FXの「決済」は技術ではない?トレードの勝敗を分ける、たった一つのシンプルな原則

FXゴールドナビ

はじめに

「あと数pipsで利確だったのに…」という悔しさ。「損切りが早すぎたか…」という自責の念。FXトレードにおいて、決済の瞬間にまつわる感情の揺さぶりは、最もトレーダーの精神を削る要因の一つです。

しかし、もしその悩みの根本が「決済の技術」そのものではないとしたらどうでしょうか。

YouTubeチャンネル「FXゴールドナビ」で公開された動画は、この決済というテーマに対して、非常に明快な答えを提示しています。その価値は、複雑なテクニックの解説にあるのではなく、トレーダーが本当に集中すべき場所を再定義する、根本的な視点の転換にあります。この記事では、その動画の核心的な教えを紐解いていきます。

トレードの成否は「決済」の前に9割決まっている

動画が提示する最も重要な主張は、トレードの成功・失敗、その責任の9割は、エントリーや決済よりも前の「環境認識」の段階で決まっているというものです。

トレードは以下の3つのステップで構成されます。

  1. 環境認識:自分の手法が機能しやすい相場環境かを見極める。
  2. エントリー:決めたルールに基づきポジションを持つ。
  3. 決済:利確または損切りを行う。

多くのトレーダーは、損失が出た際に「決済のタイミングが悪かった」と反省しがちです。しかし動画では、その根本原因は、価格が伸びていく勢いのない場所でトレードを始めてしまった、つまり「環境認識の誤り」にある場合がほとんどだと指摘しています。

決済のやり方が悪かったからうまくはいかなかったのではないか…と考えがちですが、その場合、後押しをもって価格が伸びていかなかったのであれば、やはりですね、問題というのは環境認識のほうにあったりするわけですね。

この視点は、トレーダーを大きなプレッシャーから解放してくれます。なぜなら、勝敗の責任をコントロールが難しい値動きの最中の判断に求めるのではなく、準備段階である環境認識にこそ、改善の鍵があると教えてくれるからです。

ポジションを持った後は「相場に任せる」という新常識

動画では、トレードには明確な「境目」が存在すると説きます。エントリーボタンを押すまでと、押した後では、トレーダーの役割が根本的に変わるのです。

  1. 能動的な選択フェーズ(環境認識・エントリー):トレーダーが100%コントロールできる期間。「どの相場で戦うか」「どの形でエントリーするか」を完全に自分で選択できます。
  2. 受動的な待機フェーズ(決済):ポジションを持った後の期間。この境目を越えたら、トレーダーの役割は「選択」から「待機」へと変わります。

スピーカーの哲学は明快です。ポジションを持った後の決済フェーズでは、トレーダーが積極的に介入するのではなく、あらかじめ決めた利確目標や損切りラインに価格が到達するのをただ待つのが仕事だというのです。これは、自分の分析を信じ、ポジションを相場という「他力に委ねるような期間」と捉えることに他なりません。

このアプローチにより、その場の値動きに惑わされて感情的な判断を下すことを防ぎ、検証された手法が持つ統計的な期待値通りの結果を得やすくなります。

ポジションを持った後というのはそこから先、自分が何かをする余地というのは非常に小さくなってきます…基本的に価格が流れていくのを見守っていくだけという期間となってきます。場にポジションを任せる、そうした期間ということですね。

あらゆる値動きを想定する「5方向のシナリオ」思考法

では、どうすれば自信を持って「相場に任せる」という受動的なフェーズに入れるのでしょうか。その答えが、エントリー前に価格が動きうる5つの方向をすべて事前に想定しておくという思考法です。これこそが、受動的でいられるための能動的な準備なのです。

具体的には、以下の5つのシナリオをイメージし、「どうなったら、どうするか」を明確に決めておきます。

  • 急激に利益方向へ動く
  • 緩やかに利益方向へ動く
  • 横ばいになる(例:24時間経っても動かなければ決済する)
  • 緩やかに損失方向へ動く
  • 急激に損失方向へ動く

エントリー前にあらゆる可能性への対応策を決めておくことで、実際にどの方向にマーケットが動いても、パニックに陥ったり感情的に反応したりすることがなくなります。これは、規律を保ち、精神を安定させるための極めて強力なツールと言えるでしょう。

まずは「1対1」から。手法の優位性を測るリスクリワードの基本

最後に、リスクリワード比率の設定に関する動画のアドバイスです。推奨される出発点は、バランスの取れた**1:1の比率(利益1:損失1)**です。

その理由は、「もし1対1の比率で利益が残らないのであれば、その手法自体に優位性がない可能性が高い」からです。問題はリスクリワードの設定ではなく、環境認識やエントリーの基準にあると考えるべきなのです。動画では、「コツコツドカン」のような極端に偏った比率の危険性にも触れています。まずは1対1を基準とし、手法そのものの優位性を測ることが先決です。

応用編として、利益を確保しつつ、さらなる利益を狙うための「分割決済」という考え方も紹介されています。これは、ポジションの半分を1対1で決済し、残りの半分で利益を伸ばす方法です。半分を利確することで得られる「安心感」が、残りのポジションを冷静に保有し続けるための精神的な支えとなり、結果として大きな利益につながる可能性を高めます。

おわりに

この動画が教えてくれるのは、決済を極めるということは、その場その場の高度な技術を身につけることではなく、優れた準備と規律ある精神状態を維持することに他ならない、という変革的な視点です。

  • 勝敗の責任を「決済」に求めるのをやめ、上流工程である「環境認識」に全神経を集中させること。
  • エントリーボタンを押した後は「相場に任せる」と心に決め、受動的な観察者に徹すること。
  • 「5方向のシナリオ」を事前に描き、あらゆる値動きに対して精神的な動揺をなくすこと。
  • リスクリワードはまず「1対1」で試し、手法そのものの優位性を冷静に判断すること。

これらの原則を理解するだけで、決済に対するプレッシャーは大きく軽減され、より冷静で一貫性のあるトレードが可能になるはずです。

この動画が、あなたのトレードをどう変えるか、ぜひご自身の目で確かめてみてください。