なぜ相場は乱高下したのか? 総裁選と米中関税、プロが読み解く1週間の値動きと来週の展望

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はじめに

今週の金融市場は、週前半と後半で全く異なる顔を見せる、まさに乱高下の展開となりました。国内では新総裁決定という政治的な材料が、そして海外からは米中間の関税問題という地政学リスクが浮上し、市場心理を大きく揺さぶりました。一体何が起き、市場はどのように反応したのか。そして、このボラティリティの高い状況は来週以降どうなるのか。この記事では、プロの視点から今週の値動きを鋭く分析した動画の要点をまとめ、複雑な市場を読み解くヒントをご紹介します。

今週の相場を動かした「2つの大きな流れ」

今週の相場は、2つの対照的なテーマによって支配されました。

  1. 週前半の「強い円安」 週明けから木曜にかけて市場の主役となったのは、日本の自民党新総裁決定でした。新政権による積極的な財政政策への期待感が一気に高まり、これを背景に円売り圧力が強進。ドル円をはじめとするクロス円は力強く上昇する展開となりました。
  2. 金曜日の「リスクオフ」 しかし金曜日、米国と中国間の関税引き上げに関する報道が伝わると、市場のムードは一変。世界経済の先行きに対する強い懸念から、投資家は一斉にリスク資産を手放す「リスクオフ」の動きを加速させ、株式市場を中心に相場は全面安の様相を呈しました。

国内要因で醸成された楽観ムードが、週末の国際ニュースによって完全に覆されるという、非常にボラティリティの高い一週間でした。

ドル円は153円へ、そして急反落。来週の重要ラインとは?

今週、最も劇的な値動きを見せたドル円の動向を振り返ります。

週前半の円安基調に乗り、月曜日から木曜日にかけて上昇モメンタムを維持。一時153円に到達するほどの勢いを見せつけました。この上昇過程では、これまで強力な抵抗線(レジスタンスライン)として意識されていた日足レベルの150円90銭を大陽線で明確に上方ブレイクし、買い方が完全に主導権を握ったかに見えました。

ところが、金曜日のリスクオフムードで状況は一転。ドル円も利益確定売りに押されて急反落し、週前半の上昇分を大きく削り取る形で週の取引を終えました。

動画の分析では、この**150円90銭のラインこそが「来週最大のポイント」**であると指摘されています。テクニカル分析の基本原則である「レジサポ転換」(一度破られた抵抗線が、今度は支持線として機能すること)が起こるかどうかが試される局面であり、このラインで価格が支えられ反発できれば、絶好の押し目買いの好機となり得ます。今後のドル円の方向性を占う上で、極めて重要な攻防の舞台となるでしょう。

動画内では、この重要ラインのブレイクを確認した後の水曜日に実際に行われた買いトレードの事例も紹介されており、実践的な分析の視点を提供しています。

株、金、ビットコイン…市場全体に広がった影響

金曜日のリスクオフムードは為替市場に留まらず、あらゆる市場に波及。各資産が教科書的な反応を見せました。

  • 株式市場: 日経平均は、週前半に積極財政への期待から一時4万800円台まで高値を更新。しかし、国内の好材料を吹き飛ばす関税報道を受け、金曜日にはわずか1日で3000円台近くも急落しました。同様にニューヨークダウも金曜日に大きな調整が入りましたが、こちらは4万5000ドルのラウンドナンバー付近が重要な支持線として意識されており、この水準を維持できるかどうかが上昇トレンド継続の鍵となります。
  • ゴールド(金): リスク回避の動きが強まる中で、「安全資産」としてのゴールドへの資金逃避が鮮明になりました。史上最高値の更新を続け、市場の不安心理を映し出す鏡となりました。
  • ビットコイン: リスク資産の代表格である暗号資産も売り圧力に晒されました。木曜日から金曜日にかけて大きく下落し、重要なトレンド転換ラインを割り込んだことで、本格的な下降トレンド入りの可能性が指摘されています。

このように、リスク資産である株式やビットコインが売られ、安全資産である金が買われるという典型的な「質への逃避」が観測されたことも、今週の相場の大きな特徴でした。

来週の注意点:嵐の前の静けさ?

では、来週の相場はどうなるのでしょうか。動画では、来週の見通しと注意点についても解説されています。

来週は、本来この時期に発表される米国の最重要経済指標である消費者物価指数(CPI)が、政府機関の一部閉鎖の影響で延期となりました。このため、スケジュール上は大きなイベントがない、一見すると静かな一週間となる可能性があります。

しかし、こうした環境下では、要人発言や突発的なニュースヘッドライン一つで相場が大きく振れやすい地合いとなります。市場の材料が乏しいからこそ、ニュースのチェックはいつも以上に慎重に行う必要があるでしょう。

動画では、来週のトレード戦略について以下のように結論づけられています。

来週のトレードの狙いとしましては、まずはドル円に注目したいと思います。150円90の重要ライン付近での押し目買いはよく出てくるパターンとなりますので、そうしたラインに支えられての上昇が出てくるかに注目したいと思います。

来週は、まさにこのドル円の重要ラインでのプライスアクションが最大の焦点となりそうです。

おわりに

今週の相場は、国内の「総裁選」という政治要因と、世界の「米中関税」という経済要因という2つの大きなドライバーによって激しく揺さぶられました。週の前半と後半で全く異なる表情を見せた市場に、多くの投資家が翻弄されたことでしょう。

今回ご紹介した動画本編では、こうした複雑な市場環境をプロがどのように分析し、どの価格水準を重視しているのかが、より具体的に解説されています。なぜ相場が動いたのか、そして来週以降、どのようなシナリオを想定し、戦略を立てるべきか。そのヒントを得るために、ぜひ一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。