FXで感情に振り回されない。「守り」から始める、たった1つの資金管理ルール

水島 翔/FXトレーダー

はじめに

FXトレーディングでは、多くの人が「恐怖」や「欲望」といった感情に悩まされます。あと少しで利益が出るという欲望で利確を逃したり、損失を取り戻そうと焦ってさらに大きな損失を出してしまったり。こうした感情的なトレードが、口座資金を溶かす大きな原因です。

しかし、もし感情を排除し、常に冷静な判断を下すための、驚くほどシンプルな方法があるとしたらどうでしょう?

今回ご紹介する「水島 翔/FXトレーダー」氏の動画では、まさにその核心に迫る解決策が提示されています。その答えは、トレードの考え方を「攻め」から「守り」へと転換すること。本記事では、この動画で語られている、持続可能なトレードを実現するための、たった1つの資金管理ルールについて解説します。

「FXで100万円稼ぐのは、実は簡単」という言葉の真意

動画は「FXで100万円稼ぐのは簡単か、難しいか?」という挑発的な問いから始まります。答えは「実は簡単」。この言葉の真意を理解するために、まず一般的な「労働思考」と比較してみましょう。時給2,000円という好条件で月20日働いても、月収は32万円です。この感覚では、100万円は大金であり、稼ぐのは非常に困難に感じられます。

しかし、FXの世界ではレバレッジがこの常識を覆します。例えば、500万円の資金を元手に国内口座の25倍のレバレッジをかければ、最大1億2500万円分の取引が可能になります。この状態で100万通貨(100ロット)のポジションを持ち、100pipsの値動きを取れれば、それだけで100万円の利益が生まれます。

しかし、ここには危険な裏側が存在します。動画が鋭く指摘するように、100万円を稼ぐのが簡単なように、100万円を失うのも同じくらい簡単なのです。これはプラス方向だけでなく、マイナス方向にもレバレッジが効いているためです。

このようなトレードは、長期的な成功に必要な「再現性」が欠けており、本質的には純粋な「ギャンブル」に他なりません。この問題こそが、動画が解決しようとしている核心的な課題です。

トレードを支える4つの柱:「守り」と「攻め」のバランス

水島氏は、自身のトレードが4つの柱で成り立っていると説明します。これらは「守り」と「攻め」の2つのカテゴリーに明確に分けられます。

  • 守り (Defense): 資金管理メンタル管理から成ります。これらはトレードの土台であり、大きな損失を防ぎ、冷静さを保つための基盤です。
  • 攻め (Offense): トレードスキルの向上再現性から成ります。これは利益を積み上げていくための具体的な戦略や技術です。

このフレームワークは、一攫千金を狙う考え方から脱却し、FXを構造化されたビジネスとして捉え直す視点を与えてくれます。動画では、4つの柱すべてが不可欠であるとしつつも、すべての成功は強固な「守り」の上に築かれると強調されています。

すべての基本となる、たった1つのシンプルなルール

動画で紹介されている、感情をコントロールし、破滅的な損失を防ぐための鍵こそが「1%ルール」です。

ルールは非常にシンプルです。1回のトレードでリスクにさらす金額を、口座資金全体の1%以内に抑える。 水島氏は、これを理想としつつ、「マックスでも2%」という上限を設けていると補足しています。

この FX の 証拠 金 と し て 預け てる 金額 の 1% この 1% って 数字 1 回 の トレード に リスク に さらす 金額 を 1% し て ます

例えば、口座資金が1000万円なら1回のトレードでの最大許容損失額は10万円、500万円なら5万円です。

なぜこのルールがこれほど効果的なのでしょうか。それは、人間が自分の「器」を超える金額の増減に直面したときに感情が大きく揺さぶられ、冷静な判断ができなくなるからです。損失額をあらかじめ小さく限定することで、トレードの結果に一喜一憂することなく、常に冷静で合理的な意思決定が可能になるのです。

ギャンブルを「戦略」に変える思考法

この「1%ルール」を徹底すると、トレードは感情的な衝動から、計算された戦略的プロセスへと変わります。このルールを適用することで、トレーダーは以下の手順を踏むことが必須になります。

  1. まず、エントリーと決済の根拠を明確にしたトレードシナリオを立てる。
  2. 次に、利益と損失の比率であるリスクリワードを計算し、具体的な**損切り幅(pips)**を決定する。
  3. 最後に、あらかじめ決めた「資金の1%」という許容損失額と損切り幅に基づき、そのトレードで持つべき適切なロット数を算出する。

動画では、このプロセスが非常に分かりやすい具体例で説明されています。

仮に口座資金が1000万円だとします。「1%ルール」に基づき、1回のトレードで許容できる最大損失は10万円です。あるトレードシナリオで、損切り幅が20pipsになったとしましょう。もしここで安易に100ロットのポジションを持つと、損切りにかかった場合の損失は20万円となり、ルールを大幅に超過してしまいます。

そこでルールを守るために、ロット数を調整する必要が出てきます。損失を10万円に抑えるには、ポジションサイズを50ロットに減らさなければならない、という計算が成り立ちます。

このように、すべてのトレードが感情的な思いつきではなく、資金管理のルールに基づいた逆算によって決まるのです。「攻め」に入る前に、まず「守り」を完璧に固めることができる。この資金管理ルールが、ギャンブルを戦略に変える思考法そのものと言えるでしょう。

おわりに

FXで真の強さを手に入れるには、攻撃的な手法ではなく、規律ある守りの戦略が不可欠です。レバレッジが「100万円稼ぐのは簡単だ」と思わせる一方で、同じレバレッジが「100万円を失う」という感情的な破滅を引き起こします。今回ご紹介した「1%ルール」は、その衝撃からあなたを守るための回路遮断器(サーキットブレーカー)です。

このルールは、起こりうる大惨事を、計算可能で管理された「事業経費」へと変えてくれます。感情的な浮き沈みから解放され、持続可能な結果を目指すための第一歩は、この「1%ルール」を徹底することから始まるのです。

動画の全体を通して、このシンプルなルールがあなたのトレードをどう変えるか、ぜひご自身の目で確かめてみてください。