はじめに
トヨタの象徴であり、日本のモビリティの歴史そのものである「クラウン」。その最新モデル「クロスオーバーRS Advanced」は、約800万円というプライスを含め、これまでの保守的なイメージを打ち破る挑戦的な一台です。
しかし、インテリジェンス・ライフを志向する我々にとって、この車を単なる高級な移動手段として所有するのは片手落ちと言わざるを得ません。私はこの一台を、トヨタが描く次世代戦略を読み解くための「モバイル・ラボラトリー(移動式の実験室)」、あるいは「情報収集費」としての投資対象だと捉えています。なぜ今、あえてクラウンなのか。車選びを「自己投資」へと昇華させ、移動の時間をビジネスへの還元へと変える、投資家ならではのシビアな審美眼でその本質を紐解いていきましょう。
デジタル世代の最適化と、フラッグシップを名乗る上での課題
新型クラウンのコクピットに身を委ねてまず感じるのは、徹底した「ユーザー体験(UX)における摩擦の解消」です。12.3インチの大型ディスプレイと、Googleマップを操作するような直感的なインターフェースは、デジタルネイティブな世代にとってもストレスフリーな進化を遂げています。効率を重視するビジネスパーソンにとって、このスマホ・タブレット的な操作感の導入は、「この辺はやっぱり若い世代は使いやすいよね」という言葉が漏れるほど、極めて合理的なアップデートと言えます。
一方で、トヨタのフラッグシップという文脈で捉えたとき、看過できない課題も浮き彫りになります。特にレクサスLXなどの真のラグジュアリーSUVを知る層から見れば、内装のマテリアルには物足りなさが残ります。例えば、LXが金属の重厚感や上質な質感を湛えているのに対し、クラウンのハンドル周辺やボタン類のプラスチック感は、ROI(投資対効果)の観点から再定義すべきポイントでしょう。メッキパーツやウッド系の装飾をあえて削ぎ落としたミニマリズムとも取れますが、800万円という価格に対する「情緒的価値」の不足は、フラッグシップの矜持として議論の余地があるはずです。
「加速」を支える「制動」――リスク管理としての走行性能
走行性能に関しては、静粛性と加速の安定感において、ランドクルーザーやアルファード、レクサスLXといった名だたる名車と乗り比べても遜色のない、極めて高い完成度を誇ります。時速60kmを超えても恐怖心を一切抱かせないフラットな乗り心地は、長距離移動を「疲弊」から「思考の時間」へと変えてくれるでしょう。
しかし、投資家が最も注視すべきは「攻め(加速)」ではなく「守り(ブレーキ)」の精度です。フェラーリのようなスポーツカーが採用するカーボンブレーキの、吸い付くような制動力と比較すると、この車には一抹の不安が残ります。
「ブレーキが弱いんだよね。どんな速くなってもさ、ブレーキを安心感じゃないから」
ビジネスも投資も、強力なアクセルを踏むための前提条件は、完璧なリスク管理(ブレーキ)が機能していることです。加速性能が向上しているからこそ、それを制御する安心感が伴わなければ、真のハイパフォーマンスは発揮できません。信号の切り替わりを通知する最新の安全機能などは「楽」を提供してくれますが、物理的な制動力への信頼こそが、プロが求める真の安全性なのです。
旅をビジネスに転換する「回収」の思考回路
私は、旅に費やすコストを単なる消費とは考えていません。「使ったお金以上を必ず回収する」という投資家的思考に基づき、あらゆる体験をビジネスの種へと昇華させます。例えば、納車当日にあえて車内でマクドナルドのチーズバーガーを頬張るという日常の断片から、キャンプ場の運営という大規模なプロジェクトまで、視点は常に一貫しています。
キャンプ場のコテージ運営において、女性客の満足度を最大化するために「ロクシタン」のアメニティや「レプロナイザー」のドライヤーを導入する。これは単なる贅沢ではなく、ターゲットが価値を感じるポイントに集中的にリソースを投下する、極めて論理的な戦略です。かつて沖縄のハワイアンカフェを巡り、現地のローカルフードを日本人の口に合うようチューニングした経験や、沖縄の「ジャングリラ」というカフェのブランディングを自社ビジネスに落とし込んだように、優れたサービスには必ず「仕組み」が存在します。
「自分自身のビジネスに必ず落とし込ませて、それ以上に回収するっていう。旅はほんといろんな気づきがあるね」
車選びから旅先の選択まで、すべての行動に目的意識を持つ。この「観察眼」の鋭さこそが、遊びをビジネスへと変えるアービトラージ(裁定取引)の源泉となるのです。
日本の真の価値と、不可逆的なビジネスチャンス
先日訪れたバンコクの活気と比較することで、日本の「歪み」と「可能性」がより鮮明に見えてきました。急成長する海外都市にはパワーがありますが、水、空気、景観、そして耐震基準といったインフラの質においては、いまだ日本が圧倒的な優位性を保っています。海外の超一流ホテルですらシャワーの水質に課題がある現状を鑑みれば、日本の当たり前は世界にとっての「至宝」です。
少子高齢化が進む国内市場において、一般層向けのビジネスに固執するのは賢明ではありません。投資家が目を向けるべきは、国内外の富裕層に向けた「付加価値の再構築」です。ありふれたアパート投資ではなく、日本が誇る豊かな自然やロケーションに、海外の資本が気づく前に先回りしてライフスタイルを提案する。この情報の非対称性を突いた「日本再発見」の事業こそが、次世代の大きなチャンスとなるでしょう。
憧れを原動力に変え、人生をデザインする
最後に、車という存在が人生に与える精神的影響について触れたいと思います。お金を稼ぐこと自体に目的はありません。しかし、「あの車に乗りたい」という純粋な渇望をビジネスのガソリンにすることは、人生を豊かにするための極めて有効なマインドセットです。
「車を目標にさ、あんな車に乗りたいなっていうのを目標に頑張って、結果ね、人生が豊かになればそれでいいんじゃないかなと思うよ」
クラウンという一台の車を目標に据え、その手に入れた空間で新たなインスピレーションを得る。そしてまた次のステージへと駆け上がる。このポジティブな循環の中にこそ、我々が追求すべき知的なライフスタイルの真髄があるのではないでしょうか。
おわりに
新型クラウンは、単なる移動の道具であることを超え、我々に「視点の転換」を迫る存在です。デジタルの利便性と、物理的な質感への不満。その両面を冷静に分析するプロセスそのものが、あなたのビジネスセンスを磨くトレーニングになります。
この一台が、あなたの人生にどのようなリターンをもたらすのか。投資家・水島翔氏の鋭い洞察が詰まった本編を、ぜひその目で確かめてみてください。
[新型クラウンの真価と投資家的視点の全容を動画でチェックする]

