「勝つ人はトレンドを追わない」― FXの常識を覆す、ある書籍が教える”待つ”ことの重要性

FXゴールドナビ

はじめに

「トレンドに乗ろうとして高値で買ってしまい、すぐに価格が反転してしまった…」FXを始めたばかりのトレーダーなら、誰もが一度は経験する悔しい失敗ではないでしょうか。今回ご紹介する動画では、『円安円高でもFXで稼ぎ続けるうまい方法』という一冊の書籍がレビューされています。この本は、一見すると初心者向けでありながら、多くのトレーダーが持つ常識を覆す、驚くほど深く実践的な戦略を提示しています。

この記事では、動画で解説されている核心的な洞察を掘り下げます。単なるテクニックではなく、あなたのトレードを根底から変えるかもしれない、新しいパラダイムについて解説していきます。

勝つトレーダーは「トレンド」ではなく「レンジ」を待つ

本書が提示する、最も強力で直感に反する原則は「レンジを待て」という言葉に集約されます。動画では、勝つトレーダーと負けるトレーダーの行動が明確に対比されています。

多くの負けるトレーダーは、トレンドが誰の目にも明らかになるのを待ち、慌てて飛び乗ります。しかし、その時点ではすでに遅く、「高値掴み」となって損失を出すことが少なくありません。一方で、勝つトレーダーは、次の大きなトレンドが「レンジ」つまり方向感のないもみ合い相場から生まれることを理解しています。そのため、彼らはトレンドの発生を追いかけるのではなく、レンジ相場にこそ集中力を高め、次のトレンドの初動を捉える準備をします。

この核心的な考え方は、動画の中で次のように端的に表現されています。

勝っているトレーダーはレンジを待っている。そして負けているトレーダーはトレンドを待っている。

トレンドを追いかけるのではなく、辛抱強くレンジを待つ。これは、多くのトレーダーが教えられてきた「トレンド・イズ・フレンド」という格言に真っ向から挑戦する考え方です。このシンプルな意識の転換こそが、利益を生むトレーディングへの第一歩となるのです。

他のトレーダーの「損切り」を狙う、驚くほど合理的な戦略

では、具体的にどのようにして「レンジを待つ」のでしょうか。動画で解説されているトレード手法は、驚くほど合理的です。

  1. マルチタイムフレーム分析: まず、日足や1時間足といった長期の時間軸で、明確なトレンド(上昇または下降)を確認します。これにより、トレード全体の戦略的な方向性が定まります。
  2. 5分足でのセットアップ: 次に、5分足チャートに切り替え、長期トレンドの方向性の中でレンジ相場が発生するのを待ちます。
  3. 「罠」のパターン: 最も重要なエントリーシグナルは、長期トレンドとは逆方向への「ダマシのブレイク」です。例えば、長期足が強い上昇トレンドの状況で、5分足のレンジを一時的に下抜けし、しかしすぐにレンジ内に価格が戻ってくる動き。動画ではこれを「大チャンス」と呼んでいます。
  4. その合理的な理由: なぜこれがチャンスなのでしょうか。それは、長期的な視点を持たない短期トレーダーたちが、この一時的な下落をトレンド転換だと誤解し、焦って売りでエントリーするからです。しかし、価格が本来のトレンド方向である上昇に転じてレンジ内に戻ると、彼らの「損切り」注文が次々と執行されます。この損切りが、本来のトレンド方向への強力な推進力となるのです。この戦略は、市場に参加する他のトレーダーの予測可能な失敗を、自らの利益に変えることを狙っています。
  5. 2段階のエントリーチャンス: この優れたセットアップは、ひとつのパターンから2つの明確なエントリー機会を提供します。
    • 第1のチャンス(レンジ狙い): 価格がダマシのブレイクからレンジ内に戻ってきた時点でのエントリー。ここでは、レンジの反対側のラインまでを目標に利益を狙います。
    • 第2のチャンス(トレンド狙い): 損切りを巻き込みながらレンジを本来のトレンド方向にブレイクした後のエントリー。これが、トレンド初動を捉える、より大きな値幅を狙う本命のトレードとなります。

この「罠」のパターンを狙う手法は、単なるテクニカル分析ではありません。それは、FX市場がゼロサムゲームであるという本質を理解し、それを戦略的に利用する、より高度な思考の現れなのです。

FXは「自分ごと」だけでは勝てない

この戦略は、単なるチャートパターン分析にとどまらず、FXに対する根本的な考え方の転換を促します。FXは、誰かの利益が誰かの損失になる「ゼロサム相場」です。

動画では、トレーダーの成長を2つの段階で説明しています。

  • 初心者の段階: 自分のエントリーはどこか、決済はどこか、どのインジケーターを使うかといった「自分ごと」に完全に集中しています。自分が競争環境にいるという認識がまだありません。
  • 上級者の段階: 利益を上げ続けるトレーダーは、FXが「戦い」であることを理解しています。彼らは常に、他のトレーダーが何をしているか、どこで不利なポジションを抱えているか、どこに損切り注文が集中しているかを分析しています。

本書の戦略が有効なのは、まさにこの上級者の視点に基づいているからです。それは単にパターンを見つけることではなく、市場の力学と他のトレーダーの心理を理解することに重きを置いています。自己中心的な視点から、市場全体を俯瞰する戦略的な視点へと移行することが、長期的な成功に不可欠なのです。

勝率よりも「損益比」を重視する資金管理の心臓部

優れた戦略は、最終的に持続可能な利益、つまり資金管理と結びつかなければ意味がありません。本書は「損傷利大」(損失を小さく、利益を大きく)の重要性を強調しています。著者自身、損益比「2対1」を基本に、勝率6割を目指していると語ります。

有利な損益比を達成するのは、運任せではありません。そして、本書が提示する「他のトレーダーの損切りを燃料にする」戦略こそが、この損傷利大を実現するための具体的な方法論なのです。なぜなら、そのセットアップは、構造的に大きな値動きが期待できる、極めて優位性の高い局面を狙い撃ちにするからです。動画では、損失を管理できなければ「穴の開いたバケツ」で水を汲むようなものだと例えられています。確固たる戦略と健全な資金管理は、コインの裏表の関係なのです。

おわりに

本書は単なるテクニック集ではありません。それは、トレーダーを「反応的なパターン追随者」から「主体的な市場戦略家」へと導く、思考のロードマップです。

まず、何を探すかを変える(トレンドではなくレンジを待つ)。それによって、誰と戦っているかを理解し(罠にかかったトレーダーを認識する)、最終的に、どうやって持続的に利益を上げるかを習得する(損益比を最大化する)。この一連の流れこそが、本書が提示するトレード哲学の核心です。

本書が他の多くのFX本と一線を画すのは、単なる「戦術」ではなく、その根底にある「戦略」から説き起こしている点です。「損益比を重視し、他者の損切りを狙う」という大戦略があるからこそ、「5分足でのダマシのパターンを待つ」という具体的な戦術が意味を持つのです。この戦略から戦術への一貫した論理こそが、本書を単なる手法集ではなく、本質的なトレーディング戦略書たらしめているのです。

動画では、これらの深い概念が実際のチャートを用いて非常に分かりやすく解説されています。もしあなたが現在のトレードに行き詰まりを感じているなら、この思考の転換が、あなたのポテンシャルを最大限に引き出す鍵になるかもしれません。ぜひ動画本編で、その詳細をご確認ください。