はじめに
「会社を辞めて、FX一本で自由に生きていきたい」。
多くのビジネスパーソンが、閉塞感のある日常からの脱出口としてこの言葉を夢想します。しかし、数々の修羅場を潜り抜け、現在は投資家としてだけでなく実業家としても成功を収める水島翔氏は、その憧れに真っ向から異を唱えます。「脱サラしたいなら、FXを専業にしてはいけない」と。
一見すると逆説的に聞こえるこの主張には、投資を単なる「稼ぐ手段」から「人生を最適化するツール」へと昇華させるための、極めて合理的かつ哲学的な戦略が隠されています。本稿では、水島氏の対談動画から、私たちが陥りがちな「専業という罠」を解き明かし、真の自立を勝ち取るための思考法を深掘りします。
投資をゴールにしない人生の豊かさ――「出口戦略」のある趣味
私たちは往々にして、高級車やブランド品を手に入れることを人生の「ゴール」と勘違いしてしまいます。しかし、水島氏にとってそれらはあくまで、人生の質を向上させるための「道具」に過ぎません。
- 「タイムリッチ(時間の自由)」の追求:単に銀行残高を増やす「マネーリッチ」ではなく、自分の時間を100%コントロールできる状態こそが真の豊かさである。
- 趣味への「出口(Exit)」の設定:単に楽しんで終わりではなく、趣味を通じて得られる人脈、成長、あるいはビジネスへの還元といった「リターン」を意識する。例えばゴルフであれば、そこでの交流が新たな契約や知見に繋がるかという視点を持つ。
- 物理的欲求の先にある目標:車やバイクといった物欲が満たされた後、次に何を目標に据えるか。この問いに対する答えが、人生の深みを決定づける。
動画の中で水島氏が語った言葉は、手段の目的化に対する強い警鐘です。
「車とかバイクなんかさ、所詮人生を豊かにする道具の1つであってさ、そこはゴールじゃないんだよ」
物欲を動機にすることは否定しませんが、それを維持するために「お金の奴隷」になっては本末転倒なのです。
なぜFXを専業にしてはいけないのか――構造的脆弱性と労働の罠
今回の核心である「専業FXの危うさ」について、水島氏は自身のポートフォリオを背景に、その構造的な脆弱性を指摘します。
- 裁量トレードは「労働収入」である:自分の判断と時間を切り売りしてチャートに張り付く行為は、本質的にサラリーマンの労働と変わりません。そこには「時間の自由」が欠落しています。
- 感情移入によるパフォーマンスの低下:生活費の全てをトレードに依存すると、「稼がなければ生きていけない」という強迫観念が生まれます。この過度な感情移入が判断を狂わせ、損失を拡大させる悪循環を招くのです。
- ビジネスポートフォリオによるリスク分散:水島氏はFXだけでなく、不動産事業(宅建保有者を役員に迎えた法人化)、飲食事業、EA(自動売買ツール)開発など、複数の柱を持っています。これにより、トレードへの精神的依存を排除しています。
- EA(自動売買)とインジケーターの使い分け:補助的なインジケーターに頼り切るのではなく、自身のロジックを完全にシステム化したEAを活用し、労働からの脱却を図るべきだという視点です。
「そこで稼がなきゃ生きていけないっていう状態にしてしまうと、感情移入してさらに稼げなくなっちゃう」
精神的な余裕こそが投資における最大の武器であり、そのためには「FX一本」という退路を断つような状況を避けるべきなのです。
成功をたぐり寄せる逆算思考と「富山時代」の徹底検証
水島氏が現在の地位を築いた背景には、サラリーマン時代から続く緻密な「逆算思考」があります。彼は目標を単なる願望に留めず、実行可能な最小単位まで分解しています。
- 目標の数値化プロセス:例えば「月収50万円」を目標とする場合、以下のように分解します。
- 月収50万円 → 週給13万円 → 日給2.5万円
- 日給2.5万円を達成するために、10ロットのトレードなら「25pips」が必要
- その25pipsを確実に獲るためのトレードスタイルを逆算して構築する
- 記録と改善の徹底:かつてはノートを使い込み、その後はブログや動画で自身の全トレードを記録。何が正解で何が失敗か、膨大な「トライアンドエラー」の結果を客観的に検証し続けてきました。
- 無我夢中の時期(イマージョン):現在の自由な生活は、6年前のサラリーマン時代の猛烈な努力の上にあります。当時26歳、富山の1軒家に住んでいた彼は、朝5時に起き、睡眠時間4時間という極限状態で自らを磨き上げました。
「なんとなく」稼げるようになることはありません。ゴールから逆算し、今日この瞬間に何pipsを狙うべきかまで落とし込む執着心こそが、成功の絶対条件です。
大衆と逆を行く行動がもたらす「時間主権」
ビジネス戦略において最も効率的なのは「人が動く時に動かない」というシンプルな原則です。水島氏はこの哲学を、ゴールデンウィークの過ごし方を例に解説します。
- コストとリスクの最小化:混雑、高騰する価格、事故のリスク。大衆と同じタイミングで動くことは、あらゆる面でコストパフォーマンスが悪いと断じます。
- 機会損失の回避:周囲が遊んでいる時に、誰よりも早く、深く学ぶ。この「ズレ」が数年後の圧倒的な格差を生みます。
- 生存戦略としての独立:日本が沈んだとしても、自分だけは生き残る。そのための強固な個の力を作ることにエネルギーを集中させる。
「人が動く時、人と反対の行動をするっていうのは、やっぱね、メリットしかない」
この「天邪鬼(あまのじゃく)」とも取れる徹底した合理主義が、周囲に流されない「自分軸」を確立し、時間主権を握る鍵となります。
おわりに
お金は不幸を避けるための強力な手段ですが、使い道を誤れば人生を縛る鎖にもなります。現状を打破し、理想のライフスタイルを手に入れたいのであれば、まずは「動く」しかありません。
「やみくもでもいいから動け」という水島氏の言葉は、完璧主義に陥って足が止まっている人々への、何よりの激励です。動きながら自分の適性を見極め、失敗を記録し、修正し続ける。その泥臭いプロセスの先にしか、洗練された自由は存在しません。
動画本編では、最新のEA開発に込めた「無責任なものは出さない」というプロとしての覚悟や、海外進出を見据えた壮大な事業ビジョンが、彼の熱量ある生の声で語られています。
文字情報だけでは受け取りきれない、成功者の「思考のスピード」と「空気感」を、ぜひフル動画から体感してください。あなたにとっての「真のゴール」を定義し直す、決定的な瞬間になるはずです。

