はじめに
終電のテールランプが闇に消えていくのを見送る、あの沈んだ気持ち。誰もが一度は経験したことのある、ありふれた不運かもしれません。しかし、その夜がもし、160万円を超えるショッピングの幕開けになったとしたら…?
今回ご紹介するのは、FXトレーダー水島翔さんのYouTube動画。ハワイで「ほぼピザ」というほどの節約旅行から帰国した直後、終電を逃したことをきっかけに大阪でまさかの豪遊をする様子が収められています。
しかし、この動画は単なる「お金持ちの爆買い」Vlogではありません。そこには、私たちがお金や幸福について考えるヒントとなる、ユニークで深く、そして不思議と共感を呼ぶ「買う哲学」が隠されていました。
衝動買いのスケールと意外な背景
動画の冒頭、水島さんはハワイ旅行ではかなり切り詰めたと語ります。不動産も見送り、食事は「ほぼピザ」だったという徹底ぶり。しかし、関空から自宅へ帰る終電を逃し、急遽大阪に一泊することになります。
そして翌日、ルイ・ヴィトンとエルメスを訪れ、衝動買い。その合計金額は「160万ちょいぐらい」(ヴィトンで約92万円、エルメスで約71万円)。この話が面白いのは、彼が買い物に向かった際の心境です。「ハワイで物欲がなくなったから、かなり厳選して買うだろう」と、自分でも冷静な買い物を予想していたというのです。その予想を裏切る結果となったからこそ、この出来事の「衝動買い」としてのインパクトは一層際立っています。
「買う瞬間が一番楽しい」という共感の哲学
この動画の核心は、水島さんが語る買い物に対する哲学にあります。彼は、買い物の最も楽しい瞬間は商品を所有することではなく、買うと決めるその瞬間にある、と言い切ります。
買う瞬間が 1 番楽しいんだよ みんなそうじゃない?
この言葉に、思わず頷いてしまう人も多いのではないでしょうか。高価なブランド品でなくとも、何かを手に入れる瞬間の高揚感は格別です。さらに彼は、商品の開封すら「開けるの面倒」だと正直に語り、動画撮影を口実にようやく箱を開けるという人間味あふれる一面も見せます。この飾らない姿が、彼の哲学に不思議な説得力と共感を与えているのです。
この「所有」より「瞬間」を重視する考え方は、さらに深い問いへと繋がっていきます。もし手に入れること自体が目的でないなら、一体何が彼をこれほどの大胆な買い物へと駆り立てるのでしょうか?その答えは、彼が思い描く「理想の自分」の姿にありました。
買い物が映し出す「理想の自分」であり続ける理由
彼にとって、この行為は単なる物欲の発散ではなく、自らが築き上げたライフスタイルとアイデンティティを再確認するための儀式なのです。動画の中で彼は、理想の買い物スタイルを具体的に語ります。
「フラッと入ってさ、気にせず『じゃああの家を送っといてください』っつってさ、もうカードで決済して」。
この何気ない所作、つまり価格を気にせず、スマートに購入を完了させるという一連の「体験」。彼が稼ぐ理由は、まさにこの体験ができる自分で在り続けるためなのです。「普通にサラリーマンしてたらできない」と語るように、これは浪費ではなく、モチベーションを維持し、「理想の自分」であり続けるための自己投資と言えるのかもしれません。
モノへの審美眼と語られるディテール
しかし、彼の買い物が単なるパフォーマンスでないことは、商品に向けるその眼差しが証明しています。ここが、この動画を単なる散財記録と一線を画す、最も興味深いポイントかもしれません。彼のコメントからは、ブランド名を超えて、モノづくりの本質を見抜く確かな審美眼がうかがえます。
ルイ・ヴィトンのバッグについては、その革の色合いを「ちょっと使ったような色してる」と表現し、ピカピカではない「ヴィンテージっぽい」風合いの金具を評価。さらに、そのバッグが欲しくて「わざわざそのバッグを買うために10分歩いた」と語るほど、デザインに惚れ込んでいたことを明かします。
またエルメスでは、美しいラッピングはもちろんのこと、食器の表面にある「仕事が細かい」「デコボコしてる」といった職人技を感じさせる繊細な質感のディテールを的確に捉え、称賛しています。これらの観察眼は、彼の買い物が考え抜かれた選択であり、品質とデザインへの純粋なリスペクトに基づいていることを示しています。
おわりに
水島翔さんの動画は、豪華な購入品紹介という枠を超え、お金との向き合い方、モチベーションの源泉、そして消費の意味について深く考えさせられる、示唆に富んだコンテンツでした。
お金を使う瞬間の喜び、理想の自分を維持するための投資、そしてモノの価値を見抜く審美眼。そこには、私たちの日常にも通じる、豊かに生きるためのヒントが詰まっているように感じられます。
ぜひ動画本編を観て、あなた自身が何を感じるか確かめてみてください。

