「欲しいものがあるなら、まず買え」― 投資家・水島翔が語る、常識を覆すお金と感情の哲学

水島 翔/FXトレーダー

はじめに

いつか乗りたいと憧れる高級車。成功したら身につけたいと願う腕時計。理想のライフスタイル。多くの人が心の中に「欲しいもの」を持ちながらも、「まだ早い」「自分にはふさわしくない」と、その気持ちに蓋をしてしまいます。

FXトレーダーである水島翔氏の哲学は、その躊躇を「臆病」ではなく「機会損失」だと断じ、欲望こそが成長のエンジンであるという、刺激的な視点を提示します。彼が提唱するのは、感情を起点に行動し、合理性でそれを支えるというパワフルなシステムです。この記事では、彼の対談動画の中から、私たちの常識を揺さぶる「感情をトリガーに」「購入でコミットし」「資産性でリスク管理する」という、一貫した哲学を探っていきます。

「ふさわしい人間が買う」のではなく「なるために買う」

水島氏の哲学の核心は、価値の高いものを手に入れる際の考え方にあります。彼は、フェラーリのような高級車を買うのに「自分はまだふさわしくない」と待つ必要はないと断言します。むしろ、その逆です。

「ふさわしい人間になるために買う」

この一言に彼の思想が凝縮されています。欲しいものを先に手に入れるという行為は、未来の自分に対する「コミットメント」です。その高価な所有物に見合う自分になるために、収入を上げ、人間性を磨き、生活水準を向上させる努力をせざるを得なくなる。これは、自分を強制的に次のステージへと引き上げる、最もパワフルな自己投資であり、モチベーションの源泉なのです。

自分に は フェラーリ は ふさわしい ん だ て 思っ て 買っ ちゃえ ば そこ に 行ける ふさわしい 人間 に なる ため に 買う

この哲学は、彼自身の経験に裏打ちされています。例えば、サラリーマン時代に「自分にふさわしい時計」を選べば、それは1〜2万円のものになってしまうかもしれません。しかし彼は、あえて「憧れの時計」を先に手にすることで、自らの基準と意欲を引き上げてきたのです。現状維持ではなく、理想の自分を先に手に入れることで、現実が後からついてきます。

感情が動いた「瞬間」を逃さない行動力

「映画を観て感動した」「ドキュメンタリーに心を揺さぶられた」―そんな経験は誰にでもあるでしょう。しかし、ほとんどの人は翌朝にはその熱量を忘れ、日常に戻ってしまいます。水島氏は、その感情が最高潮に達した「瞬間」こそが、人生を動かす最大のチャンスだと語ります。

彼は映画に感化され、

  • 映画『アイアンマン』を観て、トニー・スタークのようなガレージを作りたいと本気で思う。
  • 登場した車がかっこいいと思えば、その場ですぐに調べて見に行き、購入する。
  • フードトラックのライフスタイルに憧れ、実際に事業をスタートさせる。

といった行動を即座に起こします。なぜなら、感情のピークは非常に短く、その瞬間の行動力こそが、停滞した日常を打ち破る起爆剤になると知っているからです。これは単なる衝動的な行動ではありません。人間が持つ最もパワフルなエネルギーを、変化を起こすために戦略的に活用する技術なのです。

「感覚」で語る、損をしないお金の借り方

感情を原動力にする一方で、水島氏のファイナンス哲学は驚くほど合理的です。彼は「感覚だ」と言いながらも、借金に対する明確なルールを持っています。それは、「資産性のあるもの」にしかお金を借りないというものです。このルールの裏には、「だって手仕舞いした時にさ、借金だけが残るって嫌じゃない」という、損失に対する強い感情的な嫌悪感があります。

彼のロジックは、車をローンで買う例で明確に示されます。

  • 良い借金: リセールバリュー(再販価値)の高い車を買うこと。例えば500万円の車をローンで買い、3年後に360万円を返済した時点で、その車が400万円で売れたとします。ローン残高を差し引いても手元にお金が残り、それを次の車の頭金にできます。
  • 悪い借金: 数年で価値が暴落する車を買うこと。ローンを返済し終えても、売却しただけでは借金が残ってしまう状態です。

この考え方は事業にも適用されます。彼が飲食店の運転資金を借りないのは、もし事業が失敗した場合、売却できる「資産」が何も残らず、借金だけが手元に残るリスクを避けるためです。感情のアクセルを踏み込む一方で、資産性を基準とした冷静なリスク管理が、彼の哲学の「安全装置」となっているのです。

熱狂の裏にある、学びの「シンプルさ」へのこだわり

情熱的な行動哲学とは対照的に、彼が持つもう一つの側面が「学びの体系化」への強いこだわりです。自身のオンラインサロン運営で直面した問題を通して、その思考が明らかになります。

彼が問題視したのは、無秩序なチャットルームでした。重要なコンテンツが雑談に埋もれ、彼のトレード手法とは異なる手法の宣伝や、彼が「一切無視する」と公言しているファンダメンタルズの話題で溢れかえっていました。彼はそのカオスな状況を、秀逸な比喩で表現します。 「ジャニーズのライブやってて、ジャニーズ見に来てんのに、全然予想のやつがマイク握って歌ってるみたいな感じ」

この状況に対し、彼が理想とするオンラインスクールの姿は明確です。

  • シンプルであること: 誰にとっても学びやすく、直感的に使える。
  • 構造化されていること: 学習者が今どこにいて、次に何を学ぶべきか、明確な道筋が示されている。
  • 段階的であること: ステージ制を導入し、テストに合格することで次のレベルに進める仕組みを作る。

この教育に対する徹底した構造化と明瞭さへのこだわりは、感情と直感を重視する彼の生き方と見事なコントラストを成しており、その思考の多面性を浮き彫りにしています。

おわりに

水島翔氏の哲学は、一見すると大胆で無謀に思えるかもしれません。しかしその根底には、①感情のピークを行動のトリガーとし、②「なるための購入」で未来へコミットし、③「資産性」を軸にした合理的なセーフティネットでリスクを管理する、という一貫したシステムが存在します。

それは、熱い情熱と冷徹な理性を両立させた、現代を生き抜くための一つの戦略と言えるでしょう。「ふさわしい人間になるために買う」というマインドセットを取り入れたとき、あなたの人生にはどのような変化が訪れるでしょうか。

彼の思想の全貌に触れたい方は、ぜひ元となった動画を視聴してみてください。きっと新たな発見があるはずです。