はじめに
週前半の市場は堅調な「リスクオン」ムードに包まれていましたが、木曜日と金曜日に株価が急落したことを引き金に、その空気は一変しました。これは典型的なセンチメントの反転であり、市場は一気に「リスクオフ」へと傾いたのです。この記事では、この複雑な市場の変化をプロの視点から読み解き、来週に向けた明確な分析とトレード戦略の要点を解説します。
市場の空気が一変した「リスクオフ」への転換
今週の市場を読み解く核心的なテーマは、週後半(木曜日と金曜日)に起きたリスクオンからリスクオフへの地合いの変化です。この転換の引き金となったのは、日経平均とNYダウの両市場で見られた大幅な株価下落でした。株式市場の全体的な上昇トレンドが完全に崩れたわけではないものの、この急落が為替市場に強力なリスクオフムードをもたらしたことは間違いありません。
このリスクオフ環境では、安全資産である米ドルが買われる一方で、代表的なリスク通貨(コモディティ通貨)である豪ドルが売られるという、教科書的な展開が見られました。この力学を理解することが、来週の戦略を立てる上での鍵となります。
主役は豪ドル?急落が示す絶好の売り場
このリスクオフセンチメントの影響を最も強く受けた通貨は、豪ドルです。特に金曜日には、一直線とも言える劇的で力強い下落を見せました。これはリスク回避局面における典型的な反応であり、絶好の「売りトレード」の好機を示唆しています。
分析の根拠は二重に強力です。まず、豪ドル/円の週足チャートを見ると、非常に重要なレジスタンスラインである「83.87円」で明確に上値を抑えられています。それに加え、4時間足チャートではトレンド転換のサインとなる押し安値を力強く下抜けており、下落への勢いが確認できます。
この二つの強力な根拠から、豪ドル/米ドルや豪ドル/円では、一度ブレイクしたサポートラインやトレンドラインへの戻りを待ってからショートポジションを狙う「戻り売り」戦略が極めて有効と考えられます。これは、現在の市場の勢いに乗るモメンタムトレードと言えるでしょう。
天井を打ったポンド、チャートが語る転換のサイン
長らく力強い上昇を続けてきた英ポンドにも、天井を示唆する興味深いサインが現れています。対ドル、対円で上昇の勢いが衰え、トレンド転換の可能性が高まっているのです。
特にポンド/円では、週足チャートで意識される高値圏に到達しただけでなく、トレーダーが強く意識する「150.00円」という心理的な節目(ラウンドナンバー)が目前に迫っており、これが強力な上値抵抗として機能している様子がうかがえます。さらに4時間足チャートに目を向けると、教科書のような「ダブルトップ」を形成後、ネックラインを明確に割り込んでおり、短期的な下落圧力が強まっていることが見て取れます。重要な価格帯と古典的なチャートパターンが、相場の転換点を教えてくれています。
リスクオフで輝く米ドル、ドル円の押し目買い戦略
一方で、豪ドル売りとは対照的な戦略も視野に入ります。リスクオフムードの中で、安全資産として買われたのが米ドルです。このドル買いの流れを受け、ドル円は力強く上昇しました。
ドル円の分析によれば、上昇トレンドは依然として継続しており、今週、それまで抵抗線として意識されていた高値を明確に上へブレイクしました。このブレイクは上昇トレンドの継続を強く裏付けるものであり、トレーダーにとっては下落したタイミングを狙って買う「押し目買い」の良い機会となります。下落局面は、かつての抵抗線が新たな支持線として機能するかを試す絶好のエントリーポイントとなり得るのです。これは、明確なトレンドが継続している通貨ペアでのトレンドフォロー戦略です。
おわりに
要点をまとめると、市場は明確なリスクオフ局面に突入しており、週末にかけての勢いが来週序盤も継続する可能性が高いということです。特に豪ドルは、複数のテクニカルな根拠に支えられ、短期的な売りトレードにおいて非常に分かりやすい好機を提供しています。
来週は米国のISM製造業景況指数や雇用統計といった重要な経済指標も控えています。相場の変動要因が増える中で、明確な根拠に基づいた戦略を持つことが不可欠です。より詳細なチャート分析は動画本編でご確認いただけますので、来週のトレード戦略を万全に整えるために、ぜひ一度ご覧ください。

