15年前の自分を乗せて。一台のエスティマが教えてくれた「原点」の大切さ

水島 翔/FXトレーダー

はじめに

あなたの手元に、過去の自分をそっくりそのまま閉じ込めた「タイムカプセル」のようなモノはありますか?

今回ご紹介するのは、人気FXトレーダーである水島翔氏と、15年前にサラリーマンだった彼が購入した一台のトヨタ・エスティマを巡る物語です。これは単なる古い車の話ではありません。自分がどこから来たのか、どんな葛藤が野心を育てたのか、そして「原点」を忘れないことの重要性を、静かに、しかし深く語りかけてきます。なぜこの飾らない映像が、これほどまでに人の心を動かすのか。その理由を探ってみましょう。

カサカサのボディに宿る、かつての野心

15年の時を経て水島氏の元へ戻ってきたエスティマ。走行距離は17万kmを超え、ボディは色褪せ、傷やへこみが刻まれています。彼が今所有する数々の高級車とはあまりに対照的なその姿。

実はこの車、一度彼の手を離れ、父親が乗っていました。そして最近、父親の誕生日プレゼントに新しいハリアーを贈ったタイミングで、ちょうどエスティマの車検が切れようとしていたのです。運命的な再会でした。当初は下取りに出す予定でしたが、再びハンドルを握ったことで、その考えは変わりました。

この車は、彼が「初心を取り戻す」ための特別な装置なのです。当時、上司たちが乗る姿に憧れ、「背伸びして」手に入れた一台。それは、彼の過去の野心の物理的な象徴でした。成功を手にした今だからこそ、この車に乗ることで、苦しかった時代の感情と、そこから抜け出したいと願った強いエネルギーを鮮明に思い出すことができると言います。

今となったらいい思い出だけど当時で言うとさそうやって我慢してさ生活してたわけじゃん…その生活から抜け出したいと思ってさ頑張ってきてたわけだからその時の感情とか思い出せるわけよ

100円のパンとぬるいカップ麺の日々

エスティマの運転席は、彼をサラリーマン時代の鮮烈な記憶へと引き戻します。そこには「我慢」と、徹底したコストパフォーマンス思考に支配された毎日がありました。

例えば、朝コンビニで買う100円の菓子パン。彼は味で選ぶのではなく、「同じ金額で、いかに多くのカロリーを摂取できるか」という基準だけでパンを手に取っていました。

昼食はさらに過酷です。朝5時半に家を出て、水筒に詰めたお湯で食べるカップラーメン。しかし、実際にそれを口にできるのは午後2時か3時。7〜8時間も経てば、熱湯はすっかりぬるま湯に変わっています。彼は、ノンフライ麺ではふやけないことを経験から学び、ぬるいお湯でもしっかり麺が戻る特定の銘柄を選び抜いて、来る日も来る日も同じものを食べ続けていました。それは単なる節約ではなく、限られた条件下で最善を尽くすという、生き抜くための戦略でした。

この計算された忍耐の日々が、彼の現在の成功の礎にある分析的な思考を垣間見せ、その道のりに一層の深みを与えています。

手を動かすことで蘇る、自分だけの価値

動画の後半、水島氏は自らの手で、この古いエスティマを丁寧に洗い、磨き始めます。ルイ・ヴィトンのブーツを履きながら、15年前の車と向き合うその姿は、まさに彼の人生の縮図です。この行為は、単なる車のメンテナンスではありません。お金がなくて、何でも自分でやるしかなかった若い頃の自分との対話です。

「お金かけれないからコーティングとか自分でやってたもん」

そう語る彼は、錆びついて固着したナンバープレートのネジを前に、インパクトドライバーを手に取ります。ただ力任せに回すのではなく、的確な道具と知識で固い問題を解決する。それは、かつて必要に迫られて身につけたスキルが、今、過去の自分を労うために使われる瞬間でした。

色褪せた塗装に輝きを取り戻していく作業は、過去の自分の努力を認め、誇りに思う行為そのもの。下取り価格わずか15万円だったこのエスティマは、彼の手によって、お金では計れない「自分だけの価値」を持つ宝物へと生まれ変わっていきます。その思いは、作業を終えた彼の一言に集約されていました。

今まで持ってた車で1番労力かけたかもね

おわりに

このエスティマは、単なる移動手段ではありません。成功の只中にいる自分を、原点へと引き戻してくれる強力なアンカーです。彼自身が語るように、この車があるからこそ、高級車の真の良さを再認識できるのです。「これ乗ってLXとか乗るとさ、改めて良さに気づけるじゃん」。まさに「足るを知る」という感覚を、彼はこの車から学び続けています。

この動画が教えてくれるのは、苦労した過去を振り返ることは、決してネガティブな行為ではないということです。むしろ、自分が何を求め、どんな情熱を燃やして走り続けてきたのかを再認識するための、かけがえのない時間なのだと気づかせてくれます。

ぜひ、動画本編で彼の物語に触れてみてください。あなたの心に響く言葉が、きっと見つかるはずです。