4億円ガレージの主が「もう車は買わない」と語る理由とは?──所有の先に見つけた“満足”という名の終着点

水島 翔/FXトレーダー

はじめに

総額4億円とも言われるガレージに、ずらりと並ぶスーパーカーやヴィンテージバイク。多くの車好きが夢見る光景ですが、そのオーナーの口から語られたのは「もう車欲がなくなった」という意外な言葉でした。かつては「毎月、月に何台か納車」されるほどのペースで車を所有してきた彼が、なぜ今、満ち足りた境地にいるのか。この動画は、単なる豪華なカーコレクションの紹介ではありません。数々の名車を乗り継いできた一人のコレクターが、所有という概念を超えて辿り着いた「満足」の哲学と、その心の変化に迫るドキュメンタリーです。

辿り着いた「車欲がなくなった」という境地

長年にわたり、月に複数台が納車されることも珍しくなかったという驚異的なペースで車を買い替え、コレクションを拡大してきたオーナー。しかし彼は今、「本当に欲しい車がなくなった」という心境にあると語ります。それは情熱が冷めたわけでも、妥協したわけでもありません。数え切れないほどの売買を繰り返す中で、本当に心から愛せる車だけを選び抜き、手元に残してきた結果、現在のコレクションに深く満足しているのです。

なんか今持ってるので結構満足してるかなんか色々さ勝手を繰り返してきてさいいのだけを残してったじゃん結構厳選されたんもねもうね

この言葉は、彼が物質的な欲求のサイクルから一歩抜け出し、厳選されたものと向き合う新たなフェーズに入ったことを象徴しています。

スーパーカーの魂──本物の音と、作られた音

「フェラーリよりランボルギーニの方が好きなんですか?」という問いに、「いや、どっちも好き」と即答するオーナー。彼の価値観は、単純なブランドの好みではなく、より深い部分に根差しています。例えば、愛車であるフェラーリ F8については「繊細でちゃんとサーキットで走りを楽しめる作り」であり、ランボルギーニより軽量で速いと、その性能を高く評価しています。

しかしその一方で、近年のプラグインハイブリッドのフェラーリ(296やSF90など)が採用する方向性には疑問を呈します。彼が特にこだわるのが「音」。それらのモデルは、車内ではスピーカーからエンジン音を流しドライバーを高揚させる一方で、車外は静か。彼に言わせれば、それは「今のレクサスみたいな感じ」であり、内外の体験が乖離した「作られた音」は、スポーツカーが持つべき本質的な魂を損なうものだと感じられるようです。

スピーカーでエンジン音出たりする え だから外には聞こえないよ 外はハイブリッドだからさ

単なるスペックや速さだけでなく、五感で感じる機械的な「本物」の体験をいかに重視しているか。彼の哲学がここに色濃く反映されています。

思い入れが宿るヴィンテージという選択

彼の情熱は、最新のスーパーカーだけでなく、むしろ深い思い入れのあるヴィンテージの乗り物へと向いています。その代表格が、1977年式のシボレー C10。これは彼が20歳の頃に乗っていた車と同じ顔つきのデザインであり、「屋根を白くしたい」と語るなど、今も愛情を注ぎ続けています。単なるクラシックカーとしてではなく、自身の青春時代の記憶と強く結びついた特別な一台です。

また、ガレージに並ぶカワサキのヴィンテージバイクコレクションも、彼の哲学を雄弁に物語ります。中でもZ1000 MkIIは、「昔から一番欲しかったバイク」であり、コレクションの中でも最も希少で価値が高い特別な存在(北米仕様のKZ1000ではなく欧州仕様のZ1000を指すなど、そのこだわりは深い)。そして、この一台への愛情を示す決定的な行動が、他のバイクの保険をすべて解約したことです。「だって乗らないもん」と、乗るなら本当に乗りたいこの一台だけ、という姿勢を貫いています。これは、彼の「厳選されたものだけを愛する」という哲学が、具体的な行動として表れた好例と言えるでしょう。

「もし売るなら」──コレクションの未来と哲学

「もう車は買わない」と語る彼ですが、コレクションが完全に固定化されたわけではありません。ただし、その考え方は極めて受動的。「もしF8が欲しいという人がいたら」という条件付きで、売却の可能性を示唆します。彼は積極的に次の車を探しているのではなく、あくまで自然な機会が訪れれば、という満ち足りたスタンスなのです。

そして、もしその機会が訪れた時に手に入れたいのは、フェラーリ 512 TRや69年式のマスタングといった、さらに年代を遡るクラシックカー。この選択は、彼の興味が現代的なパフォーマンスの追求から、時代を超えて愛される普遍的なデザインや、荒々しくも「本物」の機械的な体験ができる名車へと完全にシフトしていることを裏付けています。それはスーパーカーの「作られた音」を嫌い、腹に響くエンジンサウンドを愛する彼の価値観と、まさしく一直線に繋がっているのです。

おわりに

この動画が映し出すのは、豪華なガレージの光景だけではありません。それは、一人の人間が「足るを知る」という境地に達し、厳選されたモノとの深い関係性の中に真の満足を見出すまでの物語です。所有することの意味、そして自分にとっての「満足」とは何かを、静かに問いかけてくれます。

彼の言葉の続きは、ぜひ動画本編でご覧ください。