120万円の航空券を即決。でも、その裏にあるのは「無謀」との決別だった

水島 翔/FXトレーダー

雑談の最中、FXトレーダーの水島翔氏がドバイ行きのビジネスクラス航空券を約120万円で即決購入する。この一見すると衝動的なシーンから動画は幕を開けるが、それは単なる富裕層の日常風景ではない。むしろ、この出来事を起点に語られるのは、氏の思考における重大な転換点だ。一連の会話は、彼の資産、リスク、そして人生に対する哲学が、「買ってから稼ぐ」という無邪気な拡大志向から、より計算された戦略的な資産形成へと成熟していく過程を解き明かす、予期せぬマスタークラスなのである。成功の裏にあるマインドセットの進化に興味があるすべての人にとって、必見の内容と言えるだろう。

「勇敢」と「無謀」は違う

この動画で語られる最も核心的な洞察は、水島氏が漫画『キングダム』から得たという、「勇敢」と「無謀」の決定的な違いについての気づきだ。この学びは、彼の自己分析に大きな影響を与えている。

かつての「買ってから稼ぐ」というスタイルを、彼は今、100%感情で動いていた「無謀」な側面があったのではないかと振り返る。この内省のきっかけとなったのは、作中の登場人物「麃公(ひょうこう)」が死に際に主人公の信へ遺した、重い一言だった。

勇敢 と 無謀 は 違う そこ を 吐き違える と 死ぬ

水島氏は、この言葉が自身の過去の行動に深く突き刺さったと語る。そして彼は、このマインドを完全に捨てるのではなく、成熟させることの重要性を説く。感情の勢いは維持しつつも(「買ってから稼ぐマインドは…持ちつつね」)、より戦略的で「大人」な判断を加えなければならない、と。

この気づきは、勢いだけで会社を辞めてしまう視聴者への警鐘にもつながる。それは目標に向かう「勇敢」な戦略的行動ではなく、多くの場合、仕事や人間関係といった厳しい現実からの「逃げ」でしかないと指摘。感情的な衝動がいかに危険かを、自身の変化を通じて伝えているのだ。

月収50万円のサラリーマンに伝えたい、唯一のこと

動画のタイトルにもなっている、サラリーマンへの実践的なアドバイス。その核心は、驚くほどシンプルだが、多くの人が実行できない一点に集約される。それは**「給料が上がっても、生活水準は低いままに維持すること」**だ。

多くの人は、「給料が上がったら上がった分、車を買おうとローンを組み、住宅ローンを組み、毎週家族で外食に行く」という罠にはまる、と水島氏は指摘する。生活レベルを収入と同時に引き上げてしまうと、その生活を維持するために働き続けなければならなくなる。

彼は具体的な数字を挙げて、その対極にある戦略の重要性を説明する。仮に月収50万円の人が生活費20万円で暮らせれば、毎月30万円、年間で360万円の貯蓄が生まれる。この金銭的な「余力」こそが、一時的に収入がゼロになっても新しい挑戦を可能にする「時間」と「自由」を確保するのだ。これは、将来のチャンスを掴むための、極めて重要な財務戦略なのである。

「資産の総入れ替え」に見る、新しい価値観

最近の水島氏は、資産に対するアプローチを大きく転換させている。この動きは、あらゆる富裕層が経験する「資産の蓄積」から「資産の最適化」への重大な移行を象徴している。「色々売りたい衝動に駆られてて」と語るように、彼はスーパーカーやマンションなどを整理し、資産を現金化することに注力しているのだ。

その目的は、資産を「ちゃんとお金を生むもの」へ再投資すること。彼の視線は、自身の物件「エンリッチハウス」を満室にして利回り9.5%で売却する計画や、大学の近くに「シャーメゾン」を建設する構想など、具体的なキャッシュフローを生む不動産へと向かっている。

これは、単に高級品を所有する消費フェーズからの明確な脱却を意味する。「20台分のガレージを作って20台車を買う…もう違うな」と、彼は終わりのない拡大サイクルの虚しさに気づいたのだ。今後は10台収容のガレージも常に8台程度に留め、空いたスペースを「新しい車を買うために稼ぐ」モチベーションに変えるという。これは、単なる消費を超えた、より成熟した「大人」の資産形成術と言えるだろう。

おわりに

この動画は、120万円の航空券購入という派手な事象を入り口としながら、一個人の思考が大きく成熟していく様を描き出している。それは、感情に突き動かされた「無謀」な決断から、戦略的で真に「勇敢」なアプローチへと至る知的・精神的な旅路そのものだ。あなた自身のリスクやお金との向き合い方について、改めて深く考えるきっかけを与えてくれるに違いない。

ぜひ、動画本編でその思索の全貌に触れてみてほしい。