はじめに
FXを学んでいると、誰もが「結局、どこでエントリーすればいいのかわからない」という深い悩みに突き当たります。画面を眺めては飛び乗り、損切りにかかってから「待てばよかった」と後悔する……。そんな悪循環から抜け出すために必要なのは、単なる手法の暗記ではなく、「相場の空気感」を読み解く力です。
今回ご紹介するのは、プロトレーダー・水島翔氏が実践するマルチタイムフレーム分析とエントリーの極意です。水島氏の視点は、インジケーターのサインを追うだけの作業とは一線を画します。「相場の全体像をどう捉え、エネルギーの偏りをどう利益に変えるか」という本質的なアプローチを学ぶことで、最小のリスクで最大のリターンを狙う「損小利大」のトレードが、あなたの手に届くものになるはずです。
上位足から紐解く環境認識と売買バイアスの決定
水島氏がトレードの土台として最も重視するのが、週足から順番に時間足を落とし込んでいく環境認識です。現在のドル円相場(160円付近からの急落後)を例に、氏がどのように「空気感」を捉えているのかを具体的に見ていきましょう。
ここで重要なのは、**「長期と短期の目線の違い」**を整理することです。
- 週足: 長期的には依然として「上昇トレンド」。152円付近の強力なサポート帯を目指して調整している局面。
- 日足・4時間足: 直近の起点を明確に下抜け、「下降の波」が強く出ている。
- 1時間足: 戻り高値を越えられず、売りが優勢な「下降トレンド」。
専門家としてのポイントは、週足が上であっても、直近の勢いが下であれば、152円までの「空白地帯」を売りで狙うという柔軟性です。水島氏は、論理的なラインだけでなく、波形をなぞることで得られる「感覚」の重要性を次のように述べています。
「買いのバイアスよりも売りのバイアスのほうが強いのかなと思って見てます。こうやって波形をなぞってみて、買いの勢力、売りの勢力どっちが強いのかっていうのを感覚的に掴んでいくっていう作業も大事になってきます。」
主観に頼りすぎず、客観的な波形分析を通じて「どちらの勢力が力尽き、どちらが勢いづいているか」を感じ取ることが、勝てるバイアス(方向性)を決める鍵となります。
損切りを浅くするための「引きつけ」の美学
方向性が決まったら、次に徹底すべきは「引きつけ」です。多くのトレーダーが負ける原因は、チャンスを逃す恐怖(FOMO)から、中途半端な位置でポジションを持ってしまうことにあります。
水島氏の戦略は、1時間足レベルの水平線や抵抗帯まで価格が戻るのをじっと待つ、規律あるものです。
- 「浅い損切り」の実現: 抵抗帯まで引きつけることで、そのすぐ上に損切りを置けます。予想が外れても微損で済み、リスクリワード比(RR)が劇的に向上します。
- プライスアクションの注視: 引いたライン付近でレートがどう反応するかを観察し、反転の兆しを待ちます。
「自分のラインまで来なければ、今日のトレードはなし」。この潔さが、トータルでのプラス収支を支えるプロの規律です。
1分足のトレンドライン崩れを狙う実戦的エントリー
環境認識で売りを決め、水平線まで引きつけた後、いよいよ「1分足」でタイミングを図ります。動画内のリアルタイムトレードでは、非常に実践的な手順が公開されました。
- 短期の逆行を確認: 売りを狙う局面で、1分足が一時的に上昇している「トレンドライン」を引きます。
- トレンドラインの崩れ: そのラインを価格が下抜けた瞬間、短期の上昇勢力が力尽きたと判断してエントリーします。
- 出口戦略の徹底: ここが最も重要です。**「1分足で入ったなら、1分足で出る」**のが鉄則。損切りは1分足の直近高値(トレンドラインの起点付近)に置き、利確ターゲットは1分足の安値やトレンドラインの起点に設定します。
このトレードでのリスクリワード比は約1:2。水島氏は、実際にポジションを持つことの学びについてこう語ります。
「少しでもポジション持ちながら、この自分の引いた水平線とかトレンドラインに対してレートがどのように反応してるのかっていうのを、見ていくといいと思います。」
少額でも市場に参加し、自分が引いたラインへの「反応」を肌で感じることで、経験値は爆発的に蓄積されていきます。
難しく考えすぎない「感覚」とツールの活用
相場に「絶対」はありません。水島氏は、理論を重んじつつも「ある程度感覚的にやる」余裕を持つことを推奨しています。分析を複雑にしすぎて「迷い」が生じるくらいなら、視覚的に目線を固定する工夫が必要です。
動画で使用されているツール**「キャッチザウェーブ」**は、波形や水平線を自動描画し、裁量判断を強力にサポートします。
- 活用のコツ: ツールを盲信するのではなく、水島氏が提唱する「ファーストプロジェクト」の理論(相場の本質的なロジック)を理解した上で、迷いを減らす補助として使うのがベストです。
手法を丸暗記して終わるのではなく、ツールや理論を使いこなしながら、最終的には自分自身の「血肉」としてトレードスタイルを昇華させていく姿勢こそが、プロへの道と言えます。
おわりに
勝率を劇的に変える両輪は、「上位足による大局的な環境認識」と「下位足による緻密なタイミング合わせ」です。これらが噛み合ったとき、トレードはギャンブルから「期待値の高いビジネス」へと変わります。
文字だけでは掴みきれない「相場の空気感」やライン付近の微妙な動きは、ぜひ動画で実際のチャートの動きを視覚的に体験してください。まずは今日のチャートで、1分足のトレンドラインを一本引いてみることから始めましょう。その小さな一歩が、あなたのトレードリテラシーを一段上のステージへと押し上げてくれるはずです。
動画本編をチェックして、あなたのトレードに最も響く「気づき」を見つけてみてください。

