はじめに
FXトレーディングと聞くと、複雑なチャートとにらめっこし、秒単位で判断を下す、ハイリスクで精神をすり減らす世界を想像するかもしれません。しかし、もしプロのトレーダーの思考が、驚くほどシンプルで、規律に基づいたものだとしたらどうでしょうか。
今回ご紹介するのは、プロFXトレーダーの水島翔氏が、自身のトレード哲学を語り、さらにはその場でリアルトレードまで披露するという貴重なYouTube動画です。
この記事では、動画の中から、FXに対する多くの人の思い込みを覆す、特に印象的だった発見や洞察を抜き出してご紹介します。
プロが語るFXの正体は、意外にも「商売の基本」だった
水島氏のトレード哲学の根幹は、非常に明快です。それは「安く仕入れて、高く売る」という、商売の基本原則そのものでした。
多くのアマチュアトレーダーが陥りがちなのが、価格がどんどん上がっているのを見て、「乗り遅れまい」と焦って買ってしまう「高値掴み」です。しかし、水島氏のアプローチは真逆。彼はダウ理論や水平線といったテクニカル分析を使い、上昇トレンドの中であっても、価格が一時的に下がった「安い」と判断できるポイントまで、じっくりと引きつけてからエントリーします。
彼の言葉が、この哲学を的確に表しています。
なるべく安く仕入れ て 高く 売っ て その リザ を 取る の ビジネス FX も 一緒 で 安く 仕入れ て 高く 売る こと で 利益 を 出す
価格の勢いに乗るのではなく、あくまでビジネスとして、有利な価格で仕入れることを徹底しているのです。
数分で利益確定。圧巻のリアルトレード
動画の最も手に汗握る瞬間は、水島氏が解説の最中に、一瞬のチャンスを見出したときに訪れます。彼は視聴者への説明のため、極めて短期的な売買である「スキャルピング」トレードを、その場で実行。数分間の緊張の中、画面上の数字がめまぐるしく変動した後、彼は冷静にポジションを閉じ、約7万円の利益を確定させました。
しかし、本当に驚くべきはその後の展開です。彼が利益を確定した直後、相場は反転。もしあのタイミングで決済していなければ、得られたはずの利益は一瞬で消え去っていたのです。これは、彼の出口戦略がいかに的確であったかを物語っています。
その瞬間の、撮影スタッフの素直な驚きが全てを物語っています。
あ来たここでもう決済しちゃう えぐ
感情に流されず、計画通りに利益を確保する。プロの冷静な判断力が光る瞬間でした。水島氏自身も、この素早いトレードはあくまで意思決定のプロセスを示すためのものであり、本来の彼の戦略は、同じロジックを1時間足など、より長い時間軸の大きな値動きに適用するものであると補足しています。
FXは「自分との我慢」。感情を制する者が勝つ
華麗なテクニック以上に水島氏が強調していたのが、トレーディングの心理的な側面です。彼にとってFXとは、市場との戦いである以前に、「自分との我慢」の戦いなのだと言います。
彼の戦略の核心は、価格が自分の狙っている重要なラインまで戻ってくるのを「待つ」こと。価格が中途半端な位置にある時に、「儲け損なうかもしれない」という焦りから衝動的にエントリーすることは絶対にしません。
もし価格が理想的なエントリーポイントまで来なければ、その日はトレードをしない。プロにとって「トレードをしない」という選択は、「トレードをする」ことと同じくらい戦略的な判断なのです。この何もしない時間を持つという哲学こそ、機会損失を恐れるアマチュアの思考とは一線を画し、感情的な判断と不要な損失に対する最も強力な防御策となっています。
この心理的な難しさは、動画内での会話にも表れています。
えこれめちゃくちゃなんかもう心理戦というか自分との我慢 自分との手ね ですよね やばいな
チャートの向こう側にいるのは、他のトレーダーであると同時に、自分自身の感情でもあるのです。
勝率5割でも利益が残る。プロを支える「リスクリワード」の考え方
「そんなに待ってばかりで、本当に稼げるのか?」と疑問に思うかもしれません。しかし、彼の戦略は「リスクリワードレシオ(損益率)」という強力な数学的根拠に支えられています。
動画内で実演されたトレードでは、彼は約2pipsの損失リスクに対して、7pipsの利益を狙いました。これはリスクリワードレシオが1:3以上ということであり、1回の負け(損失)を、1回の勝ち(利益)で十分にカバーできる計算です。
この戦略の強みは、たとえ勝率が50%(2回に1回しか勝てない)だとしても、トータルで利益が残る点にあります。実際には彼の勝率は7〜8割あるとのことなので、この有利なリスクリワードレシオと組み合わせることで、安定した利益を生み出すことが可能になります。
彼はトレード中、口座残高の増減には目を向けません。見るのはあくまでチャートの形だけ。金額の変動に一喜一憂せず、客観的な事実に基づいて判断を下すことが、合理的なトレードにつながるのです。
おわりに
この動画が教えてくれるのは、プロのFXトレーダーの世界が、世間のイメージとは大きく異なるということです。それは、感情的なギャンブルではなく、冷静で規律ある活動でした。
その核心には、強力な好循環(ループ)が存在します。まず、「安く仕入れて高く売る」というシンプルな商売の論理が戦略を定義します。しかし、その戦略は、チャンスをひたすら「待つ」という強靭な心理的規律がなければ実行できません。そして、その規律ある行動を最終的に利益へと結びつけるのが、優れたリスクリワードの設計です。この3つは、どれか一つが欠けても成り立たない、一体不可分の哲学なのです。
プロの思考に触れることで、FXトレーディングが単なる当てずっぽうのゲームではなく、明確な戦略と自己規律によって成り立つものであることが見えてきます。
Watch the full video to see the entire trade and explanation for yourself.

