はじめに
今週の為替相場は、木曜日までほとんど値動きがなく、ボラティリティの低い静かな展開が続いていました。しかし、金曜日に発表された米国のPCEデフレーターが市場の空気を一変させます。この指標発表をきっかけに、相場は一気に動き出しました。 この記事では、この突然の変化がなぜ起こったのか、そして来週のトレード戦略にどう活かすべきかを、プロの視点から分かりやすく解説します。
金曜日に激震、相場を動かした「強いドル高」の正体
金曜日の市場を動かした最大の要因は、米国の個人消費支出(PCE)デフレーターでした。この指標が市場の予想を上回る強い結果となったことで、米国の追加利上げ観測が一気に強まり、強力なドル高トレンドが発生しました。 通貨の強弱関係は明確な「ドル高円安」となり、それまで続いていた膠着状態を打ち破る大きな動きへと繋がったのです。
主役はドル円、いよいよ始まった上昇トレンド
来週のトレード戦略を考える上で、最も有力な通貨ペアは「ドル円(USD/JPY)」です。 日足チャートを見ると、金曜日にトレンド転換ラインを大きな陽線で明確にブレイクしており、上昇トレンド入りが確定的となりました。この明瞭なチャート形状は、トレードの判断における曖昧さを減らし、高勝率のエントリーポイントを見極める上で大きな利点となります。 最初の上昇目標としては、過去に何度もサポートやレジスタンスとして機能してきた「137.80円」付近が意識されます。
トレンド初動であり、買い狙いのチャンスの通貨ペアとなっています。
ドル高がもたらす二つの好機:ドル円の「買い」と他通貨の「売り」
今回のドル高は、他の通貨ペアにも大きな影響を与えています。ユーロ円(EUR/JPY)やポンド円(GBP/JPY)も上昇していますが、これらはドル円に比べてチャート形状が複雑であり、トレードの難易度はやや高いと分析します。
一方で、強いドル高の影響を受け、明確な下落トレンドを示している通貨ペアもあります。
- ユーロドル(EUR/USD): 下降トレンドに突入。
- 豪ドル/米ドル(AUD/USD)& NZドル/米ドル(NZD/USD): 下降トレンドの初動に入っており、売りを狙える可能性がある。
ユーロドルや豪ドルの下落トレンドは、この「ドル全面高」という現象の裏返しに他なりません。これは、ドル円の上昇が孤立した動きではなく、市場全体の大きな流れの一部であることを裏付けており、トレード対象としてより信頼性の高いトレンドであることを示唆しています。
テクニカル分析が示す「強い買いシグナル」
ドル円の強気シナリオは、長期・中期・短期の各時間足で買いシグナルが揃う「マルチタイムフレーム分析」によって、その信頼性が裏付けられています。
まず**週足(長期)では、フィボナッチ・リトレースメント50%の重要な支持線で綺麗に反発し、長期的な上昇基盤を固めました。次に日足(中期)では、この長期的なサポートを背景に、トレンド転換ラインを大陽線で明確に上方ブレイク。これにより、中期的な上昇トレンドへの転換が確定しました。そして1時間足(短期)**では、直近の重要な抵抗線であった135円の節目を力強く突破し、短期的な買いの勢いが加速したことを示しています。
このように、長期の基盤、中期のトレンド転換、短期の勢いがすべて「買い」方向で一致しているため、来週は押し目買いを基本とした積極的な買い戦略の優位性が極めて高い局面と言えるでしょう。
おわりに
しばらく続いた調整期間を経て、為替市場にはついに明確なトレンドが生まれました。その主役は、まぎれもなくドル円です。来週はこのドル円の買いトレードを最優先に、チャンスを狙っていく局面となるでしょう。
なお、来週は水曜日に米国ISM製造業景況指数、金曜日にISM非製造業景況指数の発表が控えています。これらの重要指標は相場のボラティリティを高める可能性があるため、トレード戦略を立てる上で必ず意識しておきましょう。
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