はじめに
数日間の方向感に乏しい値動きを経て、先週後半、為替市場はついにその意志を明確に示しました。主役は、米ドルです。週末にかけて鮮明になった「ドル高」というテーマは、週明けの相場を占う上で最大の鍵となります。
この新しい流れをどう読み解き、自身の戦略に落とし込むべきか。その答えを探るため、YouTubeチャンネル「FXゴールドナビ」が週末に配信した相場分析動画は、まさに必見の戦略ブリーフィングと言えるでしょう。この記事では、動画の要点を凝縮し、今週のトレードで注目すべきポイントを解説します。
木曜・金曜に起きた「ドル高」という大変化
先週の市場における最大のゲームチェンジャーは、木曜と金曜日に発生した力強いドル高トレンドです。動画の分析によれば、この動きの直接的な引き金は、市場予想を上回る結果となった米国の小売売上高でした。
この強い経済指標を受けてドルが全面高となり、ユーロドル(EUR/USD)やポンドドル(GBP/USD)などの主要通貨ペアは大きく下落。週明けの市場は、この「ドル高」という新しい現実を前提に動くことになります。
最も注目すべきは「綺麗な下降トレンド」のユーロドル
ノイズの多い市場環境のなかで、これほど明確なシグナルは滅多にありません。動画の分析担当者カトー氏が、今週のセットアップとして最も明瞭だと指摘するのが、ユーロドルの4時間足に見られる「綺麗な下降トレンド」です。
特に注目すべきは、金曜日の値動きです。それまで価格を下支えしていたサポートラインが、今度は上値を押さえるレジスタンスラインとして機能する「サポレジ転換」が確定。さらに、下落の勢いを示す大きな「大陰線」が出現しました。この教科書的なテクニカルパターンから、カトー氏は明確な結論を導き出しています。
来週の頭は短期的に下降トレンドを利用した売りのトレードのチャンスが発生する可能性がある
このように、ユーロドルは短期的な売り(ショート)の絶好機を迎えている可能性があり、この分析は週明けの戦略を練る上で極めて重要なアンカーとなります。
ブレイク待ちの通貨ペアたち
ユーロドルが最も分かりやすい短期トレードの機会を提供している一方で、カトー氏の分析は、まるでバネが圧縮されたように、次の大きな動きを待つ他の通貨ペアにも光を当てています。
- ドル円 (USD/JPY): 長期的なレンジ相場が継続中。トレーダーが待っているのは、このレンジの上限か下限を明確にブレイクするシグナルです。
- ポンドドル (GBP/USD): 金曜日の下げは、チャート上の「変則的な三尊天井」のネックラインを割り込んだかのように加速しました。直近2点の安値を結んだサポートラインも視野に入っており、ここを明確に下抜ければ、下落が一段と加速する可能性があります。
- ポンド円 (GBP/JPY): 上値を押さえるトレンドラインと、下値を支える水平線(4時間足で150.90円付近)に挟まれた状態。今後の方向性は、このどちらをブレイクするかで決まります。
なお、豪ドルも弱さを見せていますが、先週木曜・金曜の下落幅はユーロやポンドの方が大きかったため、カトー氏は短期的なショートの機会を探る上で、この2通貨に集中することが賢明だと指摘しています。
今週の最重要イベント:FOMCが相場を動かす
今週のテクニカルなセットアップが本物かどうかは、すべて経済イベント、特に金融政策の発表にかかっています。動画が警告するように、以下の2大イベントが控えています。
- 米国FOMC(連邦公開市場委員会): 水曜日(日本時間 木曜早朝)
- 英国BOE(イングランド銀行)政策金利発表: 木曜日
最大の注目はFOMCです。インフレ動向や将来の金利政策に関する当局者の発言は、ドル相場の次なる方向性を決定づけるでしょう。週末に形成されたドル高トレンドが、このFOMCによって追認され加速するのか。あるいは、全く新しいシナリオへと転換するのか。世界中の投資家が固唾をのんで見守っています。
おわりに
先週後半、為替市場は明確な「ドル高」という新フェーズに入りました。特にユーロドルは、テクニカル分析上、非常に分かりやすい売りの好機を示唆しています。
しかし、週半ばに控えるFOMCは、その流れを一瞬で覆す力を持つワイルドカードです。この不確実性の高い一週間を乗り切るためには、複数のシナリオを準備し、重要な価格水準を把握しておくことが不可欠です。
動画では、ここで紹介した分析に加え、より具体的な価格水準にまで踏み込んだ詳細な解説がなされています。プロの視点を、ぜひあなたのトレード戦略に役立ててください。

