「何もしない相場」が利益に変わる?FX手法「グルトレ」の奥深い世界

FXゴールドナビ

FXトレーダーなら誰もが経験する、方向感のない「レンジ相場」。トレンドが出なければ利益は出せないと、もどかしい時間を過ごしたことはないでしょうか。今回ご紹介する動画では、まさにその「相場の7割」とも言われるレンジで利益を狙う、川崎いとえもん氏開発の「グルトレ」という独自の手法が詳しく解説されています。一見すると自動売買のように聞こえるかもしれませんが、その実は驚くほど奥深く、トレーダーの技術が試される戦略です。この記事では、動画の核心に触れながら、なぜこの手法が多くのトレーダーにとって一見の価値があるのかを紐解いていきます。

「動かない相場」を利益に変える逆転の発想

「グルトレ」は、「相場の7割はレンジ」という前提に立ち、明確なトレンドがない相場でこそ利益を追求するために設計された手法です。多くのトレーダーが手を出せずにいる時間帯を、収益機会に変えるという逆転の発想がこの手法の根幹にあります。

その核心的な仕組みは、「両建て」と「リピート注文」の組み合わせにあります。これは単に買いと売りのポジションを同時に持つというだけでなく、想定したレンジ内で価格が上下に揺れ動くたびに、細かく利益を刈り取り続けるための「網」を仕掛けるような戦略です。リピート注文機能により、一度利確されても同じ価格帯で自動的に注文が再設定され、この利益獲得のプロセスが継続的に行われます。

手法の心臓部。「サポート」ポジションの驚くべき役割

グルトレが単なるリピート系手法と一線を画すのは、「サポート」と呼ばれる特別なポジションの存在です。これは、リピート注文とは別に、トレーダー自身の裁量で建てられるポジションであり、その重要性は計り知れません。

動画の解説によれば、このサポートポジションはリピート注文の10倍という非常に大きなロットで設定されます。この大きなポジションが持つ役割は決定的です。もし相場が想定した方向にレンジをブレイクした場合、反対方向に建てられたリピート注文群はすべて含み損を抱えることになります。しかし、この巨大なサポートポジションが生み出す利益が、反対方向に建てられたリピート注文群が抱える全ての含み損を吸収し、さらには全体として大きな利益をもたらすのです。

つまり、サポートポジションは、想定外の動きに対する「保険」であると同時に、想定通りのブレイクが発生した際には「攻撃の要」として機能する、まさに手法の心臓部と言える驚くべき仕組みなのです。

成功と失敗を分ける4つのシナリオ

グルトレを仕掛けた後、相場の動きによって起こりうる結果は、主に4つのシナリオに分類されます。

  • ベストシナリオ: 想定通りにレンジが続く場合。価格がレンジ内を上下動するたびにリピート注文が次々と利益を確定させ、着実に資産が増えていく最も理想的な展開です。
  • グッドシナリオ: 想定した方向にブレイクする場合。例えば「買い」のグルトレを仕掛けていた場合に価格が上昇するケースです。この場合、強力な「サポート」ポジションが大きな利益を生み出し、反対ポジションの含み損をすべてカバーした上で、これもまた利益となる展開です。
  • バッドシナリオ: 想定と逆方向に緩やかにブレイクする場合。損失は避けられませんが、その動きが緩やかであるため、完全にレンジを抜ける前にリピート注文がある程度の利益を確定させます。これにより含み損の一部が相殺され、傷が浅いうちに損切りを目指せる展開です。
  • ワーストシナリオ: 想定と逆方向に急激にブレイクする場合。レンジ内で利益を蓄積する時間がなく、ロットの大きいサポートポジションが一気に含み損を拡大させる、最も避けなければならない危険な展開です。

これらのシナリオを戦略的に分析すると、この手法の巧みさが見えてきます。動画の解説者は、相場の動きを「レンジ継続」「想定方向へのブレイク」「想定逆方向へのブレイク」の3つに大別すれば、それぞれの確率は単純計算で3分の1ずつだと指摘します。グルトレは、このうちの「レンジ継続」と「想定方向へのブレイク」という3分の2の確率で利益になるよう設計されているのです。成功の鍵は、残る3分の1の「ワーストシナリオ」をいかに回避するかにかかっていると言えるでしょう。

これは自動売買ではない。求められる「トレーダーの技術」

リピート注文や両建てと聞くと、「一度設定すれば後は放置できる自動売買」のようなイメージを持つかもしれません。しかし、動画ではその真逆の事実が繰り返し強調されています。グルトレは、トレーダーの高度な裁量判断が求められる手法です。

これらは単なる設定項目ではありません。トレーダーが自身の相場分析と予測を、グルトレというフレームワークに組み込むための重要な判断点なのです。

  • どこで仕掛けるか(環境認識): レンジになりそうな相場を見極める分析力。
  • レンジ幅をどう設定するか: 利益とリスクを左右するレンジ幅の見積もり。
  • 「買い」と「売り」のどちらのグルトレを選択するか: これは単なる選択ではなく、どちらの方向にレンジブレイクが起こる可能性が高いかという、トレーダーの明確な相場予測そのものです。
  • いつ手仕舞いするか: 利益と含み損のバランスを見ながら全体を決済するタイミングの判断。
  • ワーストシナリオに備え、レンジ下限に逆指値の売り注文を置くかどうかの判断: 書籍では任意とされているものの、急落から資産を守るための極めて重要なリスク管理設定です。

この手法がいかにトレーダーのスキルを要求するかについて、動画では次のように語られています。

裁量トレード以上に結構考える要素は多い

これは、グルトレが初心者向けの安易なシステムではなく、むしろ相場を深く理解した熟練トレーダーが使いこなすための戦略的ツールであることを示唆しています。

おわりに

動画で解説されている「グルトレ」は、単にレンジで稼ぐ手法というだけでなく、相場の状況に応じて利益の形を変える、非常に戦略的なアプローチです。レンジ相場とトレンド相場の両方から利益を狙える構造を持ちながらも、その成否はトレーダーの深い環境認識力とリスク管理能力に委ねられています。まさにトレーダーの腕の見せ所と言えるでしょう。

トレンドフォロー手法に行き詰まりを感じている方や、自分の戦略の幅を広げたいと考えている方にとって、この動画は新たな視点を与えてくれるはずです。

より詳しい仕組みや具体的なエントリーポイントの考え方については、ぜひ動画本編をご覧ください。