はじめに
FX取引をしていると、「1ドル150.00円」のようなキリの良い数字、いわゆる「ラウンドナンバー」を意識する場面は多いでしょう。多くのトレーダーが注目するため、価格が反応しやすいポイントとして知られています。しかし、そのシンプルな概念の裏には、短期売買(スキャルピング)の精度を劇的に向上させる、驚くほど実践的な洞察が隠されています。
一見すると「ただのキリ番」ですが、その価格周辺では、なぜか勢いがついたり、ピタリと止められたり、あるいは一度抜けたかと思えば猛烈な勢いで逆行したりと、複雑な値動きが頻発します。この記事で紹介する動画では、このラウンドナンバーを単なる目安ではなく、具体的なエントリー・トリガーとして活用する3つの手法を解説しています。特に、150.00円や150.50円といった50pips間隔のラウンドナンバーを重視する戦略は、自分のトレードに新たな武器を加えたい方にとって必見の内容です。
「水平線」と同じなのに、もっと客観的な理由
ラウンドナンバーがなぜ有効なのか?その第一の理由は、多くのトレーダーが自分でチャートに引く「水平線(サポートラインやレジスタンスライン)」とほぼ同じ役割を果たすからです。価格を止めたり、ブレイクの起点になったりする性質は非常によく似ています。
しかし、ラウンドナンバーには手動で引く水平線にはない、決定的な利点があります。それは**「再現性の高さ」**です。トレーダーが引く水平線は、どこに引くかで個人差が出てしまいがちですが、「150.00円」という価格は誰が見ても同じです。つまり、世界中のトレーダーが同じ基準を見ているため、極めて客観性の高い指標となるのです。
さらに、この客観性はトレードをシンプルにする効果もあります。通常、環境認識のために日足や4時間足といった上位足の分析が必要になりますが、ラウンドナンバー自体が強力な水平線として機能するため、1分足などの短期足チャートに集中しても、上位足のラインを意識したトレードに近い効果を得られます。これにより、「上位足分析を割愛できる」という大きなメリットが生まれます。
価格は「壁」ではなく「トランポリン」のように動く
この動画で紹介されている最も重要で、驚くべきコンセプトが「価格の弾力性」です。多くの人は、価格がラウンドナンバーに到達すると、まるでコンクリートの壁にぶつかるように「ピタッ」と止まるか、そのまま突き抜けるかをイメージするかもしれません。しかし、実際の値動きはもっと複雑です。
動画では、この動きを「トランポリン」に例えています。価格はラウンドナンバーを一度少しだけ沈み込むように割り込み、そこで溜まった反対方向の圧力を吸収して、一気に強く跳ね返されるというのです。これは、ブレイクしたと思って飛び乗ったトレーダーを振り落とす「ダマシ」の動きであり、この性質を理解することがスキャルピング成功の鍵となります。
コンクリートの壁に跳ね返されるというよりはもっと柔らかい ま ゴムでできたトランポリンのように1回こう沈み込んでえその売り圧力が吸収されて逆に反対方向にこう跳ね返されていく
この「トランポリン効果」を理解すると、なぜラウンドナンバーを少し抜けた後に強い逆行トレンドが発生するのかが明確になり、トレードの精度を格段に上げることができます。
すぐに使える3つの実践的トレードパターン
動画では、ラウンドナンバーを使った具体的なスキャルピング手法として、以下の3つのパターンが紹介されています。
- ブレイクパターン 大陽線や大陰線を伴って、ラウンドナンバーを勢いよく明確に突き抜けた方向にエントリーする、最もシンプルな手法です。
- 反発パターン 価格がラウンドナンバーで何度もきれいに止められていることを確認し、その反発による逆方向への動きを狙ってエントリーする手法です。
- フェイクパターン(トランポリン型) 最も応用的で強力なパターン。ラウンドナンバーを一度ブレイクしたにもかかわらず、その勢いが否定されて鋭く反転する動きを狙います。ブレイクを狙ったトレーダーの損切りを巻き込むため、強いトレンドが発生しやすく、動画ではこの「ダマシ」の動きの方が、きれいな反発よりも頻度が高い可能性を指摘しています。
抜けるか、止まるか?相場の勢いを読むヒント
では、価格がラウンドナンバーに到達する前に、そこを「抜けるのか」あるいは「止まるのか」を予測することはできるのでしょうか。100%の確信を持つことは不可能ですが、動画ではその確率を高めるためのヒントを2つ挙げています。
- アプローチの勢い ローソク足が小さく「じわじわ」と時間をかけてラウンドナンバーに近づいてきた場合、勢いが尽きて反発する可能性が高まります。逆に、経済指標の発表などで発生した大きな値動きで一気に到達した場合は、その勢いのままブレイクする可能性が高くなります。
- レンジ(もみ合い)の位置 ラウンドナンバーに向かうトレンドの途中で発生したレンジの位置も重要です。ラウンドナンバーから遠い位置でレンジを形成した場合、ブレイクのためのエネルギーを途中で使い果たし、到達点で反発しやすくなります。逆に、ラウンドナンバーのすぐ近くでレンジを形成した場合は、エネルギーを溜め込んだ状態からの強力なブレイクにつながりやすくなります。
これらのヒントは、完璧な予測をするためではなく、シナリオを事前に準備し、どちらに動いても冷静に対応するための判断材料として非常に有効です。
おわりに
多くのトレーダーが意識する「ラウンドナンバー」は、単なる目安ではなく、極めて客観的で実践的なスキャルピングの武器となり得ます。その利点は、誰が見ても同じ価格である**「再現性の高さ」と、複雑な「上位足分析を割愛できる」**というシンプルさにあります。そして何より、価格が壁ではなく「トランポリン」のように弾力的に動くという視点は、これまでのトレードの常識を覆すほどのインパクトがあるでしょう。
今回ご紹介した「ブレイク」「反発」「フェイク(トランポリン型)」という3つのパターンを意識するだけで、チャートの見え方が大きく変わるはずです。
動画本編で、実際のチャートの動きをぜひご覧ください。

