はじめに
今週、為替市場は歴史的な局面を迎えました。ドル円がついに153円台に突入し、市場の注目を一身に集めています。この動きを牽引したのは、紛れもなく強力な「ドル高」トレンドです。今回の動画分析では、このドル高を加速させた2つの主要な力について詳細に解説し、来週のトレード戦略に向けた明確な見通しを提供します。
予想を上回った米国CPI:152円の壁を破った「第一の力」
今週のドル高を後押しした第一の力は、水曜日に発表された米国の消費者物価指数(CPI)でした。市場予想を上回る強い結果が示されたことで、ドル買いが加速しました。
この動きは、長らくドル円の上値を抑えてきた151円90銭付近の強力なレジスタンスラインを突破する決定的なきっかけとなりました。これは単なるテクニカルなブレイクアウトに留まらず、相場の地合いを大きく変えるファンダメンタルズな要因となり、ドル円を153円台という新たな領域へと押し上げる原動力となったのです。このCPIによるドル高の勢いは、週末にかけて地政学的な懸念という第二の、そしてより強力な燃料を得ることになります。
地政学リスクの高まり:「有事のドル買い」という第二の力
CPIの結果を受けて始まったドル高の流れは、週末にかけてさらに勢いを増しました。その背景にあったのが、第二の力である地政学リスクの高まりです。
金曜日、中東情勢の緊迫化を背景に、金融市場は世界的な「リスクオフ」ムードに包まれました。このような不確実性の高い局面では、投資家は安全資産とされる米ドルに資金を避難させる傾向があります。これが「有事のドル買い」と呼ばれる現象であり、今週はまさに「猛烈なドル高」が発生する形となりました。
このリスクオフのセンチメントは株式市場にも波及し、ニューヨークダウが前回安値を大きく割り込んでいます。トレンドの転換ラインを割れたことで、ここからレンジ相場に入るのか、あるいは一直線に下降トレンドを形成するのか、来週は重要な分岐点を迎えることになりそうです。
歴史的高値圏のドル円:トレーダーが直面する「好機」と「リスク」
明確な上昇トレンドはトレーダーに絶好の買い場を提供しているように見えますが、その裏には看過できない大きなリスクが潜んでいます。現在のドル円相場は、基本的には「買い目線」でトレード戦略を考えるのが妥当な局面です。
しかし、現在の価格水準は、過去に日銀による為替介入が実施された経緯のあるレベルです。そのため、いつ介入が入ってもおかしくないという警戒感が常に付きまといます。日銀関係者からの牽制発言などには、細心の注意を払う必要があります。
長期的な視点では、動画内で指摘されているように、1990年につけた160円付近が次のターゲットとして意識される可能性も視野に入れておくべきでしょう。
ドル独歩高の影響:ユーロドル、ポンドドルに生まれたトレードチャンス
ドルが一方的に買われる展開は、他の主要通貨ペアにも大きな影響を与え、新たなトレード機会を生み出しています。特にユーロとポンドは対ドルで大きく値を下げ、ユーロドル、ポンドドルともに日足チャートの重要なサポートラインを割り込みました。
動画の分析によれば、これらの通貨ペアは下落トレンドが鮮明になっており、「売りトレードの環境」が整ったと見なせます。具体的には、価格が一時的に上昇した局面を狙う「戻り売り」が有効な短期戦略となるでしょう。
ボラティリティの高い相場に入っていますので、様子見ムードからモードを切り替え、積極的にトレードを狙ってみたいですね。
おわりに
今週の市場は、強力なドル高によって新たなフェーズに入りました。米CPIをきっかけとしたファンダメンタルズ主導の上昇と、地政学リスクによるリスクオフのドル買いが重なり、高いボラティリティ(変動率)を伴う相場が到来しています。
来週の戦略としては、ドル円では為替介入への警戒を怠らずに買い場を探り、一方でユーロドルやポンドドルでは短期的な戻り売りを検討するという、通貨ペアごとの特性に合わせたアプローチが有効です。来週は重要な経済指標として、月曜日に発表される米国小売売上高が最も目立つイベントとなります。この結果がさらなるドル高の材料となるか、市場の注目が集まるでしょう。
チャートや具体的なエントリーポイントに関するより深い解説は、ぜひ動画本編でご確認ください。

