世界的なリスクオフムードが広がり、株式市場の下落が続く中、ご自身のポートフォリオやトレード戦略に不安を感じている方も多いのではないでしょうか。そんなカオスとも言える相場環境で、プロの思考を追体験できる一本の動画が、明確な指針を示してくれました。
今回ご紹介するのは、YouTubeチャンネル「FXゴールドナビ」で公開された相場分析動画です。(※本分析は、日本時間2020年3月6日金曜日の夜時点のチャートに基づいています。)この動画は、単なる相場予測にとどまりません。プロのトレーダーが、どのような思考プロセスを経て、どのタイミングで、どんな手法を使ってトレードに臨むのか、その具体的な戦略を解き明かしてくれています。
「鉄板パターン」が、カオスをチャンスに変える
動画の解説者が繰り返し強調するのが、ブレイクアウト後の「鉄板パターン」(文字通り「鉄板」のように硬い、つまり「高確率で信頼できる」という意味)と呼ばれるトレード戦略です。その手法は非常に明確です。まず、日足チャートで重要な水平線をブレイクしたことを確認します。しかし、ここで焦って飛び乗るのではなく、価格が4時間足チャートの20期間移動平均線(20MA)まで引きつけられる「戻り」を待ち、そこで満を持してエントリーするというものです。
この手法は、今週の相場で複数の通貨ペアに現れていました。例えば、ニュージーランドドル/円(ニュージー円)のトレードでは、このパターンに沿ったエントリーで約18万円の利益を生み出したとのこと。また、豪ドル/米ドルでも同様の綺麗なパターンが出現しており、その有効性の高さが伺えます。荒れた相場であっても、このような再現性の高いパターンを知っていれば、冷静に行動するための強力なフレームワークとなります。解説者は、このパターンの重要性を次のように語っています。
日足の水平線を下に抜けた中で、4時間足の20MAに引きつけてショートする。こちらが鉄板の方ということで、ここでは紹介しておきたいと思います。
なぜ「待つこと」が戦略なのか。複数の根拠が重なる瞬間
プロのトレードは、「待つこと」がいかに重要かを教えてくれます。解説者は、ユーロ/ドル(ユーロドル)で行ったトレードを例に、規律あるエントリーの神髄を説きました。このトレードでは、戻り売りの絶好の機会を捉えるため、以下の3つのテクニカル的な根拠が重なるポイントまで、辛抱強く価格を引きつけています。
- 日足の20期間移動平均線(20MA)
- 「1.09」というラウンドナンバー(キリの良い数字)
- フィボナッチ・リトレースメントの38.2%のライン
ここで注目すべきは、この強力なセットアップを背景にした実行方法です。解説者は、日足レベルの分析で得た確信を元に、「1分足での秒速スキャルピング」という極めて短期的な手法でエントリーしたと明かしています。長期足の分析で優位性の高い局面を特定し、短期足で精密なエントリーを行う。これこそが、プロとアマチュアを分ける思考法と言えるでしょう。このように、異なるテクニカル理論から導き出された複数の根拠が一点に集中する局面は、市場参加者の多くが意識するため、極めて強力な反発ポイントとなり得るのです。結果として、このトレードは約12万円の利益につながりました。
ズームアウトする視点。長期足が見せる「次の目標」
短期的な値動きに惑わされないためには、相場全体の「地図」を持つことが不可欠です。動画では、長期足チャートを使って大局観を把握するテクニックが示されています。これは一度きりの裏技ではなく、プロが常に実践する標準的な手順です。
例えば、豪ドル/米ドルは、日足チャートでは過去にサポートとなる価格帯が見当たらない「真空地帯」まで下落していました。このような状況で解説者が取り出したのが「月足チャート」です。視点を月足までズームアウトすることで、それまで見えなかった次の重要な目標価格、すなわち「2009年の最安値」が明確になりました。
この「ズームアウト」の技術は、豪ドル円やニュージードル/米ドルなど、他の通貨ペアの分析でも一貫して使われています。日足で方向感を見失った際に、月足レベルの重要なサポートやレジスタンスを確認する。この長期的な視点を持つことで、目先の値動きに翻弄されず、次の大きな目標を見据えたシナリオを立てることが可能になるのです。
来週、もっとも注目すべきチャートは?
動画の最後には、視聴者が今後に活かせる具体的な注目ポイントも提示されています。解説者が「来週はかなり注目のチャート」「ぜひトレードに使っていきたい」と語ったのが、ポンド/円(ポンド円)です。
その理由は、「日足で非常に綺麗なボックスレンジからのブレイク」が発生したばかりだからです。ここでも、前述の「鉄板パターン」の応用が想定されています。つまり、ブレイク後に価格が4時間足の20MA付近まで戻ってくるのを待ち、ショートポジションでのエントリーを狙うという戦略です。これは、来週のマーケットで実際に観察できる、非常に実践的な学びとなるでしょう。
まとめ:プロの思考法を自身の武器に
この動画の真の価値は、相場予測そのものよりも、プロのトレーダーが一貫して用いる思考法とトレード手法を、我々が学べる点にあります。
- 再現性の高い「鉄板パターン」を戦略の軸に据える
- 複数の根拠が重なる「優位性の高い瞬間」まで待つ規律を貫く
- 長期足で全体像を把握し、シナリオを構築する「多角的な視点」を持つ
これらの要素を組み合わせることで、先の読めない相場においても、冷静で根拠のあるトレード判断が可能になります。
今回解説したプロの手法を、実際のチャートの動きと共に確認したい方は、ぜひ動画本編をご覧ください。百聞は一見に如かず。プロの目線を追体験することで、あなたのトレードは新たな次元へと進化するかもしれません。

