FXトレードの「正解」は待つことにある?日足の鉄板パターンを捉えた、あるトレーダーの数分間

FXゴールドナビ

はじめに

FXトレードで安定した結果を出すのは難しい、高確率なエントリーポイントがなかなか見つからない――多くのトレーダーが抱える悩みではないでしょうか。今回ご紹介するのは、そんな悩みに一つの答えを示してくれる、ポンド円を対象とした非常に興味深いトレードのケーススタディです。

動画の解説者である加藤氏が実演するのは、自身のトレード手法**「秒速スキャル」の、まさに教科書通りの一場面。しかし、この動画の価値は単なる勝ちトレードの紹介ではありません。ひとつの「鉄板」パターンを捉えるために、どのような分析を行い、辛抱強く待ち、そしてリスクを天秤にかけて判断を下したのか、そのプロセス**にこそ最大の学びがあります。

なぜこのトレードは、含み損をほとんど抱えることなく、わずか数分で完結できたのか。そこには、規律と論理に基づいた、高度なトレーディングアプローチのエッセンスが凝縮されています。

なぜこの水平線が「鉄板」なのか

このトレードの根幹をなすのは、ポンド円の日足チャートに引かれた一本の強力な水平線です。このライン(135.46)は、直近で2つの高値をきれいに抑え込んだ実績のあるレジスタンスでした。テクニカル分析の基本原則に「レジスタンスはブレイクされるとサポートに転換する(レジサポ転換)」というものがあり、このトレードはこの高確率な役割反転パターンを狙ったものです。

注目すべきは、短期的なスキャルピングでありながら、分析の起点が長期足である日足から始まっている点です。加藤氏は、価格がこの明確なサポートラインまで落ちてくるのを、ひたすら待ち続けました。戦略の優位性は、マクロな視点(日足の強力なサポート)と、ミクロなエントリートリガー(後述する1分足のサイン)との**コンフルエンス(合流)**によって生まれます。高確率な機会を捉えるためには、まず長期足で優位性のある場所を見極め、そこまで価格を「引きつける」という忍耐が不可欠なのです。

下落の終わりを告げる「サイン」

価格が目標の水平線に到達した後、エントリーの確度を高めるための「サイン」を探します。その一つ目が、1分足チャートに現れたRSIのダイバージェンスでした。

ダイバージェンスとは、価格は安値を更新して下落しているにもかかわらず、RSI(オシレーター系のテクニカル指標)の安値は逆に切り上がっている状態を指します。これは、下落の勢いが弱まっており、反転上昇する可能性が高まっていることを示唆する強力なサインです。

こちらは下落の勢いの…つまり下げ止まって上げていく可能性というところを示していますので、こちらが入っていることでこのラインを一気にブレークしていかないというところを確認しているわけですね。

この確認作業によって、強力なサポートラインで「ただ闇雲に買う」のではなく、「下落の勢いが衰えた」という明確な根拠を持ってエントリーすることが可能になります。

ポジティブ要因とネガティブ要因の天秤

しかし、実際のトレードは常に理想通りに進むわけではありません。このトレードには、考慮すべき「ネガティブ要因(リスク要因)」も存在しました。それは、1分足における価格と20期間移動平均線(20EMA)の位置関係です。

当時のチャートでは、価格が20EMAに一度もタッチできずに下落を続けていました。これは、売り方が優勢で、短期的な平均値にすら価格を戻せないほど下落圧力が強い状態を示唆しています。動画内で解説されている理想型は「20EMAを割り込みながら下落し、ダイバージェンスを形成する」パターンであり、それと比較すると今回はリスクが高い状況でした。

つまり、RSIダイバージェンスという「ポジティブ要因」と、20EMAに抑えられているという「ネガティブ要因」がせめぎ合っていたのです。

ダイバージェンスは出ているのはポジティブ要因、そして20EMAを割らずにどんどん下落しているところはネガティブ要因というところで、一長一短あるというところですね。

このような状況でリスクをどう評価し、戦略に反映させるかがプロの腕の見せ所です。こうしたネガティブ要因は、決済判断だけでなく、エントリー時のロットサイズの調整にも影響を与えるべき重要な要素となります。

「理想」より「現実」を優先した決済判断

このネガティブ要因を考慮した結果、加藤氏は慎重な決済判断を下します。理想を言えば、より大きな利益を狙うことも可能でしたが、売り圧力の強さという現実的なリスクを優先し、+10pipsという早い段階で利益を確定させました。

これは「利益を伸ばし損ねた」トレードではありません。現状分析に基づき、リスクを限定して確実に利益を確保するという、非常に規律の取れたプロフェッショナルな判断です。結果として、このトレードは5ロットの取引で38,000円の利益を生み出し、さらに特筆すべきは、含み損がほとんど発生しない「きれいなトレード」であったことです。

おわりに

このトレード動画が教えてくれるのは、FXで成功するための普遍的な教訓です。

  • 日足での強力な**「レジサポ転換」ライン**を見極めること。
  • 追いかけるのではなく、狙ったレベルまで価格を**「引きつける」忍耐力**。
  • 1分足のRSIダイバージェンスで、運動量の低下を確認してからエントリーすること。
  • 20EMAとの関係性といったリアルタイムのリスク要因に基づき、決済戦略やロットサイズさえも動的に調整すること。

これらを組み合わせることで、再現性の高いトレードが可能になるのです。

ぜひ、動画本編でこの美しいトレードの全貌をご覧ください。あなたのトレードにも、きっと新たな視点が加わるはずです。