はじめに
先週の外国為替市場は、英国の選挙結果を受けてポンドが急騰するという大きな動きで幕を開けました。多くのトレーダーがこのチャンスに注目しましたが、このような急激な値動きは、大きな利益の機会であると同時に、「どこでエントリーすれば良いのか」「今から追うのは危険ではないか」といった混乱や不安を生み出します。
大きなトレンドが発生したからといって、衝動的に飛び乗るのは賢明ではありません。一方で、好機をただ指をくわえて見ているだけでは、利益を得ることはできません。
この記事では、プロのアナリストが実際のチャートをどのように読み解き、判断を下しているのかを解説します。ポンドのような「チャンスだが難しい相場」、ユーロ円のような「慎重になるべき相場」、そしてニュージーランドドルのような「狙いやすい相場」の3つのケーススタディを通じて、相場状況に応じた冷静な分析方法を学び、自身のトレードに活かしていきましょう。
主役はポンド。でも「飛び乗り」は危険なワケ
先週の市場の主役は、間違いなくポンドでした。急激な上昇を見せ、最も注目される通貨となりましたが、プロの視点ではここに一つの課題が生まれます。それは、これほど急激に上昇してしまうと、基本戦略である「押し目買い」のための適切なエントリーポイントを見つけるのが非常に難しくなる、という点です。
価格が上がりきったところで焦って買う「高値掴み」は、多くのトレーダーが避けたいシナリオです。動画では、この課題に対する具体的な解決策が示されています。日足チャートだけでなく、1時間足のようなより短い時間足に落とし込み、「フィボナッチ・リトレースメント」を活用して、押し目の候補となるサポートレベルを特定するのです。
しかし、プロはそこでさえ一度に全ポジションを投入しません。38.2%、50%、61.8%といった節目で価格がどう反応するかを観察しつつ、**「分割してエントリーする」**というリスク管理手法を取ることが示唆されています。これにより、もし想定より深く押し目を作った場合のリスクを軽減し、冷静にポジションを構築できます。このような体系的な分析こそ、感情的に価格を追いかけるのではなく、規律を持ってチャンスを狙うプロの技術です。市場の興奮度が高い時ほど、冷静なプロセスが求められるという、重要な原則を示しています。
チャートが語る「違和感」。プロが売買をためらう瞬間
次に、慎重な判断が求められる例としてユーロ円のチャートを見てみましょう。ユーロ円はレンジ相場を上にブレイクしており、通常であればこれは強い買いシグナルと捉えられます。教科書通りのセオリーに従えば、絶好の買い場に見えるかもしれません。
しかし、プロのアナリストは金曜日のローソク足の「形」に注目し、警鐘を鳴らします。たった1本のローソク足でブレイクした起点まで価格が全戻ししてしまい、さらに長い上ヒゲをつけて引けているのです。この点について、アナリストは次のように指摘しています。
金曜日の弾き方が少し珍しい形ですね。1本のローソク足で日足のラインまで戻ってきていている形になっています…長い上ヒゲが出ている非常に弱い形をしているのが珍しいところですね。
これは非常に価値のある教訓です。単に「レンジをブレイクしたから買い」という単純なルールに従うのではなく、ローソク足一本一本が語る勢いや市場心理のニュアンスを読み解く。この「違和感」に気づき、すぐに飛びつくのではなく「週明けの動きを確認してから判断しよう」と一旦立ち止まることができるのが、経験豊富なトレーダーの洞察力です。
教科書のような「狙い目」の見つけ方
最後に、明確なトレード戦略を立てやすい「狙い目」の通貨ペアとして、ニュージーランドドルが挙げられています。他の多くの通貨ペアが方向感のないレンジ相場に留まる中、ニュージーランドドル(対米ドル、対円)は明確な上昇トレンドを形成しており、トレード候補として非常に魅力的です。
ここでの分析は、まさに「教科書通り」と言えるほどクリアです。アナリストが推奨する方法は、日足チャートにおいて、価格が20日単純移動平均線(20 SMA)まで調整してくる「押し目」を待つというもの。これは**「グランビルの法則の3番」**の買いシグナル、つまり移動平均線への押し目を待って買うという、最も典型的で信頼性の高いパターンの一つに基づいています。
どの価格帯で、どのような形になるのを待つのか、という計画が非常に明確です。エントリーポイントが分かりにくいポンドや、判断に迷うユーロ円とは対照的に、構造的で分かりやすいチャンスを特定し、そこに絞ってトレードプランを練ることの重要性を示しています。
おわりに
この動画分析から学べる最も重要なことは、単なる相場予測ではなく、プロトレーダーの「思考プロセス」そのものです。同じ市場を見ても、状況に応じてアプローチは異なります。急騰して魅力的に見えるがエントリーが難しいポンド、セオリー通りに見えても違和感を察知し慎重になるべきユーロ円、そして教科書通りの明確なセットアップを待つニュージーランドドル。
それぞれの通貨ペアに対する分析は、私たちがどのような視点でチャートと向き合い、規律ある判断を下すべきかのヒントに満ちています。重要なのは、予測を当てることではなく、あらゆる相場状況に冷静かつ合理的に対処できる分析のフレームワークを自分の中に確立することです。
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