包まれていますが、すべての通貨ペアが下落一辺倒というわけではありません。多角的な視点を持つことで、下落相場の中にもチャンスを見出すことができます。

その一例がポンドドル(GBP/USD)です。ポンドドルの日足チャートでは、底値圏を示す「逆三尊」が形成されてネックラインをブレイクしており、下落から上昇トレンドへの転換を示唆しています。このような状況では、価格が一時的に下落したところを狙う「押し目買い」が有効な戦略となります。具体的には、「日足の10日移動平均線付近での買い」などが実践的なポイントとして挙げられます。市場全体の雰囲気に流されることなく、個別の通貨ペアが持つポテンシャルを見極めることが重要です。

おわりに

今週のFX市場は、株式市場の軟調を背景とした「円高」を伴うリスクオフ相場へと大きく転換し、ドル円やユーロ円は今後の方向性を占う重要な分岐点に立たされています。

来週は、米国の四半期GDPやPCEデフレーターといった重要経済指標の発表が控えています。さらに、2月月末特有の「不規則なポジション調整や薄商い」にも注意が必要です。このように、円高リスクとドル安の機会が交錯する複雑な市場環境が予想されます。リスクオフムードが円の強さを支える一方で、他通貨に対するドルの弱さが新たなトレードチャンスを生み出しており、来週の相場を乗り切るには、より一層緻密な分析が不可欠となるでしょう。