自由を買いに、LAへ。100年前のホットロッドと駆け抜ける、最高のアドベンチャー

水島 翔/FXトレーダー

はじめに

「100年前のクルマを買いに、LAへ行く」。そんな、映画のプロットのような衝動のためだけに、太平洋を飛び越える男がいる。FXトレーダーの水島翔さんが、購入したホットロッドを引き取るためだけにロサンゼルスへ飛ぶ様子を収めたYouTube動画が、いま密かな話題を呼んでいます。これは単なるクルマ紹介ではありません。ひとつの趣味を全力で愛し、計画性よりも情熱を優先する、ショートドキュメンタリーのような作品です。

100年前の「大人のオモチャ」

動画の主役は、1923年式のホットロッド。まさに100年前に作られた、歴史をまとう一台です。心臓部には5700ccのV8エンジンを搭載し、そのサウンドは街の空気を震わせます。しかし、その豪快さとは裏腹に、ガソリンタンクはわずか20リットル。そのアンバランスさが、このクルマが「本当にいい大人ののおもちゃ」であることを物語っています。

完璧さよりも、キャラクターがすべて。シートカバーは手作りで、ステアリングホイールはこのクルマに似合うからとビルダーが選んだ一点物。仲間が「面白いのがもう同じって2度…ないよね」と語るように、すべてが唯一無二のパーツで構成されています。極めつけは、以前の走行中に屋根のパネルが外れてしまったというエピソード。「置くだけな」と笑うオーナーの姿に、このマシンの魅力が凝縮されています。その乗り味は、まさにこう表現するのがぴったりでしょう。

いや 本当に なんか バイク と 車 の 間

このクルマでしか見えない景色

納車を終え、早速ロサンゼルスの街からロングビーチへ。むき出しのエンジン音と風を全身で感じながら走ると、日本で運転するのとは全く違う景色が見えてきます。道行く人々は笑顔で手を振ったり、親指を立ててくれたり。このクルマが、言葉の壁を越えたコミュニケーションを生み出していくのです。

しかし、その楽しさと興奮は、恐怖と表裏一体。同乗者はそのワイルドすぎる乗り心地に本気の恐怖を感じ、「やんちゃの運転しなきゃ大丈夫。飛んで行きそうになるもんだって」と悲鳴にも似た声を上げます。このクルマのアナログで剥き出しの魅力が、道行く人には最高のスペクタクルを、乗る者には本能的なスリルを与える。良くも悪くも、五感を揺さぶり「生きている」ことを強烈に感じさせてくれるのです。

LAの空気に溶け込む、軽やかな生き方

この冒険のもう一人の主役は、オーナーの水島さん自身です。彼の行動は、高価な買い物をしたというより、純粋な好奇心と情熱に従った結果のように見えます。クルマを受け取ってすぐに乗り回すためだけに、はるばるLAまでやって来る。そして驚くべきは、彼が英語を話せないにもかかわらず、堂々とこの旅を成し遂げていることです。

その姿に、同行者は思わずこう漏らします。「こんな車乗ってこのなりして英語喋れない。すごいすよね」。まさにその通り。情熱は、言語や常識といった壁を軽々と越えていくのです。彼の気負いのない姿は、自分のルールで人生を楽しむ自由な生き方を体現しているかのようです。

おわりに

この動画の魅力は、ただ珍しいクルマが登場するからだけではありません。手作りのシート、走行中に外れる屋根、そして燃費の悪さ。そんな不完全さや不便さすらも愛おしく思えるのは、そこに「自分の好き」を貫く純粋な喜びがあるからでしょう。効率や完璧さばかりを求める時代に、このホットロッドとオーナーの姿は、もっと自由に、もっと衝動的に生きる素晴らしさを思い出させてくれます。

自由とは、完璧なものを手に入れることではなく、不完全なものを愛する覚悟なのかもしれません。ぜひ動画本編で、乾いたLAの風と共にその空気感を味わってみてください。