FXチャート分析を劇的にシンプルに!MT4標準搭載「ZigZag」を活用したトレード手法2選

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はじめに

多くのトレーダーが、相場の方向性や重要な抵抗帯を把握する「環境認識」の重要性を理解しつつも、その客観的な判断に苦慮しています。ダウ理論に基づいたトレンド分析も、どこを重要な高値・安値と見るかによって結論が変わり、主観が入り込む余地が大きいのが現実です。

この普遍的な課題に対し、MT4に標準搭載されている「ZigZag」インジケーターが、驚くほど強力な解決策となります。この記事では、ZigZagを単なる描画ツールとしてではなく、環境認識の精度を飛躍的に高めるための分析ツールと位置づけ、その具体的なトレード手法を2つ、解説動画の内容を基に詳しくご紹介します。

チャートの「骨格」を可視化するZigZagの本質

ZigZagインジケーターの根本的な価値は、複雑な値動きの中から市場の「骨格」だけを抜き出し、視覚的に分かりやすく表示することにあります。具体的には、テクニカル分析の基礎であるダウ理論の構成要素、つまり「高値」と「安値」を明確に示してくれます。

これは未来を予測したり、売買シグナルを出すタイプのインジケーターではありません。あくまで市場構造を可視化するためのツールであり、トレーダーが自身の主観や思い込みを排除し、相場の構造をほぼ正確に把握することを助けます。

「(ZigZagは)ダウ理論をしっかり見るためのツールで、これを用いることでほぼ精度高くダウ理論を把握できます。そのため、そのまま使うだけでも、かなり精度高く機能するという話です」

ZigZagは、ダウ理論という普遍的な原則をチャート上で客観的に適用するための、強力な補助ツールなのです。

手法1:大きな流れを捉える「マルチタイムフレーム分析」

一つ目は、ZigZagとマルチタイムフレーム分析を組み合わせ、大きなトレンドの転換点を捉える手法です。以下のステップで実行します。

  1. 日足でトレンド転換のサインを探す まず、日足チャートにZigZagを表示し、大きなトレンドが終わりつつある兆候を探します。下降トレンドの場合、ZigZagが示す波(スイング)が徐々に小さくなるのは、トレンドの勢いが衰えている主要な視覚的サインです。価格が安値を更新できなくなったポイントが、米ドル/円の100円といった主要なラウンドナンバーや、過去の強力な支持帯など、他の重要なレベルと重なっている場合、その信頼性はさらに高まります。
  2. レンジ相場とブレイクを確認 トレンドが終了すると、多くの場合、価格はレンジ相場に移行します。ZigZagは、このレンジのサポートライン(安値圏)とレジスタンスライン(高値圏)を明確に定義するのに役立ちます。重要な売買シグナルは、価格がこのレンジを明確に上か下にブレイクした瞬間です。
  3. 4時間足でエントリーポイントを狙う 日足でレンジブレイクが確認され、新しいトレンドの方向性が定まったら、より短い時間足(4時間足や1時間足など)に切り替えて、具体的なエントリーポイントを探ります。
  4. ダウ理論に従って仕掛ける(2つのエントリー方法) 下位足では、ダウ理論に基づいてエントリーします。これには主に2つの方法があります。
    • シンプルに仕掛ける方法: 上昇トレンドが始まったと判断した場合、ZigZagが示す直近の高値をブレイクしたタイミングで買いエントリーします。ストップロスは、トレンド崩壊の起点となる直近の安値に設定するのが論理的です。
    • より精度を高める方法: 4時間足の中で形成される小さなチャートパターン(レンジやフラッグなど)や水平線を見つけ、そのブレイクをエントリーの根拠とします。これにより、より優位性の高い、トレンドが加速しやすいポイントを狙うことができます。

この手法は、売りトレード(ショート)でも全く同じ考え方で適用可能です。

手法2:「未来を予測する」水平線トレード

二つ目は、過去のデータだけを基に未来の重要な価格帯をあらかじめ特定しておく、より機械的なアプローチです。この手法の有効性を検証するため、未来のチャートを見ずに過去のZigZagの点だけにラインを引く、という実験的な形式で見ていきましょう。

  1. 過去のZigZag高値・安値に水平線を引く 日足チャートを開き、過去にZigZagが示した全ての高値と安値のポイントに、機械的に水平線を引いていきます。動画内では「何も考えずに」引くと表現されているように、ここでは複雑な分析や判断は一切不要です。
  2. ライン付近のプライスアクションを監視 このようにして引かれた水平線は、将来、非常に強力なサポートラインやレジスタンスラインとして機能する可能性を秘めています。未来の価格がこれらのラインに近づいてきたら、そこが絶好の監視ポイントとなります。
  3. 短期足でパターンを待つ 価格が事前に引いた重要な水平線に到達したら、時間足を1分足などの超短期足に切り替えます。そして、そのライン付近で発生する特定のチャートパターン(サポレジ転換、ダブルトップ/ボトム、トリプルトップ/ボトムなど)の形成を待ちます。
  4. 優位性の高いポイントでエントリー あらかじめ特定しておいた日足レベルの重要な水平線上で、短期足のチャートパターンが確定すれば、それは非常に優位性の高いトレードセットアップとなります。動画内の検証では、一度ブレイクしたラインが今度は抵抗帯(あるいは支持帯)として機能する「サポレジ転換」のパターンが繰り返し出現し、特に有効であることが示唆されていました。

なぜこのシンプルなツールが機能するのか?

ZigZagは、それ自体が未来を予測する魔法のツールではありません。その真価は、時代を超えて機能し続ける市場の普遍的な原理を可視化してくれる点にあります。

ZigZagが示す高値・安値は、単なる価格の頂点や底ではありません。それらは「チャート上で非常に目立つ高値安値」であり、過去に価格が「強く止められてきた箇所」です。つまり、そこには大口の注文が集中し、市場参加者の記憶に強く刻まれた、歴史的な攻防の跡なのです。だからこそ、何も考えずに引いたように見える水平線が、未来においても意識され、機能するのです。このアプローチは、ランダムなトレード(コイン投げ)よりも統計的に有利な状況で勝負するための、論理的な根拠を与えてくれます。

「コイン投げよりも、ランダムトレードよりも有利なトレードルールができれば良いわけです。このようにZigZagを使って無条件で引いたラインが機能することから、これを使えばコイン投げよりも有利なトレードアイディアが生まれそうだ、というイメージが伝わればと思います」

おわりに

今回ご紹介した2つの手法は、MT4標準のZigZagインジケーターが、トレーダーの「環境認識」をいかに強力にサポートするかを示しています。このツールは、ローソク足の高値・安値やダウ理論といった、テクニカル分析の「本質的な部分」を、主観を排して体系的にチャートへ適用する手助けをしてくれます。

トレンドの転換を捉えるマルチタイムフレーム分析、そして未来の反発点を予測する水平線トレード。どちらも、あなたのトレード戦略をより明確で根拠のあるものに変えるポテンシャルを秘めています。

ぜひ動画本編で、実際のチャートの動きを確認してみてください。