FXトレードと聞くと、多くの人が「一攫千金」や「大きな利益」を夢見るかもしれません。しかし、プロの世界では、派手に「勝つ」ことよりも、地道に「負けない」こと、つまり資金を守りながら着実に機会を待つことが重視されます。
このプロフェッショナルの思考をリアルに垣間見ることができる貴重なコンテンツが、YouTubeで公開されている動画「秒速スキャル・リアルトレード7「負けないためのエントリー、決済判断」」です。この動画が教えてくれる最大の教訓は、大きな利益を上げる魔法のテクニックではありません。それは、トレードで生き残るために最も重要なスキル、「負けない」ための技術です。
根拠の重ね着。プロが仕掛ける盤石のトレード戦略
動画のトレーダーは、決して感覚や運に頼ってエントリーしません。そのアプローチは、複数の時間足チャートを分析し、まるで服を重ね着するようにトレードの根拠を一つひとつ積み上げていく、極めて論理的なプロセスです。
- 日足 (Daily Chart): まず最初に、市場全体の大きな流れを確認します。動画ではドル円の明確な上昇トレンドを把握し、トレードの方向性を「買い」に絞り込みました。すべての判断はこのマクロな視点と一致しています。
- 1時間足 (1-Hour Chart): 次に時間軸を狭め、具体的なエントリーゾーンを探します。ここでは、過去に抵抗線だったラインが支持線に変わった「サポレジ転換」のポイントを特定。この優位性の高いエリアでの「押し目買い」をトレードの主戦場と定めました。
- 1分足 (1-Minute Chart): 最後に、エントリーのタイミングを精密に計るため1分足を確認します。ここでトレーダーは、価格が下落している中でRSIが上昇に転じる「RSIの切り上がり」という明確なサインを待ちます。この最終確認によって、含み損を最小限に抑えたエントリーが可能になります。
さらに、このトレードには損切り約10pips、利益確定目標約10pipsという明確な損益比1対1の計画が設定されていました。このような理路整然としたアプローチこそが、トレードを単なるギャンブルから計算された技術へと昇華させるのです。
エントリーの神髄は「待つ」ことにある
優れた戦略を持つことと、それを完璧に実行することは別のスキルです。動画の中で最も印象的なのは、トレーダーの「待つ」という規律の深さです。
分析の途中で一度、買いサインらしきものが出現しますが、トレーダーはそれを冷静に見送ります。なぜなら、「まだRSIの方が切り下がっている」ため、彼が定めたエントリー条件を満たしていなかったからです。彼はただ待つだけでなく、最終確認の直前に現れる「予備サイン」でエントリーするという、より高度なタイミングを見計らっていました。
この一瞬の焦りを抑える忍耐、そして明確な根拠が出現するまで待ち続ける姿勢こそが、不利なトレードを避け、無駄な損失を抱えないための鍵となります。
動画内で語られる以下の言葉は、確実な根拠を待つことの重要性を端的に示しています。
rsi の 切り 上がり を 確認 し て 入っ て いく と いう ところ が 大事 です ね
利益よりも「負けない」判断。現実的な決済に見るプロの思考
このトレードの結末は、動画の最も示唆に富む部分かもしれません。結果として、このトレードは計画していた10pipsの利益には届かず、わずか+3 pipsで決済されました。トレーダー自身もこれを「同値撤退」と表現しています。
重要なのは、なぜこの判断が下されたかです。決済の理由は、損切りラインに達したからでも、恐怖を感じたからでもありません。エントリー後、期待したほどの勢いが見られず、上値が「重く」なったことを察知。さらに、自身のスキャルピングでは通常10〜20分で決着がつくところ、保有時間が1〜2時間と長引いていました。
これは、トレードが計画通りに進んでいないという客観的な事実に基づき、自ら手仕舞うというプロフェッショナルなリスク管理そのものです。時間もまたリスクであり、見込みの薄いトレードに資金と集中力を拘束される機会損失を避ける。この判断こそが「負けない」技術の核心です。
トレーダーの冷静で前向きな思考は、以下の言葉によく表れています。
新しい シナリオ 立て て トレード すれ ば 良い の で 今回 は です ね 同値 撤退 で の 形 で + 3 pips くらい で 決済 と いう こと に なり まし た
おわりに
このトレード動画が伝える真の価値は、そのリアリズムにあります。成功するトレーディングとは、盤石な分析プロセス、サインを待つ忍耐、そして何よりも利益を追いかけることより「負けない」ことを優先する賢明な判断によって成り立っているのです。
計画通りに進まないトレードから潔く撤退し、資金と機会を次に温存する。それは、プロが実践する「資金保全」と「時間という機会費用」の管理に他なりません。あなたのトレード哲学は、「勝つ」ことと「負けない」こと、どちらに重きを置いていますか?
動画本編で、プロの思考プロセスをぜひ追体験してみてください。

