はじめに
FXトレーダーであれば、一部の通貨ペアはきれいにトレンドを描いて動くのに、他の通貨ペアは方向感がなく、トレードしにくい「チョッピーな相場」に悩まされた経験があるのではないでしょうか。どの通貨ペアに注目し、どの通貨ペアを避けるべきか。その判断がトレードの成果を大きく左右します。
2021年11月15日の週の相場は、まさにそのような状況が顕著でした。今回ご紹介する動画では、この複雑に見える相場の中から「ドル高トレンド」という一本の明確な軸を見つけ出し、具体的なトレード戦略を解説しています。
この記事では、動画で語られている市場分析の核心部分を抽出し、なぜドルが市場の主役になったのか、そしてその流れをどのようにトレードに活かすことができるのかを分かりやすく解説します。
すべての始まり:一つの経済指標が相場を動かした
今週の力強いドル高トレンドのきっかけは、水曜日に発表された一つの経済指標でした。それは「米国消費者物価指数(CPI)」です。
この指標が市場の予想を上回る強い結果となったことで、米国のインフレと利上げへの思惑が強まり、これを引き金として大規模なドル買いが発生しました。この動きは特にユーロドル(EUR/USD)などで顕著に現れ、ドルが他の主要通貨に対して一方的に強くなるという、明確なトレンドを生み出す原因となったのです。この分析は、経済指標というファンダメンタルズが、いかにチャートの動きに直結するかを明確に示しています。
なぜ一部の通貨ペアは動き、他は動かないのか?
では、なぜドル関連の通貨ペアは強く動いた一方で、クロス円などは方向感のない動きになったのでしょうか。動画では、その理由を「市場のテーマ」という観点から鋭く指摘しています。
CPIの発表後、市場参加者の注目は完全に米ドルに集中しました。その結果、ドルが絡む通貨ペア(ドルストレート)はトレンドが明確に出やすくなったのです。一方で、ユーロ円(EUR/JPY)やポンド円(GBP/JPY)といったクロス円は、市場の主要なテーマから外れてしまったため、参加者が少なく、方向感のないチョッピーな値動きが続きました。チャート上では、かなり小さいローソク足や上下にヒゲの多い足が続いていることからも、相場の迷いが読み取れます。
通貨のテーマとしてはドルに注目が集まっておりクロス円に関しては注目度が低い
この洞察はトレーダーにとって非常に価値があります。なぜなら、今はどの通貨ペアに集中し、どの通貨ペアは取引を避けるべきかを明確に判断する基準を与えてくれるからです。ノイズの多い通貨ペアで消耗するのではなく、最も分かりやすいトレンドが発生している場所に資金を投じることが、賢明な戦略と言えるでしょう。
トレード戦略①:最も分かりやすい通貨ペア「ユーロドル」
動画では、来週の最も有力なトレード戦略として、ユーロドル(EUR/USD)のショート(売り)を挙げています。
そのロジックは非常にシンプルです。最も強い通貨(ドル)と、弱い通貨(ユーロ)を組み合わせることで、最も明確なトレンドを捉えようという考え方です。動画では、具体的なエントリー戦術として、以下の2つのパターンを待つことを推奨しています。
- 短期的な水平線やチャートパターンを下方向にブレイクするタイミングを狙う。
- もし価格が一時的に上昇(反発)する場面があれば、先日ブレイクされた過去にも価格を支えた重要な日足のサポートライン付近での「戻り売り」を狙う。
トレード戦略②:重要な局面を迎える「ドル円」
次に注目すべき通貨ペアとして、ドル円(USD/JPY)が挙げられています。
ドル円はドル高の流れを受けて上昇し、現在、月足チャートでも意識される非常に重要な長期レジスタンスラインである「114.40円」を試している局面です。しかし、この水準では強い売り圧力も観測されており、日足チャートでは十字線のような形で上値が抑えられています。これは売り方と買い方が拮抗している証拠であり、安易なエントリーは危険が伴います。
そのため、動画で提案されている戦略は「この114.40円のラインを明確に上方向へブレイクするのを待つ」というものです。ブレイクが確認できてから、ロング(買い)で追随することを検討します。このアプローチは、重要なテクニカルレベルを尊重し、焦らずに確実なシグナルを待つという、規律あるトレードの重要性を示唆しています。
おわりに
今回の相場分析動画の最大の価値は、複雑な市場の中から「ドル高」という支配的なテーマを特定し、ノイズを排除したクリアな視点を提供している点にあります。そして、その分析を基に「ユーロドルのショート」と「ドル円のブレイクアウト待ち」という、具体的で実行可能なトレードプランを提示しています。
今、どの通貨ペアに集中すべきか、そしてどのようなタイミングを待つべきか。この動画は、その答えを明確に示してくれるでしょう。
動画本編で、チャートを使ったさらに詳しい解説をご覧ください。

