勝ち続けるトレーダーの秘訣は「複雑さ」ではなく「驚くほどのシンプルさ」にあった

水島 翔/FXトレーダー

はじめに

FXトレーディングと聞くと、多くの人が複雑なチャートパターンや難解なテクニカル指標をいくつもマスターしなければならない、というイメージを抱くかもしれません。しかし、本当に勝ち続けるために必要なのは、知識の「量」なのでしょうか。

今回ご紹介する水島 翔氏の動画は、その常識に一石を投じます。彼が解説するのは、意図的に「シンプル」さを追求したトレーディングアプローチです。6年以上にわたって自身が実践し、成果を出し続けてきたというその手法は、複雑さを削ぎ落とし、相場の本質的な原則に焦点を当てています。

もしかすると、トレードにおける真の強さとは、新たな指標を「足す」ことではなく、不要なものを「引く」ことにあるのかもしれません。この記事では、その驚くほどシンプルな手法の核心に迫ります。

「手法はダウ理論と水平線だけ」―感情を制するシンプルさの力

水島氏のトレーディング哲学の核心は、徹底した「シンプルさ」にあります。彼のテクニカル分析は、驚くことに「ダウ理論」と「水平線」という、たった2つの要素だけで成り立っています。

僕のトレードはこのテクニカル分析をメインとしてます。で、その中でもダウ理論と水平線だけを使っためちゃくちゃシンプルな手法です。

しかし、このシンプルさは単なる手抜きではありません。これは、プロスペクト理論などにも関連する、トレーディングにおける感情の落とし穴を管理するための意図的な戦略なのです。ルールが単純明快であればあるほど、感情が高ぶった場面でも、トレーダーは迷わず一貫した行動を取ることができる、というのが彼の主張の根幹にあります。ここにあるのは、感情の介入を極限まで排除し、規律ある執行を可能にするための「意図的なルールの最小化」という、洗練された思想です。

長期足から短期足へ―相場を立体的に捉える「環境認識」

では、このシンプルな手法は具体的にどのように運用されるのでしょうか。その鍵は、相場が持つ「フラクタル構造」の理解と、それを活用したマルチタイムフレーム分析にあります。

水島氏は、相場のトレンドや転換といったパターンは、週足から5分足まで、どの時間軸にも同じように現れるという「フラクタル構造」を前提としています。この視点に基づき、彼はまず週足や日足といった長期足で相場全体の大きなトレンド方向(環境認識)を把握します。そして、その大きな流れをコンテクストとして、4時間足、1時間足、5分足へと徐々に時間軸を下げ、より精度の高いエントリーポイントを探り出すのです。

彼が指摘する重要な原則は、トレンドの転換は必ず短期足から先に現れるという点です。

「基本トレンドっていうのは、下位足(かいあし)から順番に転換していく」

このアプローチにより、「シンプル」な道具立てでありながら、相場を平面的ではなく立体的な構造物として捉える、深く構造化された分析が可能になるのです。

「シナリオ通りに動かない時もある」―プロが語る損小利大の重要性

水島氏の戦略を支えるもう一つの柱は、現実的でプラグマティックな思考法です。彼は動画の中で、「自分のシナリオ通りに動かない時もある」「全く反対方向に動く時もある」と率直に認めます。この誠実さが、彼の言葉にプロとしての説得力をもたらします。

この不確実性を前提とするからこそ、完璧な勝率を目指すのではなく、「損小利大」(損失は小さく、利益は大きく)の原則が最も重要になると彼は強調します。この考え方は、具体的な「リスクリワードレシオ」の管理へと落とし込まれます。つまり、潜在的な利益が潜在的な損失を大きく上回る局面でのみ、トレードを実行するのです。

この規律の徹底ぶりは、彼が動画で解説している相場状況について「僕だったら(この状況では)トレードしません」と明言している点に象徴されています。その判断は曖昧な感覚によるものではなく、「水平線を引いても機能していない」という、自身のシンプルなルールセットに基づいた客観的な観察から導き出されています。

大事なのはいつも言ってる損小利大の考えで、結局、勝つ時大きく、負ける時小さくっていうのをもう徹底的に意識して。

彼の哲学は、相場を毎回正確に予測することではなく、トータルで利益が損失を上回るよう、確率論的に優位なリスク管理を徹底することこそがプロの本質であると教えてくれます。

おわりに

水島氏の動画が示すのは、FXトレーディングにおける成功への道筋が、必ずしも複雑さの追求にあるわけではない、という力強いメッセージです。彼の哲学の核心は、以下の3つの洞察に集約されます。

  • 感情的な判断を排除するための、意図的な「ルールの最小化」
  • 相場の「フラクタル構造」を理解し、長期足から短期足へと落とし込む分析
  • 勝率ではなく「リスクリワード」を最優先する、プロフェッショナルな規律

これらの要点は、「より多くの情報を知っている者が勝つ」という一般的な思い込みに疑問を投げかけます。もしかしたら、あなた自身のトレードを見直すヒントが、この研ぎ澄まされたシンプルさの中にあるかもしれません。

ぜひ動画本編で実際のチャート分析をご覧になり、どの洞察がご自身にとって最も響くかを発見してみてください。