FXで9割が負ける「脳のバグ」とは?プロスペクト理論を逆手に取った驚愕の練習法

水島 翔/FXトレーダー

どれだけ高額な商材を買い、最新のテクニカル分析を学んでも、なぜか口座残高が減り続けてしまう。手法を追い求めて「聖杯探し」の迷路に迷い込み、出口の見えない絶望感に苛まれてはいませんか?実は、あなたが勝てない決定的な理由は、トレード技術の不足ではありません。私たち人間の脳に最初から組み込まれている「負けのプログラム」——すなわち、本能そのものに原因があるのです。

今回は、FXトレーダー・水島翔氏の知見をもとに、FXで一生勝てない人の共通点と、その本能をハックして「勝ち組」へと変貌を遂げるための心理学を紐解きます。手法よりも断然重要な「トレード心理学」の本質を、あなたの心に刻んでください。

人間の本能に潜む「負けの法則」:プロスペクト理論の正体

FXの世界で必ず耳にする「プロスペクト理論」。これは行動経済学の柱となる理論で、人間がいかに不合理な意思決定を下すかを証明したものです。水島氏は動画内で、2つの質問を通じてこの理論がもたらす「負けの法則」を解説しています。

質問1:利益を前にしたとき

  • A:確実に100万円がもらえる。
  • B:コインを投げ、表なら200万円もらえるが、裏なら1円ももらえない。 ほとんどの人は、リスクを避けて「A」を選びます。

質問2:200万円の含み損(または借金)を抱えているとき

  • A:確実に損失が100万円に減る。
  • B:コインを投げ、表なら損失が0になるが、裏なら200万円の損失のまま。 驚くべきことに、ここでは多くの人が「B」というギャンブルを選択します。

なぜでしょうか。心理学的な視点で見れば、人間にとって「損失を確定させる痛み」は「利益を得る喜び」の2倍以上に感じられるからです。この「痛み」から逃げたいという本能が、トレードにおいては致命的な「利小損大」を引き起こします。水島氏は次のように核心を突いています。

「FXのトレードっていうのは、利益はしっかり伸ばす、損失方向に行っている時はしっかり切る。その『損小利大』のトレードを繰り返すことで合計で利益を積み重ねていくという考えなのですが、このプロスペクト理論によって僕たちは知らず知らずに、損に対してはギャンブル感覚で伸ばしてしまう。」

つまり、私たちは「本能に従っている限り、FXでは負けるようにできている」のです。この「脳のバグ」を自覚することこそが、勝者への第一歩となります。

「スコアボード」ではなく「チャート」を見る:リアルトレードの教訓

理論を理解しても、実際のトレード画面で数字が動き出すと、冷静さは簡単に吹き飛びます。ここで重要になるのが「リファレンスポイント(基準点)」という考え方です。

多くのトレーダーは、自分の買値や売値(リファレンスポイント)に固執してしまいます。ポジションを持つと、チャートの形ではなく「自分の資産がいくら増減しているか」という損益画面、いわば「スコアボード」ばかりを凝視してしまうのです。

水島氏がデモトレードで見せたように、損益が赤色(マイナス)に変わった瞬間、人は「戻ってきてくれ」と天に祈る「お祈りタイム」に突入します。本来、ヒゲの先端での反発を狙ったシナリオが崩れ、安値を下抜けたのなら、その時点で即座に決済すべきです。しかし、数字の増減に感情を支配されると、事実を無視して「いつか戻るはずだ」という微かな確率に賭けてしまいます。

「どうしてもし人はここの自分のポジションの金額の増減ばかりをいた(見て)しまいます。……でも本来見るべき所ってここ(チャート)なんですよね。」

チャートは客観的な事実を語りますが、損益画面はあなたの「欲と恐怖」を増幅させる装置にすぎません。一流のトレーダーはスコアボードを無視し、常にチャート上の根拠に基づいて意思決定を行っています。

負けを喜ぶ?損小利大を身体に刻む「逆転の練習法」

プロスペクト理論という強力な本能を上書きするために、水島氏が提唱する練習法は極めてユニークです。それは「あえて負けるトレードを繰り返す」というもの。お金が減る痛みに対する耐性をつけ、損小利大を身体に染み込ませるための特訓です。

具体的なルールはこうです。

  1. 負けを狙いに行く: 「マイナス2ピプス(pips)で確実に損切りする」と決め、あえて負けを確定させる喜びを味わう。
  2. 勝ちを放置する: 予想に反して利益方向に動いてしまった場合、「今は負けたいから、利益を確定したくない」という心理を利用して、あえてホールドする。例えば「4ピプス以上伸びてしまったら仕方なく決済する」というルールを設けます。

この練習法の真髄は、「負けを確定させたい」という歪んだ(逆転した)欲求を利用することにあります。

「負けを確定するつもりでチャートを見ていく。でも勝ってしまって、今現状勝ってしまって勝ち方向に行っている。でもこちら確定したくないからホールドする。すると自然に伸びていっちゃう。」

利益が出ているとき、普通は「すぐ確保したい(Aの選択)」という本能が働きますが、この練習中、あなたの心は「負けたい(Bの選択)」に支配されています。その結果、皮肉にも利益がどんどん伸びていく。この「負けようとした結果、利益が最大化された」という成功体験こそが、プロスペクト理論をハックし、あなたの脳を「勝ち組」へと作り変えるのです。

負けない状況を自ら作る:テクニカルと心理の融合

心理的な弱さを根性で克服するのは困難です。だからこそ、水島氏は「仕組み」でカバーすることを推奨しています。

その最も効果的な方法が「建値へのストップ移動」です。利益がある程度乗った段階で、逆指値(損切りライン)をエントリーした価格まで引き上げます。これにより「そのトレードでの負けが100%なくなった状態」が完成します。リスクがゼロになれば、プロスペクト理論の呪縛から解き放たれ、リラックスして利益を最大限まで伸ばすことができるようになります。

また、こうした心理的余裕を支えるのは、精度の高い「環境認識」です。水島氏は動画後半で、以下のような具体的な分析を披露しています。

  • 週足: 上昇波の最高値の起点を下抜けて目線は下だが、勢いは強く、最高値付近までは上昇の余地がある。
  • 日足: 145円のキリ番(節目)まで、レジスタンスが存在しない「真空状態」にあることを特定。
  • 1時間足: 145円付近でレンジを形成しているが、真空状態という背景があるため、押し目買いのシナリオが描きやすい。

「この先は真空状態である」というテクニカルな根拠(事実)があるからこそ、一時的な逆行に惑わされず、どっしりと構えて利益を伸ばせるのです。心理とテクニカルは車の両輪。仕組みを作り、根拠を固めることで、本能に邪魔されないトレードが可能になります。

おわりに

FXは、チャートとの戦いである以上に、あなた自身の「本能」との戦いです。損失を嫌い、利益を急ぐという人間の生存プログラムをそのままチャートに持ち込めば、結果は火を見るより明らかです。

しかし、水島翔氏が説く「負けを狙う練習法」や「建値ストップによるリスク排除」は、その強固なプログラムを逆手に取り、勝ち組の思考回路を強制的に構築する力を持っています。手法の迷子から脱却し、一生モノの勝ち筋を掴みたいのであれば、今日から「負けの確定」を恐れない自分を作る訓練を始めてみてください。

ぜひ動画本編を視聴して、あなたにとって最も心に響くポイントを見つけてみてください。