FXトレーダーなら誰しもが、過去検証(バックテスト)を通じて練習を重ねます。しかし、「練習しているのに、なかなか成果に繋がらない」と感じたことはないでしょうか。その原因は、練習の「やり方」にあるのかもしれません。
最近公開されたYouTube動画「時間足別・過去検証のポイント【エントリ―・決済編】」は、この長年の課題に驚くほどシンプルで、かつ本質的な答えを提示してくれます。その核心とは、**「練習の目的によって、見るべき時間足と検証方法を根本的に変える」**という視点です。
この考え方を取り入れるだけで、あなたの練習は驚くほど効率的で、意味のあるものに変わるはずです。この記事では、動画で解説されている過去検証の神髄を紐解いていきます。
練習の「目的」で時間足を使い分ける
動画が提唱する最も重要なコンセプトは、練習を2つの目的に明確に分けることです。そして、その目的ごとに最適な時間足が存在します。
- 環境認識の練習(日足など長期足) 長期足での練習は、相場全体の流れを読む「環境認識」のスキルを磨くために行います。ここでは**「ゆっくりと丁寧」**に進めることが重要です。ダウ理論の波形(高値・安値の切り上げ・切り下げ)を一つひとつ丁寧に追いかけ、トレンドの発生(トレンド初動)や、トレンドがレンジに移行する瞬間を見抜く力を養います。スピードよりも、正確な分析力が求められる練習です。
- エントリー・決済の練習(1時間足など短期足) 短期足での練習は、具体的な売買タイミングを掴むためのものです。こちらは**「スピード重視、回数重視」**が鍵となります。細かいダウ理論の波形に惑わされるのではなく、エントリーの根拠となる強く意識された水平線(サポート・レジスタンスライン)を素早く発見する能力を鍛えます。多くのパターンに触れ、判断のスピードと精度を高めることが目的です。
何のための練習をしているかというところで区別してチャートを見ていただくのがいいかなというふうに思います。
つまり、日足は**「どこで」優位性の高いゾーンを探すかを教え、1時間足は価格がそのゾーンに到達した際に「どう」**行動するかを訓練するのです。どちらのスキルも不可欠ですが、同時に効率よく練習することはできません。
「ダマシ」を見抜く、ブレイクアウトの勢い
水平線を抜けたからといって、すぐに飛び乗って「ダマシ」に遭った経験は誰にでもあるはずです。動画では、ブレイクアウトの質を見極めるための非常に実践的な方法が紹介されています。
それは、ブレイク前の値動きの大きさ(ボラティリティ)と、ブレイク後の値動きの大きさを比較することです。
本物のブレイクアウトは、損切り注文を巻き込むことで、しばしばブレイク前のローソク足よりも明らかに大きなローソク足となって現れます。一方、ブレイク後のローソク足のサイズが以前と変わらない場合、勢いが弱く、再びレンジ内に価格が戻ってくる可能性が高い「ダマシ」だと判断できます。
ブレイク前のボラティリティと抜けてきた後のボラティリティをしっかり見ましょうという話をしています。
この視点でブレイクアウトの質を見極め、勢いが本物だと確認できたなら、次はいよいよエントリー戦略の選択です。どちらの戦略を選ぶかは、そのブレイクの勢いの強さによって変わってきます。
2つのエントリー戦略:水平線への戻りと「20 SMA」の活用
動画では、質の高いブレイクアウトを確認した後の具体的なエントリー戦略が2つ提示されています。
- 水平線への戻りを待つ(基本戦略) 最も基本的で安全な王道戦略です。ブレイクアウト後、価格が一度抜けた水平線まで戻ってくるのを待ち、そのラインが支持(サポート)または抵抗(レジスタンス)として機能することを確認してからエントリーします(押し目買い・戻り売り)。動画でも、こちらが基本であり、より安全なトレードになりやすいと強調されています。
- 移動平均線 (SMA 20) を使う(応用戦略) ブレイクの勢いが非常に強く、いわば「走り出した暴走列車」のように価格が水平線まで戻ってこない場合があります。そのような場面では、**20期間単純移動平均線(20 SMA)**への引きつけが、第二のエントリーポイントになり得ます。
ただし、この戦略には注意が必要です。動画では、トレードの「根拠が薄い場合」(例えば、もみ合い期間が短い、レンジの形が不鮮明など)は、この20 SMAでのエントリーはリスクが高く、しっかりと水平線まで引きつけた方が安全だと示唆されています。20 SMAでのエントリーは、明確なレンジからの勢いあるブレイクなど、確固たる根拠がある場面でこそ活きる応用戦術と考えるべきでしょう。
勝ちパターンだけではない、リアルな練習の価値
この動画が特に優れているのは、そのリアルさです。紹介される過去検証のデモンストレーションは、綺麗な勝ちパターンだけを切り取ったものではありません。
- セットアップの質を評価する視点:すべてのブレイクを機械的にトレードするのではなく、「プラスマイナス半々ぐらい」のようにセットアップの質を評価し、不確実性が高い場合は「試し のロット」で慎重に入るといったプロの判断基準を学べます。
- 想定通りにいかず損切りになるトレード
- 勢いがなくなり、建値付近で決済するトレード
- 損切りされた直後に思惑の方向へ伸びていく、精神的に「嫌な」場面
こうした現実のトレードで起こりうる不完全な状況を包み隠さず見せることで、視聴者は単なる手法だけでなく、実践的な「判断力」を養うことができます。これこそが、練習の本来の目的なのです。
実践的な非常に嫌なところですがこういった形もあるので、練習の中でこういった形見ていることも大事ですね。
この誠実なアプローチにこそ、上達へのヒントが詰まっています。
おわりに
FXの効果的な練習とは、ただ時間をかけることではありません。明確な意図を持ち、鍛えたいスキルに適した方法を選ぶことが何よりも重要です。
「環境認識」と「エントリー・決済」。この2つの目的を意識して練習を使い分けるだけで、あなたの学習曲線は劇的に変わる可能性があります。
ぜひ動画本編で、1年分ものリアルな過去検証をご覧になり、あなた自身のトレードに活かせるヒントを見つけてみてください。

