シンプルさが生む奥深さ。トレンドライン2本だけでプロの「逆張り」を仕掛ける『2Trendy』手法

FXゴールドナビ

はじめに

多くのトレーダーが、複雑なインジケーターや難解な理論に頼らず、シンプルでありながら効果的なトレード手法を常に探し求めています。もし、チャート上にローソク足と2本のトレンドラインを引くだけで、プロフェッショナルな逆張りトレードが仕掛けられるとしたらどうでしょうか。

今回ご紹介するのは、書籍『アメリカ最強のFX理論』で紹介されている「2Trendy」という、ユニークで洞察に満ちたアプローチです。この本で紹介されている数ある手法の中でも、筆者個人としては「最も実践的な手法だと感じた」と評されるほど、その有効性には定評があります。最大の魅力は驚くほどのシンプルさにあり、誰でも使えるツールだけで構成されているため、あらゆるレベルのトレーダーが実践できる可能性を秘めています。

「2Trendy」とは何か?――行き過ぎた相場を捉える逆張りの発想

「2Trendy」は、その名の通り2本のトレンドラインを使った「逆張り」手法です。その基本思想は、過熱し、行き過ぎたトレンドが一時的にその勢いを失い、平均的な経路へと回帰する瞬間を捉えて利益を得ることにあります。

この手法で用いるのは、以下の2つの要素だけです。

  • 基本となるトレンドライン (The Base Trend Line): 相場の大きな流れ、つまり持続可能な本来のトレンドを定義する主となるラインです。
  • 角度が急なトレンドライン (The Steep Trend Line): 価格の動きが加速し、過熱感が出てきた局面で引かれる、基本ラインよりも急角度の2本目のラインです。

エントリーシグナルは、価格がこの2本目の「角度が急なトレンドライン」をブレイクした瞬間に発生します。これは、相場の過熱が冷め始め、調整局面に入る可能性が高まったことを示唆するサインとなります。

書籍では主に4時間足を推奨していますが、このルールの本質を理解すれば、「1時間足や15分足など、他の時間足に応用することも可能」だと述べられており、トレーダーのスタイルに合わせた柔軟な活用が期待できます。

なぜこの手法は機能するのか?――「平均への回帰」という自然な動き

「2Trendy」が機能する根底には、「平均への回帰」という市場の普遍的な原則があります。どれほど強いトレンドであっても、一直線に価格が動き続けることはありません。過度な勢いがついた後は、より安定的で平均的な価格水準へと自然に戻ろうとする力が働きます。この手法は、まさにその動きを狙うものです。

この考え方の核心は、動画内の以下の言葉に集約されています。

価格が過熱していたところから冷静になって平均的な価格に戻っていくといったところ

このトレードの利益確定目標は、最初に引いた「基本となるトレンドライン」です。このラインが「平均的な価格」の目安として機能するため、エントリーから決済までの一連の流れが非常に合理的で、一貫したロジックに基づいているのが特徴です。

逆張り手法の覚悟――連敗を恐れないメンタリティ

この手法に取り組む上で、最も重要な心構えは勝率に対する考え方です。「2Trendy」は、高勝率を誇るタイプの戦略ではありません。トレンドの転換点をピンポイントで狙う逆張りであるため、複数回の連続した損失が発生することは、プロセスのごく自然な一部です。

この点は、手法を実践する上で必ず理解しておくべきであり、以下の言葉がその本質を的確に表しています。

連敗する こと は 普通 に あり まし て 2 回 目 3 回 目 の 正直 で 大きく 利益 が 取れ て その トレード が 全体 で 見 て トータル で プラス に なっ た と いう こと も よく あり ます ので 連敗 を 恐れ ない と いう ところ です ね

小さな損失を数回受け入れながら、最終的に大きな利益を獲得することでトータルプラスを目指す。これは、一般的なトレンドフォロー(順張り)手法とは異なる、逆張りトレーダー特有のメンタリティと言えるでしょう。

手法を自分流に磨き上げるヒント

「2Trendy」はシンプルな手法ですが、いくつかの工夫を加えることで、さらに実践的で洗練された戦略へと昇華させることが可能です。ここでは、リスク管理を改善し、効果を高めるためのヒントをいくつかご紹介します。

  • 分割決済の導入: 価格は必ずしも完璧に基本ラインまで戻るとは限りません。目標到達前に反転するリスクを考慮し、途中で利益の一部を確定させる(分割決済)ことで、より安定した結果を目指せます。
  • ロット調整の工夫: トレンドが進むほど天井(または底)に近づくため、後から発生するシグナルほど逆張りの成功率は理論的に高まります。この性質を利用し、最初のシグナルではロットを小さく、2回目、3回目のシグナルではロットを増やすといった調整を行うことで、リスクを管理しながらリターンを最大化するアプローチが可能になります。
  • オシレーターの活用: RSIのようなオシレーターを組み合わせることで、相場の「買われすぎ」「売られすぎ」といった過熱感を客観的に判断できます。RSIが特定の水準(例:80以上)に達した際にアラートを設定すれば、「2Trendy」のセットアップが発生しそうな局面を効率的に見つける助けとなります。
  • 順張りとの併用: これはより高度な応用ですが、トレンド発生中は通常の順張り手法で利益を狙い、相場に過熱感が出てきたら「2Trendy」に切り替えて逆張りを仕掛けるという考え方です。これにより、一つのトレンドの発生から終焉まで、そのライフサイクルの大部分から利益を得ることも可能になります。

おわりに

「2Trendy」の真の魅力は、そのシンプルさの裏に隠された、市場の深い洞察にあります。どれだけ力強く見えるトレンドも、やがては勢いを失い、平均へと回帰する。この普遍的な原理を、わずか2本のトレンドラインで捉えようとするエレガントなアプローチです。

主要通貨ペア全般で機能し、様々な時間足にも応用できるこの手法は、トレーダーの戦略的選択肢を多様化させるための強力なツールとなり得ます。複雑な分析に疲れた方や、プロの逆張り的視点を身につけたい方にとって、この手法を研究することは大きな価値をもたらすでしょう。

動画本編では、さらに多くの通貨ペアでの実例が紹介されています。このシンプルながらも奥深い手法の可能性を、ぜひご自身の目で確かめてみてください。