【FXの常識が変わる】プロが教える「勝てるシナリオ」の作り方と、初心者がハマる落とし穴とは?

水島 翔/FXトレーダー

はじめに

多くのFX初心者が陥る「聖杯探し」。それは、「次にどこでエントリーすれば100%勝てるのか」という目先の正解を追い求める行為です。しかし、相場の荒波を勝ち抜くプロの視点は、それとは全く異なる次元にあります。

今回、私がプロフェッショナル・金融エディターの視点で紐解くのは、実力派トレーダー・水島翔氏の動画『【FXリアルトレード】初心者が今すぐ真似できる具体的な手法』です。この動画には、単なるテクニカルの解説を超えた、**「不確実な未来に対して、いかに論理的なシナリオを構築し、ビジネスとしてリスクを許容するか」**というプロの神髄が詰まっています。なぜ、彼の手法は多くのトレーダーの知的好奇心を刺激し、支持されるのか。その論理的な背景と圧倒的なリアリティを詳しく解説します。

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マルチタイムフレーム分析:NFPの急騰を背景とした「精緻な地図」の描き方

プロのトレードは、勘や直感ではなく、徹底した「環境認識」から始まります。水島氏が動画内で最初に見せたのは、日足、4時間足、1時間足を組み合わせたマルチタイムフレーム分析による相場の構造解体です。

特筆すべきは、トレードの前提となるファンダメンタルズの背景です。先週金曜日の米雇用統計(NFP)により、相場は約200pipsという急激な上昇を見せました。初心者はこうした急騰を見ると「乗り遅れた」と焦り、根拠のない飛び乗りを繰り返しますが、プロはこれを「大きなトレンドの発生」として冷静に分析します。

  • 日足・4時間足の視点: 過去の下降トレンドの起点を上抜け、明確な上昇の波を形成。現在は高値付近で推移しており、日足レベルのレジスタンスライン(水平線)付近で「ヘッドアンドショルダー」の予兆が見られることを指摘しています。
  • フラクタル構造の把握: 4時間足では「上昇トレンドの第一波の中での調整レンジ」と定義。大きな勢いは上向きであることを確認しつつ、短期的な調整の波を捉えようとしています。
  • 「引きつけ」の美学: 1時間足で安値と高値の切り上げを確認した上で、水島氏はこう語ります。

「なるべく安いところで買う、なるべく引きつけて買うっていうのが、セオリーとされる戦術になる」

上位足の勢いに逆らわず、かつリスクを最小化できる場所まで価格が落ちてくるのを待つ。この**「待つ勇気」**こそが、環境認識を利益に変えるための鍵なのです。

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ビジネスとして捉える「含み損」:飲食店経営に学ぶリスクの必要経費化

この動画で最も読者に衝撃を与えるのは、トレードを「実業」に例えた独自のマインドセットでしょう。多くの初心者は、ポジションを持った瞬間に「含み益」になることを期待しますが、水島氏はこれを**「捨ててほしい希望」**と切り捨てます。

彼は自身が最近経験した**「数千万円を投じた飲食事業からの撤退」**という生々しいエピソードを例に挙げ、トレードの本質を説きます。

  • 初期投資という概念: 飲食店を開業するには、内装費や教育費などで1,000万〜2,000万円のコストが最初にかかります。これを投じた瞬間に事業をやめれば、その価値はほぼゼロです。
  • トレードにおけるコスト: FXにおける「含み損」や「損切り」も、ビジネスを成立させるための**初期投資(必要経費)**に過ぎません。「買った瞬間に含み益」になるのは、ロレックスを正規店で購入して即転売するような極めて稀なケースだけです。
  • 感情のコントロール: 100ロット(1,000万通貨単位)という巨大なポジションを扱うプロにとって、リアルタイムで動く数字は単なる「演算」の一部です。

「ポジションを持った瞬間に含み損になるっていうのが、ビジネスにおいてもプライベートにおいても当たり前のこと。この希望は捨ててほしいなと思います」

ポジションが一時的に逆行することを「事業を成功させるための必要経費」と割り切る。この圧倒的な俯瞰視点が、チャートに張り付くストレスからトレーダーを解放するのです。

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期待値を最大化するIFO注文:100ロットで仕掛ける「1:5」の数学的優位性

環境認識とマインドが整った後、プロはそれを具体的な「IFO注文(予約注文)」へと落とし込みます。ここで計算されるリスクリワードの比率は、まさに驚異的です。

水島氏は、食事の約束というプライベートな時間を優先しつつ、感情を完全に排除した状態でシステムにトレードを任せます。

  • 圧倒的なリスクリワード:
    • 利益確定(指値): 約100pips(期待利益:100万円)
    • 損切り(逆指値): 約20pips(許容損失:15万〜20万円)
  • リスクリワード比「1:5」の威力: この設定であれば、勝率がたとえ30%程度であっても資産は増え続けます。この**数学的な優位性(期待値)**に賭ける姿勢こそが、ギャンブルではない「投資」としてのFXです。
  • 規律の維持: 100ロットという大金を動かしながらも、「損切りになっても大した損失ではない」と言い切れるのは、事前に自分の許容範囲内でシナリオを完結させているからです。

「利益になったとき100万、損切りになったとき15万。そういったイメージですね」

感情という不確定要素をIFO注文によって排除し、「自分の外側で勝負を決める」。これがプロの効率的な仕事術です。

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市場の交代を意識した「柔軟な規律」:欧州からニューヨークへのリレー

最後に、時間軸の捉え方についても触れる必要があります。相場は24時間動いていますが、その主役は時間帯によって入れ替わります。

水島氏は、ロンドン(欧州)時間が始まってしばらく経ち、ボラティリティが一時的に鈍化しているタイミングを冷徹に見極めています。

  • 市場参加者の交代: この後のニューヨーク市場の参入でボラティリティが再燃することを見越し、価格がスクイーズ(収束)した後のブレイクアウト、あるいは理想的な「押し目」を狙います。
  • 執着の排除: 「もし理想の価格まで戻ってこなければ、そのトレードは諦める」という潔さ。これは、相場に自分の都合を押し付けないプロの規律です。
  • 5分足でのトリガー: 上位足で方向性を決めつつ、5分足などの短期足でタイミングを計る。しかし、そこでも「飛び乗り」はせず、あくまで自分のシナリオに合致した場所でしか網を張りません。

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おわりに

FXトレードとは、単にチャートのパターンを覚える作業ではありません。それは、水島翔氏が体現しているように、**「不確実性の中に、いかに論理的な一貫性とビジネスとしての合理性を見出すか」**という知的探求のプロセスなのです。

「考え方の一例として取り入れてみる」という彼の謙虚な言葉の裏には、相場に対する深い敬意と、自己の規律に対する絶対的な自信が同居しています。

あなたがもし、現在のトレードに限界を感じているのであれば、手法をなぞる前に、この**「プロの思考の型」**を自分にインストールしてみてください。動画の全編を視聴し、その生々しい決断のプロセスに触れることで、あなたのFXに対する常識は、文字通り塗り替えられるはずです。