はじめに
いつかは手に入れたい、と多くの車好きが憧れるトヨタのフラッグシップSUV、ランドクルーザーとレクサスLX。兄弟車でありながら、その価格もキャラクターも大きく異なるこの二台。もし両方を同時に所有しているオーナーがいるとしたら、その比較は非常に興味深いものになるでしょう。
今回ご紹介するのは、まさにその夢のような状況を実現したオーナーによるYouTube動画です。総額2500万円にもなるLX600とランドクルーザー300(ランクル300)を並べ、それぞれの魅力を語るこの動画は、単なるスペック比較に留まりません。
この記事で紐解くのは、単なるクルマレビューではなく、まるで投資家のように資産を管理する、高度なカーライフ哲学です。そこには、オーナーだからこそ気づく細かな違い、そして「明確な出口戦略」を前提とした、驚くほど合理的で賢いクルマとの付き合い方が語られていました。
見た目はそっくり? 実は全く違う二台の個性
プラットフォームを共有するLX600とランクル300ですが、オーナーは両者の個性を明確に分けて捉えています。LX600を「大人っぽくラグジュアリー」なスタイルと表現する一方、ランクル300は「カジュアルでスタイリッシュ」な存在。その違いは、細部に宿っています。
例えば、フロントマスク。実はエンジンルームの中身はほぼ同じにも関わらず、ノーズの長さはLXの方が約12cmも長く、これはオーナー曰く「デザイン的なもの」だそう。より伸びやかで優雅な印象を意図的に作り出しています。足元を見ても、LXが22インチの大径ホイールを履くのに対し、ランクルは20インチ。内装も、LXが高級ホテルのラウンジを思わせるのに対し、ランクルはLXから乗り換えると良い意味で「武骨」と感じる、アクティブな仕立てです。
どちらが優れているかではなく、どちらのライフスタイルを選ぶか。この二台の関係性は、まさにそこにあると言えるでしょう。
「サラリーマンでも買える」は本当?賢すぎる購入術
動画の中で最も衝撃的なのが、オーナーが披露する、単なる節約術ではなく資産価値を軸にした高度な購入戦略です。彼は、ランクルについてこう断言します。
別にサラリーマンでも サラリーマンでも買えると思う
900万円を超える高級車を前に信じがたい言葉ですが、そのロジックは「出口戦略」、つまりリセールバリューを前提とした資産管理にあります。例えば500万円のセダンが3年で価値を300万円失う一方、ランクルは驚異的な価値維持率を誇るため、数年乗っても損失は100万円程度で済むことも。トータルコストで考えれば、ランクルの方が賢い選択になり得ると彼は指摘します。
しかし、彼は無責任な推奨をしているわけではありません。「年収が700万とか1000万近くになってたら買い」としながらも、年収200〜300万円で無理して買うのは絶対にやめた方がいいと釘を刺します。さらに、盗難リスクによる高い保険料、リッター5〜6kmという燃費の悪さ、高額な税金といった「見えないコスト」も許容する必要があると正直に語ります。
彼の賢さは、残価設定ローンで月々の支払いを約10万円に抑え、手元の現金を眠らせない点にも現れています。ローンが組める価値の落ちない資産(車)はローンで、ローンが組めない100年前のフォードのような趣味の車は現金で、と使い分けるその姿は、まさに資産家そのものです。
静粛性と乗り心地の「見えない」違い
同じ3.5L V6ツインターボエンジンを搭載しているにもかかわらず、乗り心地には明確な差があると言います。オーナーが特に強調するのが、LX600の圧倒的な静粛性です。
この車音性が全然違う気がする外の音全然入ってこないもん
この「見えない」違いを生み出しているのが、徹底した遮音設計と、ランクルにはない電子制御のエアサスペンション(エアサス)です。エンジン音やロードノイズが巧みに抑えられ、滑らかに路面の凹凸をいなす乗り心地は、まさにレクサスならではの世界観。日常の運転から長距離ドライブまで、感じる疲労度が全く異なると言います。性能の数値では表せない「体験価値」の違いが、二台の価格差に繋がっているのです。
オーナーだからこそ語れる、細かすぎる比較ポイント
動画の魅力は、二台を所有したからこそ分かる「細かすぎる」比較ポイントが満載な点です。ここでは、その一部をご紹介します。
- バックドアのダンパー位置: オートで開閉するバックドアですが、そのダンパーの取り付け位置が両車で異なり、設計思想の違いが垣間見えます。
- 機能面の差: LX600にはワイヤレスのApple CarPlayやパドルシフトが標準装備ですが、ランクル300ではCarPlayは有線接続となり、パドルシフトは装備されていません。
- 市場での希少性: 輸出人気を考慮して白やベージュの個体が集中オーダーされたため、現在の中古市場では黒のランクル300が希少で価格がプレミアム化している、という面白い市場裏話も。
- 先代V8モデルとの比較: オーナーは先代LX570(V8エンジン)も所有していた経験から、「戦車のような武骨さを求めるなら先代の方が好きだった」と語ります。新型を盲目的に賞賛しない、リアルなオーナー評は非常に参考になります。
おわりに
この動画は、LX600とランクル300が単なる兄弟車ではなく、全く異なる哲学と体験価値を提供するクルマであることを教えてくれます。豪華で快適な移動空間を求めるならLX、アクティブでスタイリッシュな相棒を求めるならランクル、という明確な選択肢が見えてくるでしょう。
しかし、それ以上に価値があるのは、クルマを「消費」するのではなく「資産」として捉える視点です。明確な出口戦略を持ち、価値が落ちにくいモデルを選ぶことで、憧れのライフスタイルを驚くほど合理的に実現できるという考え方は、私たちの価値観にパラダイムシフトを促すかもしれません。
動画本編では、2年間・4万キロ走行した彼のランクルが一体いくらの査定額になったのか、その驚きの結果も公開されています。オーナーの軽快なトークと共に、その目で確かめてみてください。
動画本編で、驚きの査定額とオーナーの賢いカーライフ哲学をぜひご覧ください。

