「追う」のをやめたら勝てた?FXの常識「トレンドフォロー」を考え直す新しい視点

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はじめに

FXを学ぶ多くのトレーダーが、「トレンドフォローこそ王道だ」という言葉を一度は耳にしたことがあるでしょう。しかし、その基本原則を知っているにもかかわらず、なぜか安定して勝てない。もしあなたもそんな悩みを抱えているなら、今回の話は大きなヒントになるかもしれません。

実は、私たちが当たり前に使っている「トレンドフォロー」という言葉そのものが、無意識のうちに私たちを不利なトレードへと導いている可能性があるのです。この記事では、あるシンプルな視点の転換がいかにしてトレード成績を向上させる可能性があるのか、その核心に迫ります。

なぜ「王道」なのに9割が負けるのか

まず大前提として、「トレンドフォロー」という戦略自体は、根本的に正しく、非常に強力です。その証拠はいくつもあります。

第一に、実際のチャートを見ればトレンドは明確に存在します。最近のドル円の週足チャートを見ても、一度発生したトレンドが長く続く局面ははっきりと確認できます。

第二に、この戦略は伝説的なトレーダーたちによってその有効性が証明されてきました。有名な投資本である**『マーケットの魔術師』に登場する多くのレジェンドトレーダーや、1980年代に名を馳せた伝説のトレーダー集団「タートルズ」**も、トレンドフォローを駆使して莫大な利益を上げました。「タートルズ」に至っては、トレード未経験者を集め、わずか2週間の教育でトレンドフォロー手法を教え込んだだけで、多くの成功者を輩出したという逸話まであります。

これほどまでに正当性と実績があるにもかかわらず、なぜこの戦略を知る9割のトレーダーは負けてしまうのでしょうか。その理由は、戦略そのものではなく、私たちの「解釈」にあるのかもしれません。

「フォロー(追う)」という言葉に隠された罠

今回の議論の中心は、「フォロー(follow)」という言葉が持つ心理的な罠です。「フォロー」という言葉には、「後を追う」という意味合いが含まれています。この「後追い」の意識が、典型的な負けトレードのパターンを生み出しているのです。

  1. まず、価格が力強く一方向に動く。
  2. トレーダーはその動きを「トレンド発生の証拠」とみなし、乗り遅れまいとエントリーする。
  3. しかし、そのエントリーはすでに遅く、価格のピークで買ってしまう「高値掴み」となり、直後の調整局面で損失を被る。

これは、トレンドという現象に対して常に「後手」に回る、リアクティブ(受動的)なアプローチです。相場が動いたのを確認してから行動するため、最も不利なタイミングで市場に参加してしまうのです。

この心理の背景には、「皆が買っているから安心だ」と多数派に同調してしまう「バンドワゴン効果」があります。しかし、トレードにおいてその『安心感』は、高値掴みという最も危険な行為の引き金になるのです。

トレンドフォローという言葉は、トレンドの後を追うという風な…何かこう印象を与えてしまう。

この言葉が与える印象こそが、多くのトレーダーを失敗に導く無意識のバイアスとなっているのです。

視点の転換:「追う」から「乗る」へ

では、どうすればこの罠から抜け出せるのでしょうか。その答えは、視点を「トレンドフォロー」から**「トレンドライド(Trend Ride)」**へ転換することにあります。

「フォロー(追う)」のではなく、「ライド(乗る)」のです。この違いは決定的です。これはサーフィンの極意に似ています。岸から見て、すでに出来上がった美しい波を追いかけても、決して乗ることはできません。優れたサーファーは、波がどこで生まれ、どう崩れるかを予測し、その『うねり』の直前でポジションを取るのです。トレードも全く同じです。

トレードにおける「勝ちの順序」もこれと全く同じです。

  1. あなたは、自身の分析に基づき、有利な価格でポジションを持つ(エントリーする)。
  2. あなたがエントリーした後に、力強い価格の動き(トレンド)が発生し、あなたのポジションを利益方向へ運んでくれる。

目指すべきは、トレンドが発生したのを「確認してから追いかける」ことではありません。トレンドが「どこから始まるか」を予測し、その初動にポジションを合わせることです。エントリーは、力強いモメンタムが発生する**「後」ではなく、「前」**になければならないのです。

波の後を追いかけるんじゃなく波の上に自分がいないといけないわけで、え、それをトレンドライトと表現してるわけですね。

この意識の転換こそが、受動的な後追いトレードから、能動的に利益を掴むトレードへの第一歩となります。

おわりに

FXにおける王道「トレンドフォロー」が上手くいかない原因は、戦略の有効性ではなく、私たちの言葉の解釈にあるのかもしれません。

トレンドが発生した後に慌てて「追う」のではなく、これから発生するであろうトレンドの力に「乗る」。つまり、力強い値動きが起こる直前にエントリーを済ませておくこと。このproactive(能動的)な姿勢こそが、トレードの成否を分ける重要な鍵です。

あなたのトレード日誌を今すぐ開いて、直近の負けトレードを振り返ってみてください。エントリーの根拠は、力強い値動きを『見た後』の焦りではありませんでしたか? それとも、値動きが起こる『前』の冷静な分析でしたか? この問いこそが、あなたがトレンドを追いかける側から、トレンドに乗る側へと変わるための第一歩です。

より詳しい解説や具体的なチャート分析については、ぜひ元となった動画もご覧ください。